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2011年05月31日
第9回(5月22日 ― 28日)
私の地元・鳥取に行ってきました
5月22日(日) 晴れのち雨
[昼]
地中海料理店にて
・旬の野菜と桜マスのサラダ
・ひめ鯛のポワレ
・ミルクシャーベットと栗のミニケーキ
+コーヒー
[夜]
・栗じゃがいもとフルーツ人参のスープカレー
・オクラと空心菜の炒めもの
・アスパラガスと豆腐の塩炒め
・すっぱいたくあん
・3分づきご飯
お昼は、地中海料理のお店で友人とバースデーランチ。
午後は、お店でも使っている奈良の松本洋一先生の器の個展に、
よみうりランドまで行った。
新作の器もたくさんあり、先生と久しぶりにいろいろ話した。
あいにく土砂降りとなり、服が濡れてしまったので、早めに帰宅。
夜は、雪室で貯蔵して甘くなった北海道産のじゃがいもと
無農薬のフルーツ人参を蒸し煮して、スープカレーを作った。
その他のおかずは、常備菜をあたため直したもの。
5月23日(月) 晴れ
[昼]
・葉ネギと油揚げのうどん
[夜]
・天然海老とスナップえんどう入り
カニトマトソーススパゲッティ
仕事が休みだったので、お昼ご飯は、
葉ネギと油揚げだけのシンプルなうどんを作った。
私はうどんにたくさんの具を入れるのがあまり好きではなくて、
刻んだネギと油揚げだけを入れるのが一番のお気に入り。
夜は、冷凍庫に常備しているカニのトマトクリームソースを使って、
簡単にパスタを作った。
お休みの日は、とにかく休まねばと思い、手抜き料理ばかり……。
5月24日(火) 晴れ
越前おろしそばの店にて
・わかめの和えもの
・野菜のおつまみセット
(豆腐のそば味噌のせ、
いんげんのごまあえ、
しょうがの味噌漬け、大根おろし)
・焼き空豆
・あったかいとろろそば
+純米酒の熱燗
今日は読売新聞の料理ページの撮影で、オクラやモロヘイヤなど、
ねばねば野菜を使った料理(餃子とパスタ)を作った。
ねばねば野菜と糸こんにゃくをみじん切りにして餃子にしたものは、
記者やカメラマンの方にも好評だった。
6月8日の朝刊に掲載予定です。
夜は、久しぶりに越前おろしそばのお店へ行った。
ここの塩だれと辛味大根おろしで食べる冷たいおそばが大好きなのだが、
今日は寒かったので、はじめてあたたかいおそばをいただいた。
気のきいた野菜のおつまみも楽しい。
5月25日(水) 晴れ
[昼]
妹と目黒雅叙園の中国料理店にて
・前菜(紅芯大根とくらげとあえもの、
ピータンと豆腐のあえもの、
きゅうりの甘酢漬け)
・とうもろこしのスープ
・あおりいかとにんにくの芽の炒めもの
・ニラ玉
・海老チリ
・芥蘭菜の炒めもの
・もやしザーサイ麺
・マンゴープリン
+中国茶
[夜]
近所のカフェにて
・スモークサーモンとアボカド入り
有機野菜のサラダ
・じゃがいものローズマリーグリル
+生ビール
お昼に目黒駅で妹と待ち合わせ、
目黒雅叙園でゆっくり中華ランチを楽しんだ。
品数も多く、ヘルシーで、しかもリーズナブルで大満足。
チャイニーズブロッコリーと言われている「芥蘭菜(ガイランツァイ)」
という台湾野菜がおもしろかった。
その後、ラウンジで小学館の佐藤さんと会い、
『やさいのかみさま』の台湾版の出版について話を聞いた。
うまく契約が成立したとしても、本ができ上がるのに1年半以上かかるらしい。
なんとか無事出版できますように。
夜は近所のホテルのカフェで友人と軽く飲んだ。
明日は朝早いので、少しだけ食べてほとんど持ち帰った。
5月26日(木) くもり時々雨(鳥取)
[昼]
農家レストランにて
・タジン鍋蒸し野菜(キャベツ、空豆、
長いも、にんじん、ズッキーニ、新玉ねぎ)
・とれたて野菜のサラダ
(レタス、ミニトマト、アスパラガス)
・切干大根の煮もの
・ナスの煮もの
・いんげんのごま和え
・大根おろし
・雑穀ご飯
・味噌汁、きゅうりのぬか漬け
[夜]
実家にて
・カレイの煮つけ
・ハタハタの自家製干物焼き
・ゆで白バイ貝
・大根菜の浅漬け
・新玉ねぎの酢漬け
・わらびの煮もの
・海藻(ムカデモンバ)ポン酢
・カワハギとアジの卵の煮つけ
・スイスチャードのサラダ
・梅干しごはん
+ビール
鳥取県農業改良普及職員協議会の総会で、講演会の講師を依頼されて、
