京都・鞍馬の奧、花背にある「美山荘」は、四季折々の山の素材を独自の感性で捉えた料理と、
温かいもてなしで多くの人の心を掴んできた。
山菜、茸、川魚……、山の素材が素朴に、骨太に、しかも雅びた品格をもって供される美山荘の
料理を、厳しく、美しい花背の自然を織り混ぜて紹介する。
この山里で生まれ育ち、こよなく自然を愛し、美山荘に独自の境地を拓いた中東吉次氏の遺作。
和子夫人の手で活けられた野の花が趣きを添える。
初版発刊年月:1994年10月 判型:B5 頁数:196頁 限定:550部
著者:中東吉次 価格:7,140円(本体:6,800円) 目次PDF
◎中東吉次(なかひがし・よしつぐ)
昭和13年4月22日、京都洛北花背の旅館、美山荘の長男として誕生。山里の自然の豊かさ、
厳しさに育まれて成人し、23歳で先代より家業を継ぐ。茶道を井口海仙宗匠に師事、独学で料
理を学び、美山荘に「摘草料理」の世界を拓く。
京都料理芽生会、京都料理組合、柴田日本料理研鑽会のメンバーとしても活躍し、広く名を
馳せるが、平成5年12月逝去。
著書に『京 花背 摘草料理』(淡交社刊)がある。