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「なるほど、とうなづけるチョコレート使い」 編集担当者より♪

06088.jpg『チョコレートにとって基本的なこと』

著者:ル・コルドン・ブルー
発行年月:2010年12月13日
判型:B5変 頁数:228頁
定価:4,200円(税込)


フランス人の菓子職人を取材して
書籍にまとめたのはこれがはじめてです。

「フランス人シェフはやはり違うよ」、と言っていた
日置武晴カメラマンの言葉が少し理解できた仕事でした。
なによりも形から入らず、なぜそうやるかを合理的に考えて動く。
それも頭で考える、というよりは体の中に染み込んでいる技術が
あふれてくるような感覚。
このためか「軽々と仕事をこなす」ように見えました。

チョコレートは日本ではまだまだ浸透していないお菓子であり、
技術なのでとくにそう感じたのかもしれません。

06088_1.jpgチョコレートはあらゆる点で温度管理が必要な食材です。
ある温度以下だと急にキュッと締まって固くなり、
ある温度以上だと溶けてしまいます。
型に流す時もこの特性をわかっていないと、
とり出すタイミングが遅すぎて冷えて固くなれば
割れてしまったりもします。
この温度をコントロールすることで
自由自在にボンボンがつくれることを、
かろやかに教えていただきました。

たとえばコーティングするチョコレートを厚くしたい場合は、
とろみを上げる感覚で温度を少しだけ低くします。
逆に薄くしたい時は温度を少し上げたり。


06088_2.jpg樹脂製の型を使ったピエスに
「子ども用ギフト」があります。

ここで使ったのは余分にカカオバターを加えて
柔らかくしたチョコレートでした。
レゴでつくった自家製の型は細かい溝がたくさんあります。
それを型どるのには流動性が高いチョコレートが必要だったのです。
味は本来のチョコレートよりも劣ります。
しかし、子どもが楽しめる形であることを優先させました。


06088_3.jpgまた、樹脂製型は柔らかく、
手に持って作業すると簡単に変形してしまいます。
樹脂製型の場合は、トレイの上で固定して型どりをして見せてくれました。
動いたら形が崩れてしまうからです。
言われてみれば、あたり前の動作なのですが。


つくり手が優秀だったからかもしれませんけれど、
「なるほどね」とうなづける場面が多く、
それがフランス人なのかな、と思った書籍でした。

この点は、チョコレート上級者にも楽しめるのではないかと思います。


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2010年12月10日 10:24に投稿されたエントリーのページです。

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