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2012年05月21日

Bakery book [ベーカリーブック]vol.6

80123.jpg『Bakery book [ベーカリーブック]vol.6』
柴田書店MOOK
発行年月:2012年5月21日
判型:A4変 頁数:204頁


 最近こだわりのベーカリーでたびたび耳にするのが、石臼で自家製粉をはじめたという話。
いろいろな小麦粉を扱うなかで、小麦そのものを自家製粉するパンづくりに挑戦したくなるのは、研究熱心なパン職人にとって自然な流れなのかもしれません。


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 巻頭で紹介した自家製粉の店も、数々のパンの生地配合やレシピを紹介してくれた実力派シェフたちの店も、地元の小麦でパンづくりを実践する店も、いずれもそれぞれにおいしさを追求し、人気を得ている地元密着店です。
また、趣味の米粉パンづくりがこうじて店をオープンした事例からも、パン文化の個性化、多様化への広がりがうかがえます。


 今回取材を通じてあらためて実感できたのが、パン用国産小麦の進化でした。
日本のパンは、ほとんどが外国産小麦からつくられており、国産小麦粉が占める割合は、ほんの数%にすぎません。
それでもニーズの高まりとともに数々の品種が開発され、生産地も広がってきました。
数年前から、人気の北海道産小麦「ハルユタカ」が入手できにくくなっていますが、その事情も今回の記事で理解していただけると思います。
栽培が難しくて、なかなか安定した生産量が確保できないといわれる国産小麦ですが、品種や産地の情報が入るだけに、ますます面白みが増している素材といえるようです。


80123_2.jpg ベーカリーのギフト企画は、洋菓子店のスイーツ対抗(?)企画です。
生菓子よりは日もちがし、持ち運びやすく、価格もリーズナブルなため、意外と増えていそうな“パンの手土産”需要。
「ちょっとしたプレゼントに」という要望にこたえられるような、ぴったりの商品や簡単なラッピングのヒントにしてください。


80123_3.jpg そしてベーカリーのギフトといえば、定番化しつつあるのが、クリスマスの「シュトーレン」。2011年に人気を博した20店の品々を一堂に集めました。なかには、ドライフルーツの洋酒漬けなど、すでに準備をはじめている店もありました。
ドイツの伝統的なレシピから、ケーキタイプ、チョコレートや和風味など、じつに個性豊か。次のクリスマスは、どんなシュトーレンが登場するのか楽しみです。

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投稿者 webmaster : 2012年05月21日 09:57