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2011年06月28日
第13回 (6月19日 ― 6月25日)
6月19日(日) くもり
オーガニックカフェにて
・ベジタコライス
+オーガニックコーヒー
午後からエッセンシャルオイルの講習会に参加するために、お昼を簡単にすませて(梅のおにぎりとすっぱいたくあん)から出かけた。
私は20代の頃からいろいろな自然療法を学んでいて、生活に取り入れている。
今日はアメリカの臨床心理学の博士に、エッセンシャルオイルの心理的ケアの実践法を学ぶことができ、充実した講習会だった。
夕方から友人と待ち合わせて、オーガニックカフェで軽く晩ごはん。
その後、翌日の撮影の準備をした。
6月20日(月) くもりのち雨
・よもぎ野草茶
NHK「あさイチ」の2回目の撮影をした(6月30日放送予定)。
今日は「野菜を加熱し、塩とオリーブオイルを加えてピューレにする」
という野菜の保存法を紹介した。
バターのようにトーストにぬったり、パスタソースにしたり、サラダにしたり。
旬の野菜で作って冷蔵庫に保存しておくと、
カラフルできれいでおいしく、とても便利だ。
15時に撮影が終わり、例のごとく近所の「ノルド」で遅いお昼を食べたので、
夜はよもぎ野草茶だけ。
夕方ぐらいに遅いお昼ごはんを食べ、晩ごはんを抜くというのは、
私の体に合っているような気がする。
6月21日(火) くもり
[昼]
・スイスチャード入り
ベジミートソーススパゲッティ
・赤豆とパプリカのバルサミコ漬け
・じゃがいもとわかめの冷たいごま味噌汁
+山ぶとうジュース&りんごジュース
&オーガニック赤ワイン
[夜]
・まぐろとわわ菜と海藻の餃子
・ほうれん草とにんじんとしいたけの
中華スープ
・3分づきごはん
・かぶの塩糀漬け、小梅干し
今日は1日オフ。
図書館に行ってたくさんの本を借り、のんびり読書をして過ごした。
お昼ごはんは、しいたけとクルミのみじん切りを炒めてベジミートソースを作り、
パスタに。隠し味に豆板醤と味噌を少し入れ、辛口に仕上げた。
2週間前に庄内で買ってきた、搾っただけの山ブドウジュース
(加糖していないので、甘くない)が気に入っていて、
食事の時にワインやジュースで割って飲んでいる。
夜は、まぐろをたたいてみじん切りの野菜や海藻(カノウユミコの海の十四宝)
を加え、ヘルシーな餃子を作った。わわ菜(さい)はミニ白菜のこと。
6月22日(水) 晴れ
居酒屋にて
・ジュンサイの酢のもの
・ゆで茶豆
・ミニトウモロコシ焼き
・旬の地魚のお造り
・おでんの盛り合わせ
・塩にぎり
+生ビール、純米酒
今日は「仙」の仕込みの日。
週に1回、鳥取の実家の畑からたくさんの無農薬野菜が届く。
ピーマンの葉はゆでてつくだ煮にし、甘くゆでたグリーンピースは
豆腐と合わせて擬製豆腐にした。
漬けものもデザートもすべて手作りなので、仕込みにはとても手間がかかる。
でも、キッチンに立って旬の野菜を調理している時間はとても楽しい。
夜は、日本酒とおでんがおいしい近所の居酒屋で友人と飲んだ。
旬の野菜を中心におつまみを頼み、夏向きの純米酒を選んでもらい、
マリアージュを堪能した。
6月23日(木) 雨のち晴れ
[朝]
・おにぎり(炊き込みごはんに梅)
・すっぱいたくあん
+自家製酵母ジュースの炭酸割り
[昼]
ノルドにて
・ポテトサラダ添え生野菜のサラダ
・ワラサと水菜とオクラのスパゲティ
+生ビール、ソイラテ
「仙」の営業日。
暑くなったので、夏バテ防止のために、3年前に野草や海藻を発酵させて
寝かせておいた自家製酵母ジュースを毎朝飲むことにした。
飲むとすぐに体があたたまって、よい感じだ
(写真はまだ撮ってないので、そのうち掲載しますね)。
今日も、お店の営業が終わってから夕方にお昼を食べたので、
夜は抜いて早めに寝た。
6月24日(金) くもり
・かぼちゃとにんじんときゅうりの白和え
+シークワーサー果汁の
オーガニック白ワイン割り
今日も「仙」の営業。
最近、デザートに無糖のフルーツジャムとゆで小豆で水羊羹を作っている。
ずっといちごバージョンを作っていて好評だったが、