早朝の便で鳥取に向かった。
鳥取は私の地元である。
羽田発6時35分の便だったので、4時に起きて5時に家を出発。
8時前には鳥取に着き、バスで実家へ。
空港から実家までは海岸沿いの国道を移動するので、
2年ぶりに日本海のなつかしい風景を堪能できた。
今日は、普及員さんたちに野菜料理教室をする予定で、
午前中に打ち合わせ、お昼は普及員さんと一緒に農家レストランでいただいた。
朝、畑でとれたばかりの野菜を使っているので、
どれもみずみずしくおいしい。
ただ、野菜使いとしては、蒸し野菜とサラダが中心なので、
『菜菜ごはん』を勧めたくなった(笑)。
料理教室では、野菜のおいしさをいかに引き出すかというテーマで講義し、
にんじんの蒸し煮をベースにしたペースト、そぼろ、だしを使わない煮ものと
にんじん料理3点を実習した。
皮をむかず、水にさらさず、できるだけ野菜の水分で蒸し煮するという調理は
はじめての体験だったようで、「野菜ってこんなに甘いんですね。」と感激された。
夜は母が私の好きな日本海の魚料理を作ってくれて、
「おいしい!」を連発した。
畑で収穫したての無農薬野菜ととれたての地魚の食卓は
とってもぜいたくで、心からおいしいと思う。
5月27日(金) 晴れのちくもり(鳥取)
[朝]
実家にて
・トースト(はちみつ&きなこ)
・ヨーグルト
・ゆで黒豆
・ゆでアスパラガス
・キャベツときゅうりのサラダ
・いちご
+紅茶
[昼]
実家にて
・ハタハタの自家製干物焼き
・カワハギとアジの卵の煮つけ
・長いもだんご汁
・大根菜の浅漬け
・自家製小梅干し
+薬草茶
[夜]
講演会後の懇親会にて
・私のレシピによる白ねぎプレート
白ねぎの甘酢漬け、
貧乏人の白アスパラガス(ゆで白ねぎ)の
豆腐マヨネーズ添え
焼き白ねぎ、スペイン風ソース添え
・野菜と地魚の握り
・長いもと白ねぎののり巻き天ぷら
・揚げ海老
・東伯牛のたたき
・旬の蒸し野菜(にんじん、
スナップエンドウ、アスパラガス)
・イカそうめん
・とち餅入り茶わん蒸し
+ビール
講演会は15時半からだったので、午前中は実家の畑でいちごや木いちごを摘んだ。
日本海に面した砂丘地には、東京に住む私や妹に送る無農薬野菜などを育てる専用の広い畑があり、両親がたくさんの種類の野菜、果物、花を栽培している。さすがにプロの農家だけあって、管理がすばらしい。
講演会では、鳥取の農産物のすばらしさやこれからの売り方、
加工の仕方を、東京からの視点で話した。
農村は後継者不足が深刻だ。
私たちの体を支えてくれる食べものを作る農業という仕事は、
どんな仕事よりもやりがいがあると思う。
「農家が一番かっこいいし、経済的にも豊かだね!」と
誰もが思えるようになってほしいと心から願っている。
夜の懇親会では、私が鳥取特産の白ねぎを使ったレシピを3点紹介し、それを仕出し屋さんが作ってくれた。
どれも夏発売の『菜菜おつまみ2』で紹介する予定のものだが、
「こんな使い方やおいしさがあるんだ」と大好評だった。
いろいろなごちそうがテーブルに並んでいたが、
私は多くの人から話しかけられ、白ねぎ料理と揚げものを少し食べただけだった。
5月28日(土) くもり時々雨
[昼]
・野菜塩ラーメン
・3分づき米のおにぎり(梅干し)
・海苔
鳥取空港9時発の飛行機で、東京へ戻る。
朝6時すぎに実家を出たので、朝食を食べる時間がなかった。
帰宅後、疲れと頭痛で買いものに行く気力もなく、
お昼は非常食用に買っていた、お湯をかけるだけのラーメンと
炊いてあったごはんでおにぎりを作り、簡単に済ませた。
この海苔は、「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトで見つけた、
築地にある林屋海苔店3代目の相沢さんという方が特別に仕入れた「海大臣」
という、有明産のとってもおいしいもの。
はじめて食べた時、あまりのおいしさに「これ、海苔?」と思わず
言ってしまったほどだ。
「これを一度食べると、他の海苔はとても食べられない」という
困った状況になってしまうので、あまりオススメはできないが(笑)、
食べた時の幸せ感は何にも代えがたい。
私は食欲がなくなると、「カンホアの塩」(これも私の愛用品)を手にたっぷりつけて
自家製の梅干しを入れておにぎりを作り、この海苔を巻いて、よーく噛んで食べる。
