著者:野崎洋光
発行年月:2010年11月25日
判型:四六 頁数:324頁
定価:3,360円(税込)
野崎さんは、超忙しい。
野崎さんはこの本の著者で、
「分とく山」という都内にある人気の日本料理店の料理長。
毎日あちこちを飛び回っているのに、
夜は必ず店のカウンターに立ちます。
お国訛りがちょっと残っていて、
どんなに忙しくてもいつもにこにこ温かく、
来店客を迎えます。
今回の撮影はいつも午後2時から開始。
でも野崎さんは昼からの料理教室を終えたばかり。
食事をとる暇もなく、すぐにカウンターに入って撮影開始です。
「あっ、これパンにも合うよ。ちょっとパンを買ってきて」と野崎さん、
店のスタッフに声をかけます。
なるほどこの“ナッツ和え衣”すごくパンに合う!
“胡桃和え衣” “絹さや胡桃味噌”もいけるじゃない?
日本料理の和え衣なのにパンに合うなんて!
いつもうちでつくってるキンピラや鯖の味噌煮。
どうして野崎さんがつくるとこんなにおいしいんだろう。
“彩きんぴら”は本当にゴボウがおいしく仕上がります。
きちんと火が通っているんだけど、なぜかシャキシャキ。
「それは酒を使うからですよ。水を使っちゃだめ。
水は煮汁が詰まるまでに時間がかかっちゃうでしょ。
ゴボウの繊維がやわらかくなりすぎてしまいます。
その点お酒を使えば早く煮詰まるんです」
なるほど、で、シャキシャキなのか。
“鯖の味噌煮”もとてもジューシー。
日頃鯖の味噌煮があまり好きじゃない
カメラマンのエビちゃんもびっくり!
こんなにおいしい鯖の味噌煮は初めて食べたって!
「サバは火を通しすぎてはいけないんですよ。
サバに限らず魚の切り身は10分以下で煮てください。
それ以上煮ても味はしみません。肉がぱさつくだけ」
おどろいたのが、“若菜あん”をかけた“蒸し鶏”。
とってもやわらかい。
野崎さん、この鶏、由緒正しい鶏なのですか?
それとも魔法でもかけたのかしら?
「いえいえ、普通のブロイラーですよ。低温で蒸してるんです。
蒸す温度が高すぎると肉が締まってしまいます。
温度の調整が大事なんです」
お肉って高温で加熱するものだと思っていたけど、
間違っていたんですね。
私のお気に入りナンバーワン。
忘れちゃいけないのは、“カレー和え衣”と“磯チーズ和え衣”。
子供も大人も大好きだと思います。
どんな味って? うーん言葉にできません。
ぜひぜひお試しを。
和え衣さえ用意すれば、こんなに簡単にできるんです。
さて、いかがでしたか?
この料理にはこれを使って、といった定番の味もいいものですが、
たまには頭を柔軟にして本書を使ってみてください。
同じ素材や料理でも、味つけを変えるだけで、
別の料理に生まれ変わります。
「次の世代に新しい味を伝えたい」
そんな思いで野崎さんはこの本をつくってくれました。