今週からブルーベリーバージョンにしてみたら、こちらもすこぶる好評だ。
今日も夕方になってお昼を食べたので、夜は軽くすませた。
シークワーサー果汁の白ワイン割りは、暑い夏におすすめ。
6月25日(土) くもり時々雨
谷中の魚料理のお店にて
・旬の天然地魚のお造り盛り合わせ
(あわび、真鯛、やりいか、めじまぐろ、
マコガレイ、甘鯛の昆布締め、ズワイガニ、
サメの酢味噌和え)
・小坪(逗子)のわかめたっぷりの
野菜サラダ
・夏野菜と車海老の天ぷら
・鯛おこわ
・あじつみれのお吸いもの
・トコブシごはんの笹包み(おみやげ)
+生ビール、純米酒
今日も引き続き「仙」の営業。
一緒に仕事をしている妹が、旦那さんが子供2人を連れて社員旅行に行ったというので、妹は出産後はじめて1人でひと晩過ごすことになった。
「こんなチャンスはめったにない!」ということで、
長く料理教室に参加していらっしゃるご夫婦と一緒に、
ご夫婦おすすめの谷中のこだわりの魚料理の店に行った。
どれも、店主が厳しい目で吟味した天然の魚に最高の調理を施した逸品ばかりで、
ひと口食べるたびに、感動的なおいしさに目を丸くして妹と顔を見合わせた。
妹は、久しぶりに時間を気にせず飲めて幸せそうだった。
谷中は風情があり、時間がゆっくり流れている素敵な場所で、
とてもリラックスできた。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
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2011年06月21日
第12回(6月12日 ― 6月18日)
6月12日(日) くもり
[昼]
・もずくにゅうめん
日曜日になると、前の週の疲れがどっと出て食欲があまりない。
お昼はさっぱりしたもずくにゅうめんだけで済ませ、
午後は昼寝をしてのんびり過ごした。
夕方からは、明日の「あさイチ」(NHK)の撮影のため、買い出し&仕込み。
野菜の味見をたくさんしておなかがいっぱいになったので、晩ごはんはパス。
楽しみにしていたドラマ「仁-jin-」を見て早めに寝た。
休みの日は、少しだけ食べてあとはひたすら寝ている私…。
6月13日(月) くもり
近所の割烹にて
・能登産の地魚のお造り
(トビウオ、ワラサ、イカ)
・ルーコラとフルーツトマトの
自家製玉ねぎドレッシングサラダ
・夏野菜天ぷら
・旬菜の炊き合わせ(新ごぼう、なす、
新わかめ、こんにゃく)
・焼きへしこ茶漬け
+生ビール
今日は朝から夕方まで「あさイチ」の撮影(6月30日放映予定です)。
「夏の野菜の保存」というテーマで、生のまますりおろしたピューレを
めんつゆなどのいろいろな料理に展開したり、加熱した野菜に調味料を
混ぜてカラフルな野菜ペーストを作ってビンで常備したりという、
私のアイデアを紹介した。
テレビ番組の撮影は、放映1分のために実際は1時間ぐらい必要で、
つまり5、6分のコーナーだと5、6時間ぐらいかかってしまう。
短時間集中型の私は、集中力を持続させるのが大変だ。
夜は、久しぶりに近所の和割烹へ。
暑くなると、食事のたびに生ビールを飲んでしまう。
6月14日(火) 晴れ
ベトナム料理店にて
・生春巻き
・海老トースト、網揚げ春巻き、
パパイヤのサラダ
・ベトナム風海老フライ、
スイートチリソース添え
・ハスの実ごはん
・緑豆あんのタピオカ&ココナッツデザート
+ベトナムビール、蓮茶
明日から料理教室なので、妹とランチをしながらメニューを決め、午後は準備。
夕方から、高校でパフォーマンスを学ぶ次男の公開リハーサルがあったので、
友人を誘って行った。一時ひきこもり気味だった次男が、
仲間と一緒に楽しそうに踊ったり歌ったりしている姿を見て、感無量。
素晴らしい高校に出会えて本当によかった。
晩ごはんは、友人とベトナム料理を食べた。
8月にベトナム旅行に行くので、本場のベトナム料理がとても楽しみだ。
ベジタリアンの料理教室も体験する予定。
6月15日(水) 晴れ
オーガニックレストランにて
・小松菜と大根の梅あえ
・豆腐グラタン
・根菜のごまあえ
・玄米とろろご飯
