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2011年03月14日

少しでも、お役にたてれば。

【阪神大震災の経験から】
阪神・淡路大震災で被災した料理研究家の坂本廣子さんの体験をもとにまとめ、2006年に発売された『地震の時の料理ワザ』より、現時点で役に立つと思われるポイントをまとめました。
被災の状況、どこで過ごしているか(避難所か自宅か)などによって、まだ現実的でない内容もあると思いますが、被災者の方、そして物資を届ける方の一助になれば幸いです。
※イラスト付きの内容は、PDFでご覧いただけます。


□水関連

・飲料用の水以外は、必ず沸かして飲む。
・水をポリタンクに入れたままだと重くて使いにくい。大きなバケツなどがあれば、そこにポリ袋をかぶせてその中に水をためるようにするとよい。
・貴重な水はリサイクルを。食器は汚れを拭いてから洗い、その水は流さず、網でこしてトイレ用の水にする。顔を洗った水やうがいした水もトイレ用に。


□キッチンの中の道具で役に立つもの

ポリ袋
(小サイズ)
・調理用手袋として使う(食中毒の危険回避、手を洗う水の節約)。
・炊き出しなど食事をもらう時に使う(汁気のあるものも大丈夫。ただし熱いものは×)。
・食材を漬ける、混ぜるなど、ボウルがわりに使う(水の節約)。
(大サイズ)
・ポリバケツにポリ袋をかぶせ、そこに水を入れておくと、清潔に水が使える。
・給水時、水を入れるのに使う。ダンボール箱があれば、ポリ袋の口を縛って入れると水が運びやすい(台車やカート、キャリーケースなどがあると、さらに運びやすい)。

ラップ
・新聞紙と一緒におなかに巻くと温かくなる(新聞紙の上にラップを巻く)。
・皿に張って食べものをのせ、洗う水を節約。汚れたらラップをはがして捨てる。
・炊き出しでおにぎりを作る時にラップを使うと衛生的。しゃもじにも張る。

アルミホイル
・おとしぶたにして料理をすると省エネになる。
・熱い料理には、ラップがわりに器に巻くと保温できる。

耐熱オーブンシート
・炊き出しの際、鍋に敷くと油がいらず、焦げつかない。

キッチンペーパー
・ふきんやタオルのかわりにする(洗濯ができないので、布を汚すよりペーパーを使い捨てにする)。
・お湯でぬらして体をふく。

ペットボトル
・2リットルのものは水の移動用に使う(もし水が汚れていた場合、ポリタンクのような大きないれものの方が汚染も広がりやすい)。
・簡易トイレに(口の細いペットボトルの上部を切り、逆さにしてじょうごにする)。
・ふたがダイダイ色の小さなペットボトルは熱湯OK。湯を入れてゆたんぽ代わりに。


□食中毒を防ぐ

*ポイントは菌をつけない、殺菌する、調理後時間をおかない。
・食材を直接手でさわらない。ポリ袋に手を入れて食材をさわる(調理用手袋がわりに使う)。
・キッチンバサミを利用すれば、まな板が不要になる(水が不足する中、まな板をきれいに洗うのは難しい)。
・スライサーやピーラーもさっと湯をかけて消毒ができて、乾燥もしやすいという点で便利。
・ゴミをポリ袋できっちり密閉して汚染源にしない。


□かまどの作り方

コの字にブロックを並べ(後ろのブロックは風よけ)、ブロックの穴に工事用のペグを2本打ち込む。そこにペグを通して渡し、飯ごうをつるす。金網を置けば鍋をのせることもできる。
※火の扱いには充分注意してください。


□れんがを使った炭コンロの作り方

1 金網の大きさに合せて、四角くレンガを並べる。ひとつだけレンガを取り除き、空気口にする。
2 地面に炭を敷き詰めて火をおこす。アルミホイルを敷いてから炭をおくとよい。
3 金網を敷いて柄にプラスチックなどが使われていない鍋やボウルで調理する。
※火の扱いには充分注意してください。


◎坂本廣子
食育・料理研究家。サカモトキッチンスタジオ主宰。神戸生まれ神戸育ち。阪神・淡路大震災で被災。その経験から日常生活をベースにした防災の普及をライフワークとして行なっている。著書に『地震の時の料理ワザ』(柴田書店)。



◆電気が復旧するまでに役にたつ
『地震の時の料理ワザ』の一部をPDFにしました。
https://www.shibatashoten.co.jp/oshirase/06003_3.pdf




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投稿者 webmaster : 2011年03月14日 14:03