いつ来てもお客さんでいっぱい。訪れるたびに元気になれる。そんなカフェはどうすればつくれるのか。
著者が心に浮かんだ問いへの答えを明らかにしようと取材を始め、それをまとめた「カフェをはじめてみませんか？」を刊行したのが2002年。それから順調に版を重ねて４年。掲載したいくつかのカフェが店を畳んだり移転したりしたこと、景気の変動により、カフェ経営をめぐる状況に変化が生じたことなどを鑑み、このたび増補改訂を行ない、新版として刊行することになりました。
なくなった店は、新しい店と差し替え、開業プロセスの解説には、最新の情報を盛り込んでいます。カフェガイドはエリアを広げ、掲載店舗を以前の倍の１６に増やしました。

前書の表紙カバーは、書棚でとても目を引いた紫色でした。グリーンの線で描かれた、微笑むティーポットがなんとも可愛らしく、思わず手にとってしまった方もいるのでは？新版は同じデザインで、地の色が赤になりました。ティーポットは水色、タイトルが白抜き文字でくっきりと映え、前書に負けない可愛さです。

第一章の８店は、カラー写真で紹介しています。店内やエントランス、看板や手書きメニュー、料理など、なるべくそのお店らしさが伝わるような写真を選んでいます。またオーナーの顔写真はモノクロ頁で紹介していますが、どの顔も、やりたいことをやっている、という満足と自信が感じられる、とてもいい表情をしています。

本の構成は前書と変わらず、東京とその周辺にある８つの店のオーナーが「カフェができるまで」を語った第一章、開業プロセスの詳細を解説した第二章。カフェづくりのヒントになりそうなおすすめの店を紹介する第三章からなります。カフェ開業を夢みる人にとって必要なこと、知りたい内容が平易な文章ですっきりとまとまったこの構成が、読みやすさの理由。

第三章のカフェガイドは大幅に掲載店舗数を増やしたことから、ガイドとしてより充実した内容になりました。今まで掲載していなかった近畿、九州エリアのお店も掲載しています。カフェが大好きなカフェファンにも楽しんでいただける内容です。

[担当編集者より]

本書には、「大きな資本を持つ会社が経営する、一等地の大規模店」はでてきません。スペースは限られているけれど、味とお客さんを和ませる雰囲気にかけてはどこにも負けない。そんなオーナーたちの気概が伝わってくる評判の店ばかりです。それだけに、いつか自分のカフェをつくりたい、と思っている読者にとって、本当に参考になる一冊といえるでしょう。

◎籏智優子（はたち・ゆうこ）
1969年生まれ。
明治学院大学社会学部社旗福祉学科卒。雑誌編集者をフリーライターに。ライフスタイル誌、ビジネス誌などを中心に寄稿している。
著者に「販売員になるには」ぺりかん社