・味噌汁
+生ビール
今日から4日連続で料理教室。
今月は「暑さを乗り切る、体を冷やす料理」をテーマに、
食べもので体の中から冷やして暑さを乗り切る、
という夏のエコ的野菜料理を選んだ。
クーラーの効いた部屋で過ごす場合は、夏野菜は体を冷やしすぎてしまうので
おすすめできないが、夏の暑さをそのまま体験する場合は、
体を冷やす夏野菜を食べるのが理にかなっている。
節電で扇子やよしずといった昔ながらのものが見直されたり、
会社によってはサマータイムが導入されたりと、
期せずして「クーラー嫌い早起き推進派」の私好みの社会になりつつあり、
なんだかうれしい。
6月16日(木) くもり
・がんもとわわ菜の炊き合わせ
・菜の花のしょうが風味びたし
・赤空豆とごぼうと赤ピーマンの
バルサミコ漬け
・しじみの味噌汁
・かぶの塩糀漬け、すっぱいたくあん、
梅干し
・3分づきご飯
料理教室2日目。
今回の料理教室では、新刊『カノウユミコの野菜をたくさん使ったレシピ』
(家の光協会)の中から、夏野菜を使ったメニューを2品紹介している
(夏向き高野豆腐煮、グリルなすのなめこあんかけ)。
この本は『やさい畑』という家庭菜園向けの季刊誌の連載をまとめたもので、
きゅうりは10本以上、ピーマンなら10 ― 20個という感じで、
ひとつのレシピに使う野菜の量がとにかく多いことが大きな特徴。
畑で栽培すると、ある時期に大量に野菜が収穫されることになるので、
それを使いこなすための料理レシピというわけだ。
読者のほとんどが男性のため、男性に受けるような野菜料理に仕立てている。
この本の編集者さんは、実際にこのレシピを彼氏に作ってみごとにゴールインした、
という実証もある。
畑をやっている人と、男性に喜ばれる野菜料理を作りたい人におすすめ!
夜ごはんは、ごはんとお味噌汁以外は常備菜ばかり。
6月17日(金) 雨
・精進うどん
低気圧のせいか、朝からひどい頭痛。
なんとか頑張って料理教室を終え、お昼ごはんはパスして家に帰って寝た。
夕方少し回復。常備菜をのっけて簡単にあたたかいうどんを作って食べ、また寝た。
明日には治ってほしい。
6月18日(土) くもりのち雨
・海藻ごはん
・具だくさん味噌汁(ごぼう、
栗じゃがいも、わわ菜、大根)
・生卵(庄内産・わんぱくたまご)
・かぶの塩糀漬け、すっぱいたくあん、
梅干し
願いもむなしく、朝から吐き気を伴うひどい頭痛。
料理教室開始ギリギリにお店に行き、なんとか終え、
お昼を食べず家に帰りベッドへ直行。
夕方まで寝たら少し回復したので、簡単に晩ごはんを作った。
先週の庄内ツアーで訪れたわんぱく農場の新鮮な「わんぱくたまご」が届いたので、
卵がけごはんにする。
木造の広い開放型鶏舎で、愛情いっぱいに育まれた鶏たちを見てきたので、
卵がとても楽しみだった。黄身につまようじを何本さしてもびくともしない。
鶏のことを考えて育てた結果、栄養満点で鮮度も長時間保たれる
素晴らしい卵になっているというわけだ。
先日『ブタとおっちゃん』という、愛情いっぱいに豚を育てているおっちゃんと
養豚場の豚の写真集をテレビで紹介していたが、豚たちが本当に幸せそうだった。
しかも、肉質も最高なのだという。食べものをこだわるだけでは不十分で、
人間も動物も、生きものには充分な「愛」があってこそ、
本当に健康な体になるのだと思う。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
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2011年06月14日
第11回(6月5日 ― 6月11日)
料理教室の生徒さんたちと、山形・庄内へ「庄内の食を訪ねる旅」に行ってきました
6月5日(日) くもりのち晴れ
[昼]
機内でお弁当(赤坂「浅田」製)
■ 一の重
・サーモン西京焼き
・鶏松風焼き(レーズン入り)
・さつま芋甘露煮
・海老寒天玉子寄せ、ししとう素揚げ
・茄子揚げ煮、黒蒟蒻炒り煮
・隠元胡麻和え
・おから煮
■ 二の重
・じゃこ山椒御飯
・寿司(烏賊手毬寿司、椎茸手毬寿司、酢取茗荷)
+味噌汁