極上のおにぎりは、私の体の細胞ひとつひとつを蘇らせてくれるのだ。
午後からは、お茶の水にある自然食品店「GAIA(ガイア)」主催のオーガニック食品見本市へ。
「カンホアの塩」のブースで、妹が私の料理本や
レトルトカレーを販売していたので、サポートに行った。
料理本を買ってくださったお客さまにはサインや握手をしたり、
一緒に写真を撮ったり……。
普段、読者の方と交流することが少ないので、いろいろお話できて楽しかった。
頭痛薬もあまりきかず、頭痛が激しくなる一方だったので、
早めに帰宅しベッドに直行。よって夜ごはんは抜き。朝まで寝込んでいた。
たぶん、疲れと低気圧のせいなのだと思うが、早くよくなってほしい……。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
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2011年05月24日
第8回(5月15日 ― 21日)
5月15日(日) 晴れ
[昼]
・ラップ巻き寿司
+3年番茶
[夜]
・具だくさんの混ぜごはん
・落花生豆腐と三つ葉の味噌汁
知り合いの漫画家さんたち5人と作った義援画集を販売するため、
東京ビックサイトで行なわれた「デザインフェスタ」に出展。
私は差し入れに笹の代わりにラップで包んだお寿司を持参した。
ごはんに梅酢とゴマを混ぜて酢飯を作り、
ごぼう、こんにゃく、干し椎茸、くるみ、栗を煮たものを具に入れ、
塩ゆでした空豆とみょうがの梅酢漬けをのせて包む。
笹寿司はもともと長野で戦国時代に“野戦食”として食べられていたらしく、
本来は殺菌効果のあるクマ笹の葉で包むのだが、
なかったのでやむなくラップにした。
手が汚れず、ごはんもおかずも漬けものも入っていて栄養のバランスもよい、
という素晴らしい携帯食だ。
味のバランスを考えつつオリジナルで作ったところ、
おいしいと大好評だった。
画集の売上げはぼちぼちだったけど、学園祭のようで楽しかった。
家についたら21時。
久しぶりに人をたくさん見て疲れてしまったので、
晩ごはんは寿司の具の残りをごはんに混ぜ、常備菜の塩ゆでした
発芽ビーン(5月13日の日記参照)とみょうがの甘酢漬けを散らした
簡単混ぜごはん。味噌汁は、お店で残った落花生豆腐入り。
5月16日(月) 晴れ
[昼]
日本料理店「本城」にて
・ごま豆腐のうにのせ、
甘海老、マイクロトマト、葉わさび添え
・かぼちゃと小倉のゆば蒸しあんかけ
・お造り(まぐろ、鯛、いか、すずき)
・たけのこしんじょのお吸いもの
・あゆの木の芽味噌焼き
・炊き合わせ(姫たけのこ、かぼちゃ、
なす、海老のたたき揚げ)
・とうもろこしとひじきの炊き込みごはん
・赤だし、漬けもの
・牛乳寒天のいちごソースかけ
+純米酒いろいろ
[夜]
近所の寿司屋さんにて
・たらばがにの和えもの
・ゆずこしょうを添えたすずき
・ほたるいかのしょうゆ焼き
・締めさば、新じゃがの甘酢漬け
・握り(とり貝、赤貝、ほたて、いわし)
・だし巻き、海老入り玉子焼き
+生ビール
お昼は前にも登場した下北沢「七草」の前沢リカさんほか
グルメ女子5人で、予約が取れないと評判の、用賀にある日本料理店
「本城」でミニ懐石料理をいただく。
バランスよくまとまった充実の内容で2500円はとてもリーズナブル。
予約が取れないのもうなずける。
今後もこの5人で定期的においしいお店のランチめぐりをする予定。
ちなみに次回は霞町の「すゑとみ」です♪
夜は次男の誕生日のお祝いで、
本人の希望で近所のこだわりのお寿司屋さんに行った。
少しおつまみをいただいてから、おまかせでいろいろ握ってもらう。
私はランチの時間が遅かったのと、魚ばかりというのはさすがにきつく、
握りの途中でリタイア。
息子はしょうゆで食べるばかりではない(笑)高級なお寿司屋さんは
初体験だったので、大感動のようだった。
というわけで、出されるそばから食べてしまうので写真はありません…。
5月17日(火) くもり時々雨
近所の割烹にて
・能登産旬魚のお造り
・季節の野菜の炊き合わせ(ふき、うど、
わらび、新ごぼう、にしん)
・大葉入りだし巻き玉子
・京風にゅうめん
+生ビール
妹と明日からの料理教室の準備。
夜は近所のお気に入りの店で飲みながら食べる。
