「ザッハートルテ」などに代表されるウィーン菓子だが、その基本をきっちり押さえた本は、これまで
あまりみかけなかった。著者はウィーンで菓子職人としてのすべてを学び、オーストリア国家公認の
「製菓マイスター」の称号を持つ数少ない日本人のひとり。
この本はマイスターの技術を美しい写真とともに、基礎から応用までをあますところなく紹介したも
ので、ウィーン菓子を知りたい人にはうってつけの書といえる。他に、祭りの時などによく食べられ
る揚げ菓子「クラプフェン」をはじめとする〈イースト菓子〉、また薄くのばした生地を使う「シュトゥル
ーデル」や団子状の「クヌーデル」といった〈温かい菓子〉など、これまであまり紹介されなかったジ
ャンルの菓子もとりこんでいる。新しい菓子との出会いもあり、楽しめる一冊となるだろう。
初版発刊年月:1999年12月 判型:B5 頁数:184頁 限定:600部
著者:八木淳司 価格:5,040円(本体:4,800円) 目次PDF
◎八木淳司(やぎ・じゅんじ)
日本国内のホテルや菓子店で勤務後、1976年にオーストリアに渡る。「ニメッツ製菓店」(リンツ)、
「リーダーマン製菓店(ウィーン)で修業後、ウィーンヒルトンホテル副製菓長に。1980年にはオー
ストリア国家公認製菓マイスターを取得する。その後、ドイツのレストラン「タンタリス」(ミュンヘン)
副製菓長、デュッセルドルフヒルトンホテル副製菓長などを経る。計8年の滞在を終えて帰国後、
1988年に「フレダーマウス」を開店。