[夜]
「アルケッチャーノ」にて
・ワラサと塩
・燻製にしたイワナのテリーヌ
・岩ガキのモロヘイヤソース
・海老のリゾット
・新玉ねぎの低温炒めと
グラーナパダーノチーズ
・佐藤さんのキュウリと
マスタードのジェラート
・ジャガイモの68℃煮込み 羽衣仕立て
・ガンバレ東北 笹かまぼこのパン粉焼き
アオサとローリエのバターソース
・ホタルイカとフキノトウの手打ちストラッチ
・月山筍の生ハムフリット
・鯛と山菜のルッコラアクア
・のどぐろと長芋のグリル
・ホヤとマンゴー
・柿酢のシャーベット
・キャラメルのムース
+シャンパン、山形産白ワイン
「カノウユミコと行く 庄内の食を訪ねる1泊2日の旅
―庄内イタリアン・アルケッチャーノ オーガニック・天然食材を味わうー」
を企画し、料理教室の生徒たちを中心に25人と庄内へ。
お昼の羽田発の便を予約したついでに、
普通席でも食べられるというプレミアムシート用の食事も予約しておいた。
今回は赤坂の料亭「浅田」のお弁当で、
温かいお味噌汁がついていて量もちょうどよく、ヘルシーでおいしかった。
……のだが、飛行時間が短くて食べる時間が20分くらいしかなく、
食べ終わったらすぐに着陸という感じで慌ただしかった。
庄内空港で“庄内ベジ・イタリアン”を掲げるイタリア料理店
「アルケッチャーノ」の奥田政行シェフと合流。
奥田シェフにガイドしていただき、庄内のこだわりの生産者を訪ねた。
奥田シェフは、庄内の親善大使として精力的に地元の農産物の発展やPRに
努めているが、シェフにならなかったらバスガイドやツアーガイドをしたかったらしく、
悦に入ったガイドぶりだった!
まず「植酸農法」という、土を健康にして、野菜の食味をよくする
オーガニック栽培のきゅうり畑となす畑に行き、
その後、放し飼いの健康卵を育てている鶏舎を訪ねた。
こだわりの農産物を育てる生産者には
優しくおだやかな中に芯の通った強い信念があり、その理想を追求する生き方が、
素晴らしいものを作り上げているのだと実感。
野菜を食べればそれを育てている人もわかる、というものなのかもしれない。
もちろん、庄内という恵まれた風土があってこそ。
夜は、奥田シェフのイタリアンディナーを堪能した。
食材を自分の感覚で深く追求している奥田シェフだからこそできる、
シンプルだが、素材のさまざまなおいしさを引き出した素晴らしいコースだった。
奥田シェフが食事に合うようにセレクトしてくれたワインがおいしくて
ついつい飲み過ぎてしまった。
食事が終わってホテルの部屋に着いたら23時半をまわっていて、
消化を助ける「百草丸」を飲んですぐに就寝。
6月6日(月) 晴れ時々くもり
[朝]
ホテルで朝食バイキング
・ひじきの煮物、納豆、
山形の「だし」のっけご飯
・ふのりと三つ葉の味噌汁
・イチゴと大根のサラダ
+梅醤番茶(持参したもの)
[昼]
農家レストランでランチ
・山形産さわらとわかめの蒸しもの
・ごま豆腐のあんかけ
・野菜の炊き合わせ
・春菊の白和え
・わらびの煮もの
・夏大根と厚揚げの粕汁
・玄米ご飯、かぶの塩糀漬け
・おからのチーズケーキ
+コーヒー
朝早く起きて山形の郷土料理「だし」(きゅうり、なす、みょうが、しそ
などをきざんで醤油漬けにしたもの)などの朝食を食べ、7時半にホテルを出発。
サービス精神旺盛な奥田シェフに「10時までならご一緒できます」と
言っていただきアルケッチャーノでシェフと合流し、ツアーの続き。
今日は、奥田シェフのおすすめ「秘密の森」を訪ねた。
秘密の森は、シェフが自分に戻りたい時に歩く、妖精が住む聖なる場所だという。
そして、そこは山菜の宝庫だった。
わらび、ぜんまい、山三つ葉、コシアブラ、アマドコロ、山ウド、こごみ、
赤ミズ、青ミズ、カタバミ……歩いている小道も森も、すべてが山菜という感じ。
山アスパラ、そして山菜の王様、幻の山菜と呼ばれる最高においしい「シオデ」も
たくさん自生していて、私は山にあるのを初めて見たので大感激。
森の入口には山ブドウの畑があり、小さな納屋にはバルサミコ酢の樽が眠っていた。
今、熟成7年目だそうだ。
日本でバルサミコ酢を作っているところがあるなんて!!