この店のお通しは、旬の魚のお造り。
能登の漁師から直送される魚は珍しいものが多く、
新鮮でとてもおいしいのだが、なんという魚かは方言と早口で
聞き取れなかったとのこと(笑)。
私はいつも、ここの野菜の炊き合わせを楽しみにしている。
とてもていねいに仕事がしてあり、繊細な味に仕上がっているのだ。
5月18日(水) 晴れ
・いくら丼(息子用)
・新ごぼうと空心菜の煮びたし
・わらびのしょうゆ漬け
・しじみと春菊の味噌汁
料理教室1日目。
今月のテーマは「初夏の精進料理」。
日本の精進料理は鎌倉時代の禅宗から広まったもので、
料理はもちろん、日々の生活の動作すべてが修行になるという考え。
「ひとつひとつの調理を、心を無にしながら行なうこと」などと
話しながら、シンプルに旬の素材を生かす料理を教えた。
生ゆばをすり鉢であたってあえ衣を作る「スナップえんどうの生ゆばあえ」と、
ノンシュガーのいちごジャムをベースに作る「いちごと小豆の水ようかん」
がとても好評だった。
晩ごはんに、常備菜になるような煮びたしとしょうゆ漬けを作ったのだが、
うっかりごはんを炊くのを忘れていて…。
息子のぶんのごはんしかなく、私はおかずだけを少しいただいた。
5月19日(木) 晴れ
[昼]
近所のカフェにて
・揚げだし豆腐
・海老のピリ辛マヨネーズあえ
・野菜のピクルス
・こごみのごまあえ
・ゆで野菜のサラダ
・じゃがいもの冷製スープ
・ごはん
+カモミールのハーブティー
[夜]
・フルーツ盛り合わせ
(ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、
ミニトマト、日向夏)
料理教室2日目。
お昼は久しぶりに近所の「あじさいカフェ」で食べた。
一軒家を改装した素敵なカフェで、庭にはたくさんのあじさいがあり、
これからの季節が楽しみ。
夕方から義援画集のイベント(トークショー)で青山へ。
終わったあとに打ち合わせもあって遅くなり、
途中で主催者の方が出してくれたフルーツの盛り合わせを
いただいただけで、晩ごはんは食べなかった。
5月20日(金) 晴れ(とても暑かった)
・生ゆば丼
・新ごぼうと空心菜の煮びたし
・アスパラガスと椎茸と豆腐の味噌汁
・もずく酢
・すっぱいたくあん、わらびのしょうゆ漬け
料理教室3日目。
今日初めて教室にいらっしゃった生徒さんから、
庭の草花で作ったという素敵なミニブーケをいただいた。
私のエッセイ『やさいのかみさま』(小学館)を読んで感激して
いらっしゃったとのこと。とても嬉しかった。
偶然、担当の編集者さんからも連絡があり、『やさいのかみさま』が
台湾でも翻訳されることが決まったらしい。
人生や料理に対する思想は、国を越えて共感してもらえるのではと思っている。
夜は、大好きな生ゆばと青じそをたっぷりのせた丼にした。
5月21日(土) 晴れ
・にんじんとカシューナッツのカレー
・リーフセロリとアスパラガスの豆腐炒め
・すっぱいたくあん、梅干し
・もずくのレモンじょうゆがけ
今日も暑い1日だった。教室4日目。
さすがに疲れて夜は私が開発したベジタリアンカレー(レトルト)で
かんたんに済ませた。
副菜はリーフセロリと鳥取の実家のアスパラガスと期限切れの豆腐(笑)を、
にんにく、青唐辛子と一緒に炒め、塩としょうゆで味をつけたもの。
さわやかな香りと辛さがあって、カレーによく合う。
実家のアスパラガスは、育てているわけではなくて
畑の脇に雑草のように毎年ニョキニョキと顔を出す。
子供の頃は、この時期になると畑でいちごを摘んだあとに、
アスパラガスをぽきっと折って持ち帰り、ゆでたてにマヨネーズを
つけたものをおやつに食べていた。
収穫したてのおいしさは格別だったなぁと思う。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
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2011年05月17日
第7回(5月8日 ― 14日)
5月8日(日) 晴れ
[昼]
・こしあぶらと豆腐のにゅうめん
・こごみの白和え
・白うりの塩漬け
・わらびのしょうゆ漬け
・海藻ごはん
[夜]
・豆カレー
・3分づきごはん
・リーフセロリのしょうゆ漬け
・すっぱいたくあん
・しじみと三つ葉の味噌汁
