著者:上田和男
発行年月:2010年2月19日
判型:四六変 頁数:200頁
定価: 1,890円(税込)
改訂版のための新規収録のオリジナルカクテル
「テンダーシリーズ」の追加撮影に立ち合った。
十数年前、私が『料理百科』という雑誌編集部に在籍し、
連載を担当させていただいた頃と、寸分変わらぬ厳しいまなざしで、
シェイカーを一心にふる。ハードシェイクである。
上田さんのシェイクから生まれるカクテルは、同じレシピであっても、
他のバーテンダーさんがつくるカクテルとは別物だ。
素人話で恐縮だが、その当時、我が家でも、
そんな上田さんに刺激を受けて、
毎晩のように「ギムレット」や「サイドカー」に挑戦したものである。
◎ギムレット (スタンダードカクテル)
大ぶりのクープ型シャンパングラスに、
丸みをおびたひと粒の氷が浮かび、
その周辺に細氷が一面に漂う。
◎サイドカー (スタンダードカクテル)
シェイカーを使ってつくるショートカクテルの基本。
「サイドカー」と共通の甘酸味のバランスをもつカクテルは
とても多い。
シェイカー全体に真っ白く霜がふり、指の皮がはりつくくらい、
ガチャガチャとふりまわし、ハードシェイクのシンボルともいえる、
憧れの砕氷がカクテルの液面全体に漂ったときは、
「やった!」と内心ほくそえむ。
しかし口に含むと、味は似て非なるもの。
数種の酒が一つにまとまって、カクテルは生まれるはずなのに、
なぜか一つひとつばらばらに味を感じる。
カクテルとはむずかしいものだ。
プロの仕事とはこういうものか。
◎マティーニ (スタンダードカクテル)
日本に広まって70年あまり、
数百とあるカクテルのなかで人気ナンバーワンの王座を
今もって他者に譲らないカクテルの王者。
◎シティ・コーラル (オリジナルカクテル)
グラスに施したコーラルスタイルが特徴。
前身の 『カクテルテクニック』 を出版してから、
早くも10年という月日が経った。
新世代のバーテンダーのみなさんのために、再び紹介しよう。
どうしたらおいしいカクテルができるのか、
ヒントがいっぱい詰まった1冊を。