ここで奥田シェフとは別れ、修験道の山である羽黒山に向かった。
あいにく五重の塔まで石段を往復するだけの時間しかなかったが、
滝もあり、水が豊富で大きな木が茂り、清らかで美しい山だった。
おかげで身も心も洗われた。
その後、農家レストランで地元の野菜や山菜を使った自然食をいただき、帰路へ。
短い間だったが、奥田シェフと庄内という土地のおかげでとても充実した旅だった。
6月7日(火) 晴れ
・発芽ビーンと舞茸の和風チャーハン
紫キャベツスプラウト、青じそのせ
・空豆の豆乳すり流しスープ
お昼は妹といつもの「ノルド」で待ち合わせ、ビジネスランチ。
山形ツアーの疲れか夜になってもあまり食欲がなく、
晩ごはんはチャーハンを少し食べただけで済ませた。
空豆の豆乳スープは、少量の水だけで蒸し煮した空豆と豆乳、昆布だし、
塩をミキサーにかけただけのシンプルなもの。
6月8日(水) 晴れ
[昼]
カリフォルニア料理にて
・空豆のスープ
・タスマニアサーモンのカルパッチョ
・フランス黒鶏のグリル
・自家製パン
+白ワイン、コーヒー
[夜]
ワンプレートごはん
・豆カレー
・野菜の塩グリル
・海藻ごはん
・塩らっきょう
+玄米コーヒー
お昼は、近所のカリフォルニア料理のお店で妹とゆっくりランチ。
私はワインの酸化防止剤に
選んでいるが、あいにくなかったので普通の白ワインを飲んだら、
案の定ひどい頭痛と眠気に襲われ、1時間ほどお店で寝込んでしまった。
やれやれ……。この世のすべてのワインをオーガニックにしてほしいものだ。
いや、ワインだけでなく農産物全部がそうなるとよいが……。
午後は、鳥取の両親から野菜が届いたので、なんとか復活して下処理をする。
春野菜や山菜はほとんど終わり、夏の野菜はもう少し先というところで、
空豆、グリーンピース、ツル菜、スイスチャード、新じゃがという、
さみしい顔ぶれだった。野菜は時々、生で味を確かめながら下処理をし、
調理法やメニューを考えている。
夜は、カリフラワーと空豆ときのこを
フライパンで塩だけでじっくり時間をかけてグリルしたものを、
私の開発した豆カレー(日本の豆カレー)にのせ、一皿ディナーにした。
ゆっくり時間をかけて味をひき出した野菜は冷たくなってもおいしいので、
たっぷり作って冷蔵庫へ入れ、常備菜に。
6月9日(木) 晴れ
[夜]
友人の家にて持ち寄り飲み
・酢豆腐
・千寿豆(麹菌発酵大豆)
・野菜の塩グリル
・チーズディップ、ベーグル、野菜スティック
・アジの塩焼き
・根菜煮
+ビール、オーガニック赤ワイン
今日は1日、お店の仕込みをした。
鳥取から送られてきたじゃがいもがおいしそうなので、
明日のメインの焼きものは「魚もどき」に決め、じゃがいもをすりつぶして、
炒めたせん切りのしょうがとえのきを混ぜ合わせ、湯葉にくるむ。
どこから見ても魚にしか見えない(もちろん、食べても魚の味)「精進さわら」が完成。
普段は基本的に野菜の味を生かす料理をしているが、
野菜の味をあえて殺した「もどき料理」も楽しい。
時々コースに加えると、お客さまの受けもすこぶるよい。
夜は近所のママ友の家で、おかずを持ち寄り、2人飲み会をした。
私は鮒寿司の要領で豆腐を漬けた「酢豆腐」と大豆を麹菌で発酵させた「千寿豆」、
常備菜としてストックしていた野菜のグリルを持参。
私は発酵食品が大好きなので、めずらしいものがあるとすぐに取り寄せて
冷蔵庫に常備。おやつやおつまみにしたり、友人にプレゼントしたりしている。
酢豆腐はチーズのようで、千寿豆は干し納豆に少し似ていて、止まらないおいしさ。
チーズディップと野菜スティックは友人作。
近所のママ友は、年齢も同じくらいで、
ふたりとも父親のいない母子家庭で子育てをしているので、
時々飲みながら、仕事や恋愛などいろいろな話をして励まし合っている。
女ひとりで子育てをするのは、心身ともに本当に、本当に大変なことなのだ。
支え合える友人がいることに感謝!