休日だったが、朝から体調がすぐれず、1日中家でのんびりしていた。
お昼ごはんは「こしあぶら」という香りのよい山菜と豆腐を炒め、
温かいにゅうめんをつくった。
副菜のこごみ、白うり、わらびは前日のお店で残ったおかずで、
海藻ごはんは、ごはんに私がプロデュースした「海の十四宝」を混ぜたもの。
晩ごはんも「カノウユミコの日本の豆カレー」という私が開発したレトルトカレーをメインに、簡単に済ませた。
常備菜やレトルト食品は、疲れた時に本当に助かる。
5月9日(月) 晴れ
[夜]
・アスパラガスとアサリと貝柱のスパゲッティ
引き続き頭痛で、ほとんど寝て過ごす。
お昼ごはんは小さなおにぎりを1つだけ。
夜は少しおさまったので、息子に作ったスパゲッティを
少しだけいただいた。写真は、そのソース。
明日から仕事なので、なんとか頭痛がなおってほしい。
5月10日(火) くもりのち雨
・豆腐と焼きかぶと焼き舞茸のすき焼き風
・春キャベツの味噌汁
・わらびのしょうゆ漬け
・すっぱいたくあん、梅干し、白うりの塩漬け
今日は1日中、タキイ種苗が出している雑誌『はなとやさい』の
料理ページの撮影をした。
毎月、家庭菜園向けの野菜を使った料理を紹介している。
一般的な野菜ではなく、アイスプラント、空芯菜、あさつき、らっきょうなど、
あまり使わない野菜を「種から育てておいしく食べる」というコンセプト。
めずらしいもの好きの私には、とても楽しい仕事だ。
晩ごはんは、野菜のすき焼き風。
青唐辛子を入れて、爽やかでピリッとしたアクセントをつけた。
私は甘辛い味が好きではないので、塩とゆずベースのすき焼きを作ったり、
しょうゆだけで煮て青じそやねぎなどの薬味をたくさん散らすなど
オリジナルのすき焼きを作っているが、
今日の青唐辛子バージョンもなかなかおいしかった。
5月11日(水) 雨
・季節の野菜の炊き合わせ
(アスパラガス、小いも、
スナップえんどう、ごぼう)
・焼き空豆
・マスの南蛮漬け
・梅干し茶漬け
+生ビール
明日から土曜日まで「仙」の予約が入っているので、
今日は仕込み。
わらびのあく抜きをしたり、ふきの下ゆでをしたり、
えんどう豆をゆでたり、漬けものやデザート(水ようかん)を
準備したりと、野菜の仕込みには結構手間がかかる。
夜は友人と、行きつけの和風居酒屋で一杯やった。
頭痛がなんとか落ち着いてよかった。
なぜかわからないが、低気圧や流星群(!)がくると
ひどい頭痛になるような気がする。
5月12日(木) 雨
・新しょうがごはん
・味噌汁(インスタント)
「仙」の営業日。
一人のお客さまが、旅行かと思うような大きな荷物をお持ちだったので、
「どちらから?」と尋ねると、わざわざ鹿児島からいらしたとのこと。
私の料理本のファンで、「ずっとお店に来たくて、4回目の予約で
なんとか取れました!」と言われ、とても嬉しかった。
私にとってはずっと続いている作業でも、お客さまにとっては
かけがえのない1回の食事なので、
私自身も一期一会の気持ちで、身を引き締め、心をこめて
料理を作らなきゃ、とあらためて思った。
お店の日の朝ごはんは、おにぎりと決めている。
お昼ごはんはお店が終わって16時頃に例のごとく「ノルド」で食べたので、
晩ごはんはお店の残りの新しょうがのごはんだけで軽く済ませた。
5月13日(金) 晴れ
[夕方]
・おつまみ盛り合わせ
(オリーブ、ドライ野菜、グリーントマトの
ピクルス、たこのマリネ)
+生ビール
[夜]
・塩ゆで発芽ビーンズ
今日も営業日。
お客さまが1組だけで予約が13時からだったので、
今日は早めに仕込みを終え、「ノルド」でパスタランチを
いただいてからお店を開けた。
お店でまかないを食べると、バタバタしてつい立ったまま食べたり、
電話がかかってきて食べているものを急いで飲み込んだりと、
なかなか落ち着いて食事ができない。
私の場合、できる限りお店を脱け出し、ちゃんと座って
ゆっくりごはんを食べることが、長くお店を続けていくためにも、
体と心にとって大切なことなのだと思っている。
今日のお客さまは、やはり私の本の読者で、
宇都宮からいらっしゃったご夫婦だった。
奥さまは妊娠中で、私の『やさいがおいしい 子育てごはん』を
持参なさっていて「子供が産まれたら活用するので、サインを
お願いします」と言われ、今日も感激!!!
