2011年04月05日
第1回
こんにちは。カノウユミコです。
私は、菜懐石「仙」という精進懐石料理のお店を営みながら、料理教室をしたり、料理本を作ったりと、バタバタと忙しい毎日を過ごしています。
そんななかで、自分や家族のためにごはんを作ったり、気に入ったお店で外食をしたり……。短い時間で工夫をしながら、時には力を抜いて、私のごはんは季節の野菜とともに続いています。
ここでは、料理本ではなかなか書けないやりくり料理や、楽しく健康に過ごす工夫などを織り交ぜながら、普段着の日々を綴っていきたいと思います。
息抜きにのぞいていただけると嬉しいです。
第1回(4月1日 ― 3日)
4月1日(金) 晴れ
・根菜のきんぴら
・春野菜のマリネ
・豆乳ごまドレッシングの根菜サラダ
・玄米ごはんと山芋とろろ
・たくあん
・味噌汁
+タンポポの根のお茶
あたたかな春の一日だった。桜も少し咲き始めた。
近所の自然食レストランで、友人と晩ごはん。
震災から3週間が経ち、原発の問題をはじめ依然として先が見えない。
野菜の放射能を気にするか、農薬を気にするか。
いろいろ考えるときりがないが、
私は今までと同じように、日本の季節の野菜や海藻、穀物、発酵食品を
摂る生活を続けることで、自分のエネルギーのバランスをととのえ、
放射能を排泄できる体作りをしていこうと思う。
4月2日(土) 晴れ時々くもり
・野菜のネパールカレー
(にんじん、大根、じゃがいも、まいたけ)
・ブロッコリーとアスパラガスのオリーブオイル炒め
・ひじきのおひたし
・漬けもの
(すっぱいたくあん、塩らっきょ、白菜漬け)
・3分づき米
息子が「カレーが食べたい」と言うので、たっぷり野菜を使い、
スパイスをブレンドしてネパールカレーを作った
(私はネパールにいたことがある)。
普通は野菜を炒めてから煮込むが、私はスパイスやトマトを炒めている間に
隣の鍋で野菜を蒸し煮にし、やわらかくなったらスパイスの鍋に野菜を移し、
水を加えて作っている。調理時間が短く済むうえ、野菜ひとつひとつが甘くて
とてもおいしく仕上がる。
ブロッコリーとアスパラガスは、
オリーブ油と唐辛子と塩でたくさん炒めて常備菜にした。
そのまま食べてもいいし、付合せにしたり、パスタにしたり、
煮込みの仕上げに入れたりと、いろいろに使いこなせて便利だ。
4月3日(日) くもり
[昼]
・うどとにんじんのピリ辛きんぴら納豆丼
・あじの干物
・落花生豆腐
・花わさびの醤油漬け
・キャベツとまいたけと油揚げの味噌汁
・すっぱいたくあん
[夜]
・無農薬野菜のバーニャカウダ
・野菜とトマトの玄米リゾット
・蟹と大根のゆず風味和風スパゲッティ
+ビール、ソイラテ
今日はお休みだったので9時半ごろまでゆっくり寝て、
夕方までパソコンに向かいレシピを書いていた。
週末はお店に残った料理や野菜を持ちかえるので、食卓が充実する
(お昼の落花生豆腐と花わさびの醤油漬けはお店で残ったもの)。
お昼ごはんは、お気に入りのきんぴら納豆丼。
写真のきんぴらと納豆をごはんにのせて食べる。
きんぴらはれんこん、ごぼうなどの根菜はもちろん、
うど、セロリ、じゃがいも、こんにゃくなどを組み合わせて
いろいろなパターンで作っている。
野菜が甘くなるまでじっくり炒め、コチュジャンや豆板醤をきかせて
ピリ辛に仕上げ、すりごまと薬味をたっぷりかけるのが好き。
夜は、友人と近所の小さなホテルで待ち合わせ、野菜たっぷりの料理を
つまみながらおしゃべりをした。
その後、また深夜までレシピ書き……。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
◆カノウユミコ “オフィシャルホームページ” はこちら。
投稿者 webmaster : 2011年04月05日 09:51