ネパールはインドと中国(チベット自治区)に挟まれた細長い国。あの世界最高峰エベレストを含むヒマラヤ山脈のある国です。最近では日本でも都市部を中心にネパール料理店が増え始め、カレーマニアによる注目度が急速に高まりつつあります。
ネパール料理は、使うスパイスの量も種類も少なく、スパイシーでありながら素材の持ち味をしっかりと生かした味わいが特徴。インド料理やスパイスカレーと共通のスパイスを使うものの、スパイスづかいや配合、調理のメソッドは独特。そのため、レシピ集の刊行が待たれていたジャンルでもあります。
なかでも、特に注目されているのが書名にもある「ダルバート」。南インド料理におけるミールスのように、さまざまなカレーとご飯を盛り合わせて構成する、定食スタイルの料理です。ネパールを代表するこの料理に、目下、中毒者が続出中。
そこで、本書ではダルバートを中心にネパール料理のレシピを60品以上収録しました。著者はスパイスカレーのメッカである大阪で、ダルバート専門のネパール料理店「ダルバート食堂」を営む本田遼さん。10年以上にわたって追求してきたネパール料理のおいしさを伝える渾身の一冊です。
1章ではダルバートのさまざまな盛り付け例をご紹介するとともに、ダルバートの構成要素であるダール(豆のスープ)、タルカリ(野菜のスパイスおかず)、ノンベジカレー(肉や魚のカレー)、アチャール(漬物)、サーグ(青菜のスパイス炒め)のレシピを収録。
「ダールとは、いったいどのようなものなのか」といった解説もあわせて収録しました。つくっておいしいだけでなく、「ダルバートとは何なのか」、その真髄を知ることもできる内容となっています。
2章では、ネパールのおつまみや軽食、スイーツ、ドリンクなどをご紹介。ダルバートと並んでネパール料理を代表する軽食である蒸し餃子の「モモ」や、肉をあぶり焼きしてスパイスで和える「チョエラ」など、ネパール料理マニア垂涎のレシピ集です。
巻末にはカトマンドゥ(ネパールの首都)の食べ歩きガイドブックや食材のネパール語辞典、ネパール食文化についてのコラムも収録しました。
*『ダルバートとネパール料理』公式Instagramは、こちら