たくさんの愛をこめてサインをした。
「仙」の営業の日は、いつもはお店が終わってからお昼ごはんだが、
今日は済ませていたので、またまた「ノルド」に行って
妹とお疲れさまの一杯をやった。
そのため夜になってもお腹がすかず、塩ゆでした緑大豆を発芽させたものを
食べただけで済ませた。
これはOisixから届いたもので、発芽させることで豆そのものには
ないビタミン、ミネラルが生まれ、大豆たんぱくが吸収されやすく
なるというすぐれもの。
固めの食感がよく、塩をきかせてゆでると
枝豆のような感覚で止まらないおいしさ。
5月14日(土) 晴れ
[昼]
・グリーントマトのピクルス、
きのこのトマト煮、
スペインオムレツ添え生野菜のサラダ
・クレソンとトマトとしらすのスパゲッティ
+カフェオレ
今日も「仙」の営業日。
3日連続営業というのは最近あまりなかったので、結構疲れた。
いつものように開店前におにぎりを食べ、
終わってから「ノルド」でランチを食べた。
遅いお昼ごはんだったので、晩ごはんは抜き。
明日、東京ビックサイトで行なわれる「デザインフェスタ」に
出店している知り合いの助っ人に行くので、
差し入れのお寿司の仕込みをしてから寝た。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
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2011年05月10日
第6回(5月1日 ― 7日)
ゴールデンウィークは福島に行ってきました。
5月1日(日) 晴れ
[昼]
・春野菜のスパゲッティ
+玄米コーヒー
[夜]
・クリームシチュー
・ベビーリーフとひじきのサラダ
・3分づきごはん
・すっぱいたくあん、梅干し
土曜日にお店から野菜を持ち帰るので、
日曜日のごはんは自然と旬の野菜づくしになる。
お昼は野菜たっぷり(えんどう豆、ベリートマト、スナップえんどう、
アスパラガス、まいたけ)のスパゲッティ。
オリーブ油でにんにく、赤唐辛子、塩と一緒に炒めると、
どんな野菜でもおいしく食べられる。
夜は息子のリクエストでクリームシチューを作った。
具材は地鶏、じゃがいも、にんじん、大根、スナップえんどう。
カレーと同じで、野菜をあらかじめ蒸し煮してからつくるので、
ひとつひとつの野菜のおいしさが最大限に引き出されて
とてもおいしかったのだけど、私はあまり食欲がなく、少しだけいただいた。
5月2日(月) 晴れ
・山菜の京風にゅうめん
(油揚げ、たけのこ、ふき、木の芽)
朝から頭痛がして体調がすぐれないので、
家でのんびり過ごし、昼は温かいにゅうめんにした。
午後は行きつけの整骨院に出かけ、全身のメンテナンスをしてもらったが、
頭痛がさらにひどくなってしまい、家に帰ったらベットに直行。
吐き気もあったので、晩ごはんはパスした。
あまりの激痛で「死ぬんじゃないか」と本気で思った……。
子供の頃から頭痛持ちなのだが、本当にしんどい。
5月3日(火) 晴れのちくもり、のち雨
1日中食事は摂らず、夜にハーブティーを飲んだだけ。
まだ頭痛が治まらず、夕方まで寝込んでいたが、
夜になるとなんとか起き上がれるくらいまで回復した。
明日から福島に行くことになっているが、なんとかなりそうだ。
5月4日(水) 晴れ
今日から福島県の裏磐梯方面へ一泊旅行。
朝にはほぼ体調が戻り、東北新幹線と磐越西線で猪苗代に向かった。
磐越西線沿線はちょうど桜が満開だったが、
宿泊する裏磐梯のあたりはまだ雪が残っていて、
ちょうど春の芽ぶきが始まったばかり。
ふきのとうやつくしが顔をのぞかせていた。
フィンランドでホテリは「ホテル」、アアルトは「波」という意味だそう。
築40年の山荘を3人の建築家が地元の素材を使い、
自然に溶け込むシンプルなデザインとエコ的なシステムでよみがえらせたホテルで、国立公園のエメラルドグリーンの沼のすぐそばにある。
そして、源泉かけ流しの温泉付き、というぜいたくさ。
私は大きなホテルや宿が好きではなく、小さいけれど、
しっかりポリシーを持ってつくられた、上質で洗練されたところを選んでいる。
もちろん、ホテルの周りの自然、地元の旬のものを使った食事、温泉の質も吟味。
・前菜
曽原湖産メープルサーモンのコルネ
真あじのシトロネ
赤ピーマンのババロワ
キハダマグロのタルタル
菜の花とほっき貝のベニエ
・坊っちゃんかぼちゃのカプチーノ
・桜ますとほたて貝のテリーヌ
・真鯛のグリエ、完熟トマトのクーリソース
・穴子の焼きリゾット
・クーベルチュールブラウニー
+コーヒー
このホテルはアルコールも含め、飲みものがフリードリンクと
なっていて、ラウンジやレストランで好きなだけ楽しめる。
しかも、地元産やこだわって取り寄せたよりすぐりのものばかり。
散歩から帰ったらローズ入りのオーガニックルイボスティー(写真)を頼み、部屋ではオーガニックコーヒーでくつろぎ、
温泉のあとは日本でも数少ない自然の発泡水(これも地元のもの)を飲み、
食事の時は地元の純米酒を堪能した。
晩ごはんは、会津地方の食材をふんだんに使ったフレンチ。
私は肉抜きメニューにしてもらった。
部屋数が少ないので、温泉はほぼ一人占めの状態。
お湯もちょうどよい温度で、目の前の沼を眺めながら
ゆっくりと露天風呂に浸かり、日ごろの疲れを癒した。