6月10日(金) くもり
[夜]
・根菜の青じそ風味黒ごまあえ
+生ワイン
久しぶりに「菜懐石 仙」の営業。
『やさいのかみさま』(小学館)を読んで感動し、お店の予約をしてくださる
お客さまが最近多い。今日も2冊サインを求められた。
また、例の魚もどきを入れたコースが好評で、
「お店に来る前はちょっと落ち込んでいたのに、ひと皿ごとにテンションが上がり、
すっかり元気になりました」という言葉をいただき、とてもうれしかった。
お店が終わった後に遅いお昼ごはんを食べたので、
夜は根菜をつまみながら軽く飲んだだけ。
6月11日(土) 雨のち晴れ
[昼]
「ノルド」にて
・蒸し鶏のせ生野菜のサラダ、
きのこのトマト煮添え
・ミニトマトとナスのカプレーゼ風スパゲティ
+生ビール、ソイラテ
今日もお店の営業。
だいぶ前にひいきにしていただいていたお客さまが
7年(?)ぶりくらいにいらっしゃった。
なんだか元カレに久しぶりに会う時のようで(笑)、
「こんなに成長しましたよ」と内心伝えたくて、料理にいっそう力が入った。
満足そうに帰る後ろ姿を見送りながら、ホッとひと安心。
今日もお昼ごはんが遅かったので、晩ごはんは食べなかった。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
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2011年06月07日
第10回(5月29日 ― 6月4日)
「仙」が10年目に突入しました。
5月29日(日) 晴れ
[昼]
・青ねぎたっぷりの卵うどん
鳥取での講演会で疲れていたのと前日からの頭痛で、家でのんびり過ごす。
食欲もあまりなく、胃腸もお休みモードだったので、
お昼は温かいうどんを作って食べた。
買いものに行く気力もなくて、具はねぎと卵だけ……。
夜は近所で友人と会ったのだが、生ビールと野菜のピザをつまんだだけで済ませた。
家に帰り、毎週楽しみにしているドラマ「仁 ― JIN ―」を見て早く寝た。
5月30日(月) くもり
長男とバースデーディナー
・新玉ねぎのスープ、ドライビーツのせ
・時鮭のカルパッチョ、
グリーンガスパッチョソース
・フレッシュトマトとバジルのスパゲッティ
・真鯛のグリル、アメリケーヌソース
青海苔リゾット添え
・ピスタチオアイスのパフェ、
バースデーケーキ、フルーツの盛り合わせ
+コーヒー
今日は長男の誕生日のお祝いで、渋谷の高層ビルの最上階で夜景を見ながら、バースデーディナーを堪能した(写真が長男です)。
突然だが、うなぎの生態は謎に包まれていて、日本から3000kmも離れた
南の深海で5月から6月の新月にしか卵を産まないという。
という私もなぜか、息子2人とも5月に産んでいる。
なので、5月はプレゼントやら誕生日ディナーで出費がかさんでしまう、というお話。
5月31日(火) 晴れ
[昼]
銀座三越「DIM JOY」にて
・野菜のゼリー寄せ、鴨とベビーリーフの
マンゴードレッシングサラダ
・青菜の翡翠餃子、栗のもち米シュウマイ、
蒸し餃子
・精進春巻きと海老ニラまんじゅう
・ゆばとじゃがいも団子と
つるむらさきの蒸しもの
・貝柱入り薬膳玄米粥
・キンモクセイの香り美肌ゼリー
+中国茶(東方美人)
[夜]
・大根のしょうゆ煮
・海藻ごはん
(3分づきごはん+海の十四宝)
・すっぱいたくあん、梅干し
・しじみの味噌汁
午前中に銀座で開催中の「マミフラワーアレンジメント2011」に妹と出かけ、
お昼ごはんは飲茶のお店で薬膳玄米粥ランチを食べた。
ヘルシーで、身体にいい素材をたくさん使ってていねいに作られていて、
とてもおいしかった。これで2300円とは……お値打ちだと思う。
午後は六本木ヒルズで回里純子さんの
個展「タカラモノ123」へ。