5月5日(木) 晴れ
[朝]
・朝食プレート
インカのめざめのロースト
金目鯛のグリル
シーフードのマリネ
シナモントースト
会津丸大豆の豆腐ハンバーグ
・ごはん、味噌汁
・サラダ、フルーツ、漬けもの
+リンゴジュース
[昼]
・会津の輪箱飯
(きのこ、山菜、卵、かに、鮭の5種盛り)
・こづゆ
・山菜煮、きんぴら
・漬けもの
朝食後、ホテル近くの五色沼の散策路を1時間半くらいかけて歩いた。
裏磐梯には120年以上前の大噴火の時にできたたくさんの沼や湖があって、五色沼だけでも20から30のさまざまな神秘的な色の沼がある。
噴火によって山や森が失われ、植物は育たないのではないかと言われていたらしいが、植林などによって少しずつ自然がよみがえっていて、今もまだその途中らしい。
大震災によって失われた自然も、100年以上も経てばまた美しく
よみがえるのだろう、と散策をしながら考えていた。
午後はレンタカーで会津若松市まで足をのばし、
会津料理「田季野」で元祖輪箱飯(わっぱめし)をいただき、
夕食まで街を散策。新幹線で帰途についた。
旅行疲れの胃腸を休めるため、夕方からは何も食べなかった。
5月6日(金) 晴れ
・玄米とろろごはん
・ひじきと金時豆のサラダ
・古代れんこんの酢味噌あえ
・チャプチェ
・味噌汁
+生ビール
お店の仕込みの日。
旅行疲れであまり食欲がなかったので、晩ごはんは
自然食レストランで友人と軽く飲み&食事をした。
5月7日(土) 雨のちくもり
・グリーントマトのピクルス、
きのこのトマト煮、オムレツ添え
生野菜サラダ
・たけのこと白身魚のスパゲッティ
+カフェオレ、ひとくち生ビール
1週間ぶりのお店の営業。
たくさんの野菜や山菜に囲まれて料理をしていると、
なぜか自然と元気になる。
「仙」を始めて10年になるが、いつも目の前の食材に対して
ゼロの自分で向き合い、料理している。
だから慣れるということがなく、今も毎回緊張感いっぱいだ。
飽きっぽい私が続けられているのは、そのおかげかもしれない。
ちなみに今日の「仙」の前菜は、
・グリーンピースのすり流し
・フルーツにんじんのごまペーストのせ
・ふきとわらびの京風煮、
たたき長芋と梅肉のせ
・たたききのこのつくだ煮、木の芽添え
・こごみのくるみ白あえ
・自家製豆腐の味噌漬け
営業を終え、いつもの「ノルド」でお昼ごはんを食べたのが
17時ごろだったので、今夜も晩ごはんは抜いた。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
投稿者 webmaster : 09:55
2011年05月02日
第5回(4月24日 ― 30日)
4月24日(日) 晴れ
[おやつ]
・山菜のせ温うどん(ミニサイズ)
[夜]
・梅干しのおにぎり
・しじみと三つ葉の味噌汁
・すっぱいたくあん
このところ悪かった体調が少しだけ回復してきたのと、
とても天気がよかったので、軽くお昼を食べたあとに
目黒の庭園美術館の周辺を少し散歩。
花や緑を愛でながら、庭園の林に隣接した
「Cafe・茶酒 Kanetanaka」で温かいうどんを食べた。
でも、夜になって体調がまた悪くなり、夕食はおにぎりで簡単に済ませて
楽しみにしていたドラマ「JIN―仁―」を観た。
仕事は明日に回し、今日は早めに寝よう。
4月25日(月) 晴れのちくもり
・生ゆばのステーキ
・ブロッコリーともやしとフルーツトマト
のピリ辛ごまあえ
・大根となめこと小松菜の豆乳味噌汁
・海藻ごはん
(3分づきごはん+海の十四宝)
・ピーチかぶの塩糀漬け、梅干し
明日から夏に発売予定の『菜菜おつまみ2』の撮影なので、
今日は1日中、妹と食材を買ったり準備をしていた。
晩ごはんのメインは、大好きな生ゆばのステーキ。
厚みのあるゆばを中火ぐらいで焼き、
外はパリッと中はとろとろに仕上げ、生姜じょうゆをかけるだけ。
あえものにはたっぷりのラー油とすりごまを加えて
わたし好みのピリ辛仕上げにした。
キッチンにはかんずり、柚子こしょう、七味をはじめ、
雲南、京都丹波、韓国の唐辛子、生の青唐辛子など
辛いものはいろいろ常備して活用している。
4月26日(火) 晴れ
・オリーブの盛り合わせ
・スペイン風ポテトサラダ
・アスパラガスのグリュイエールチーズ焼き
・たこのやわらかトマト煮
・自家製パン
+生ビール
『菜菜おつまみ2』の撮影日。
菜菜シリーズは1冊あたりのメニュー数がとても多く、この本も130以上。
撮影のボリュームがとても多いのだが、今日でレシピ部分はほぼ終わった。
大変だったが、終わってみるとあっという間だった。
「ひとつの野菜からどれだけ魅力を引き出せるか」
という料理をずっと追求してきて、10年以上かかってようやく到達できた、
シンプルだけれど奥の深いレシピ集が、この『菜菜おつまみ』だ。
『菜菜おつまみ2』と2月に発売した『菜菜おつまみ』の違いは野菜だけ。
今回は、おつまみらしい季節感のある山菜、栗、ゆり根など
家庭向けの料理本にはあまり登場しない素材のレシピも紹介しているので、
この2冊が揃えば、野菜のおつまみは完璧だ。
ちなみに、今日はひじき、ゴーヤ、おくらの料理を撮影したが、
やはり、たたずまいも味も個性的なゴーヤのおつまみが一番輝いていた。
そして、おつまみの撮影をしていると欲しくなるのは……お酒!
今日は編集者さんの計らいで、差し入れのスパークリングワイン
をいただきながら、撮影後の料理を堪能した。
撮影の間はとても集中しているので、終わると「ビールでカンパーイ」
をやりたくなる。
というわけで、妹とスペイン料理のバルに立ち寄り、一杯やって帰った。
オーブンから出たばかりのほっかほっかの焼きたてパンがあまりにおいしく、
2人ともおかわりをし、おなかいっぱいになったので、
晩ごはんは食べられなかった……。
4月27日(水) 晴れのちくもり、夜はとても強い風
・古代れんこんと春キャベツと
絹さやのサラダ
・ひよこ豆と地鶏のカレーマリネ
・豆腐と海老のハンバーグ
・小松菜と車麩の煮びたし
+生ビール
今日は『菜菜おつまみ2』の最後の撮影の日。
表紙カバーや各章の扉などを撮影した。
菜菜シリーズの最初の本、『菜菜ごはん』を撮ったのが7年前。それ以来、カメラマンさんも
スタイリストさんもデザイナーさんも同じ
スタッフでやってきて、この本で6冊目になる。
みなさん素晴らしい腕を持つプロフェッショナルであり、
長年一緒にやってきたおかげでぴったりと息が合い、
それに編集者さんの力量が加わり、「足し算」ではなく「かけ算」の化学変化で
素敵な料理本が生まれていく。
1冊生み出すには、とてもとても大変なエネルギーが必要だが、
その生み出される瞬間に立ち会うと、言葉では言い表せないくらいの
感動を味わうことができる。
出産と同じかもしれない。
だから、終わってしまうとちょっと寂しい。
また次の機会があるとよいなぁと思う。
そういうわけで、今日は「本当にお疲れさま」ということで
妹と自然食品店のデリをつまみながら、また一杯やって帰った。
4月28日(木) 晴れ
・近海魚のお造り
・うど、根三つ葉、新ごぼう、舞茸と
油揚げの京風煮びたし
・新わかめと赤貝のひもの酢のもの
・山菜の天ぷら(こごみ、うど、ふきのとう、
こしあぶら、たらの芽、浜ぼうふう)
・焼きへしこのだし茶漬け
+純米吟醸酒
土曜日のお店の営業に向けて、仕込みの日。
たけのこやふきをゆでたり、山菜の下処理をしたり、
春の食材は結構仕込みに手間がかかる。
夜は、友人と行きつけの割烹へ。
鳥取の実家からたくさん天然の山菜が届いたので、おすそ分けをしたら、
それを天ぷらにしてくれた。
天然ものは香りがとてもよく、お酒がすすむ。
4月29日(金) 晴れ時々くもり
[昼]
・手延べひやむぎ
・油揚げと舞茸の京風炊き
・三つ葉、炒り卵、のり、ごま、
ゆずこしょう
・白だしのつゆ
[夜]
・しいたけのムース
・とうもろこしの卵焼き風
・無農薬生野菜のサラダ
・ラタトゥイユ
・ファーストトマトとからし菜のサラダ
・たことセロリのマリネ
・天然酵母のプチパン
+オーガニックワイン(白)
祝日のため、仕事はオフ。
お昼は、息子のリクエストでひやむぎにした。
私も息子も、塩と昆布だしベースのさっぱりとした
白だしのつゆがお気に入り。
これにゆずこしょうをきかせて、いろいろな薬味を入れる。
夜は友人と、野菜のフレンチで軽くワインを飲む。
こだわりの無農薬野菜を使った、気のきいた小皿料理を堪能した。
4月30日(土) 晴れのちくもり
[昼]
・北海道産ししゃもと水菜のスパゲッティ
・グリーントマトのピクルスときのこの
トマト煮添え、生野菜サラダ
+カフェオレ
[夜]
・新生姜の炊き込みごはんのおにぎり
+玄米コーヒー
今日は久しぶりに「菜懐石 仙」の営業だった。
季節の野菜を扱う店の食材は、すっかり春から初夏のものになっている。
ちなみに今日の一皿目、前菜の盛り合わせのメニューは
・うすいえんどう豆の豆乳すり流し
・天然クレソンと生ひじきの生姜風味ごまあえ
・きのこの軸の炒め煮
・いちごと小豆のノンシュガー水ようかん
・豆腐の味噌漬け
そのほかにふき、たけのこ、スナップえんどう、紫アスパラガス、
天然の山菜(こしあぶら、たらの芽、こごみ、よもぎ)など、
今しか味わえない春の香りを、コースにたっぷり封じ込めた。
お客さまの評判もよく、「おいしいだけでなく、心も満たされました!」
と嬉しいお言葉をいただいた。
おいしいものを食べた時の満足の笑顔を見ると、
お店をやってよかったと心から思う。
いつものように、「ノルド」で遅いお昼をいただいたので、
夜はお店で残った新生姜の炊きこみごはんの、小さなおにぎり1個だけ。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
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