何度か一緒に仕事をしたことがある回里さんは、
20年近く子供たちの写真を撮り続けてきた写真家で、
今回の企画は自分のタカラモノを持った123人の子供たちの写真を
1年をかけて撮りおろしたというもの。
会場いっぱいに子供たちの純粋な笑顔があって、明日への希望の力をもらえた。
そのあと、「せっかく来たのだから」と森美術館の隣にある
スカイプラネタリウムを見て、そしてスカイラウンジのすばらしい眺望を前にビールを一杯。
平日の夕方は、ほとんど人がいなくてゆっくりできた。
晩ごはんは、皮付きで乱切りにした大根を焼き色がつくまでじっくり炒め、
しょうゆだけで煮ものにした。
大根は甘みが出るまでしっかり炒めると、だしを使わなくても
しょうゆだけでおいしい煮ものになる。
煮かえすほどおいしくなるので、3日は食べられるくらいたっぷり作った。
6月1日(水) くもり
・生春菊と海藻入りピリ辛納豆丼
・大根とゆで卵のしょうゆ煮
・なめこの赤だし
・すっぱいたくあん、梅干し
+玄米コーヒー
今日は鳥取の実家から野菜が届く日。
空豆やグリーンピースをさやから出してゆでたり、
ふきの下ゆでをしたり、漬けものを漬けたりとお店の仕込みをした。
晩ごはんは昨日の大根の煮ものとゆで卵を一緒に煮て、
息子の好きなおでん風に。
生でおいしいサラダ春菊があったので、きざんで納豆と「海の十四宝」と混ぜ、
しょうゆとラー油でピリ辛にし、ごはんにのせて丼仕立てにした。
6月2日(木) 雨
・精進うどん
(ごぼう、小松菜、舞茸、油揚げ、
ブロッコリースプラウト)
・3分づきごはん
・すっぱいたくあん、梅干し
今日も引き続き、お店の仕込みをした。
今は「ミズ」という山菜が旬。山のきれいな水の近くに自生していて、
ゆでると美しい緑色に。シャキシャキした食感と少しぬめり気があり、
くせがなくておいしい。
使わない葉はちぎって茎だけにし、薄い皮をむいてさっとゆでる。
今日は塩をきかせた昆布だしにひと晩漬けた。
これにおろししょうがを添えて、明日の前菜にしようと思う。
気温が上がらず1日寒かったので、夜は冷蔵庫にある野菜をいろいろ入れて、
温かい精進うどんを汁ものがわりにした。
このところ外食が多かったので、家にいる時はできるだけ粗食を心がけている。
6月3日(金) 晴れ
オーガニックレストランにて
・古代れんこんと小松菜の梅干しあえ
+オーガニック赤ワイン
久しぶりにお店の営業。
片付けが終わった16時ごろに妹と遅いランチを食べたので、
晩ごはんはパス。
夕方から友達と会い、ワインを飲みながらデリを1品つまんだのみ。
6月4日(土) 晴れ
[昼]
カフェ「ノルド」にて
・ポテトサラダ、きのこのトマト煮、
スペインオムレツ添え生野菜のサラダ
・ミニトマトとアスパラガスとドライチーズ
のスパゲッティ
・シフォンケーキ
+生ビール、カフェオレ
今日もお店の営業。
今日は3部屋ともお客さまがいらっしゃって、
しかもお酒もたくさん出て、とても忙しかった。
必死に料理を作っていたら、突然お祝いのお花が届いた。
一瞬なぜかわからなかったが、今日が開店10年目だったことを思い出した。
妹も私もすっかり忘れていた……。
飽きっぽい私たちが10年間も同じお店を続けられたなんて、本当に奇跡。
今まで支えてくださったたくさんのお客さまのおかげだと思う。感謝!
今日も16時半ごろに近所のカフェ「ノルド」で遅いランチを食べたので、
晩ごはんはパス。
そのあとは義援画集のメンバーと21時までミーティング。
明日は、待ちに待った山形のイタリアン「アルケッチャーノ」
の奥田シェフとの庄内ツアーです。楽しみ!
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
投稿者 webmaster : 10:59