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2011年07月26日
第17回 (7月17日 ― 7月23日)
今週『菜菜おつまみ2』が発売になります!
7月17日(日) 晴れ
[昼]
・納豆と岩のりの冷やし稲庭うどん
[夜]
・ブロッコリーの塩やきそば
+ビール
暑い休日の1日。
相変わらず食欲があまりなくて、お昼ごはんは冷たい稲庭うどんを作った。
昆布だしベースの塩味のつゆを濃いめに作って氷で冷やし、
トッピングは、梅味の納豆と日本海で手づみされた岩のり、油揚げ、たっぷりの三つ葉。
岩のりの風味がよく、さっぱりとおいしかった。
晩ごはんもやはり麺類。
ブロッコリーときのこをにんにくで炒め、
塩と唐辛子でまとめた塩焼きそばを息子と食べた。
もちろん、私はビールとともに。
7月18日(月) くもり
[昼]
・三浦産無農薬夏野菜の
バーニャカウダ
・マグロの中トロのレアグリル、
バルサミコソース
・自家製ライ麦パン
+スパークリングワイン
今日も家でのんびり休日。
息子が久しぶりに外食したいと言うので
(息子は高校でパフォーマンスを専攻していて、
毎晩公演の練習で帰宅が遅く、あまり外食の機会がないのです)、
近所のカリフォルニア料理のお店でランチを食べた。
いつも私は料理をする前に、生の野菜を食べ、味を確かめてから調理しているが、
ここのバーニャカウダは、たくさんのめずらしい生野菜が食べられて楽しい。
お昼にたっぷり食べたので、私は晩ごはんをパス。
息子には地鶏の塩焼き、スプラウトサラダ、青菜と海藻のお味噌汁を作る。
7月19日(火) 雨(台風6号の影響)
[夜]
・枝豆、衣かつぎ
・さしみコンニャク
・おでんの盛り合わせ
+生ビール
いつも一緒に仕事をしている妹の昭島の家で、
「カンホアの塩」のwebサイトで紹介している塩料理の撮影をした。
カンホアの塩は、ベトナム・カンホア地方の塩田で独自の製法で作る天日塩。
「結晶のまま」「石臼挽き」「焼き塩」と3タイプがあり、
サイトでは、それぞれの塩の特徴を生かしていろいろな料理を紹介している。
さて、撮影するのは「カンホアの塩」の社長である、妹の旦那さん(写真中)。
妹の家の庭では、野菜やハーブを植えているので、料理にぱっと利用できてありがたい。
今日は、あいにく台風が近づいてきていて、バケツの水をひっくりかえしたような
土砂降りに何度も見舞われ、ベランダでの撮影は大変だった。
私が作ったメニューは
・結晶塩をのせたズッキーニマフィン
・トマトのメープル塩グリルのせバケット
・塩もみきゅうりのにんにく炒め
・米なすグリル、パプリカ風味結晶塩がけ
・アボカドディップ+結晶塩をクラッカーにのせて
・おからとゴーヤのエスニック塩ドレッシングサラダ
・ミニ豆腐カツ+カレー塩
・海藻天ぷら+焼き塩
の8品。この塩料理のレシピは、順次webで公開されるのでお楽しみに。
ひとつだけ、簡単なものをご紹介。
きゅうりを塩もみにし、ぎゅっと水気を絞ってから炒めるきゅうり炒め(写真右)は、
食感もよく、しっかりと塩がきいていておつまみにおすすめ。
撮影後に試食してお腹がいっぱいに。
晩ごはんは友人と軽くつまみながら飲んだ。
7月20日(水) 雨のちくもり
[昼]
「すゑとみ」にて会食
・じゅんさいとウニときゅうりの酢のもの
・あなごの青柚子香ひと口寿司
・とうもろこしのボール揚げ
・茄子の冷やし鉢、味噌がけ
・とうがんの煮もの
・かぼちゃの小倉煮
・太刀魚の塩焼き、酢大根添え
・鱧の土鍋ご飯、吸いもの、香のもの
・れんこんの葛餅
+生ビール、純米酒
[夜]
・おからサラダ
+オーガニック赤ワイン
今日は、下北沢「七草」の前沢さんや中目黒「AGRI GOOD MOON」の久慈さんと
定期的に開催している女子グルメ会で、霞町の「すゑとみ」で懐石ランチを食べた。
ていねいに下ごしらえをして、素材のおいしさをシンプルかつ上品に表現した、
素敵な料理だった。
食べ歩きをして、他の人の料理をいただくと、
自分自身の料理との違いがわかり、自分の表現したい形がはっきりと自覚できる。
今日もお昼にたっぷりいただいたので、晩ごはんはサラダとワインだけ。
息子には、野菜やきのこをたっぷり入れた塩ベースの親子丼とお吸いものを作った。
息子も私も甘辛いたれが苦手なので、うちの料理は塩で決めることが圧倒的に多い。
塩は素材をストレートに表現するので、おのずと素材を吟味するようになる。
7月21日(木) くもり
[夜]
・発芽ビーンズと海藻のキムチチャーハン
・小松菜の味噌汁
今日は「仙」の仕込み日。
永田農法で作られた桃を入手したので、塩煮にして
蒸し煮したじゃがいもと合わせて、すり流し汁を仕込んだ。
桃の上品な風味と甘みが素敵なアクセントの、和風ビシソワーズだ。
ほかに昨日前沢さんからいただいた、塩をまぶして干したユニークな切干大根をもどし、
くるみと一緒に辛炊きにした。
塩によって切干大根の風味と食感が増し、お肉と一緒に炊き合わせたように仕上がる。
新しい食材に出会うと、わくわくする。
お昼ごはんは、いつものように近所の「ノルド」でパスタランチ。
夜は、Oisixの発芽ビーンズと「海の十四宝」でキムチチャーハンを作った。
7月22日(金) くもりのち晴れ
[昼]
ノルドにて
・生野菜のサラダ
・かきと小松菜のスパゲッティ
+ソイラテ
[夜]
・ミントティー
待ちに待った『菜菜おつまみ2』が仕上がって届いた!
先に発売になった『菜菜おつまみ』の表紙は、シックなグレーがベースだったが、
続編はピンクベースの明るい感じで、ぱっと目をひく。
内容も、今までの菜菜シリーズでは使わなかった、
山菜、栗、ゆり根などの季節限定の素材も使っていて、「お酒とともに、
日本の四季の野菜をシンプルに楽しんでほしい」という思いを込めて作った。
副素材は極力使わず、あくまで、素材そのもののおいしさを引き出すレシピなので、
おつまみづくりに限らず、普段の料理にも役立つ一冊だ。
長い間、野菜料理を作っているうちに、今までは見えなかった
余分なものがわかるようになって、はじめてシンプルなものに行きつく…
そんな進化した私の最新の形が、この『菜菜おつまみ』『菜菜おつまみ2』
となって表現されている。
ちなみにこの2冊の違いは、単純に素材が異なるだけ。
2冊あれば、お店で売っているほとんどの野菜を自由自在に、
かつ簡単に使いこなせることうけあい!
ぜひ、書店で見かけたら手にとってください。
「仙」の営業後に「ノルド」で遅いランチを食べ、夜はミントティーだけ。
「これだけしか食べていないの?」と思われそうだが、
私は仕事柄、仕込みの日も営業の日も、使う野菜を生で食べたり、
料理中に味見もしているので、食事以外にもたくさんの野菜を食べている。
そして私は食べなくても、毎晩息子に料理をしているので、
朝から晩までひたすら料理を作っている感じだ。
今日は息子用にとんかつを買い、例のごとく塩ベースのたれでかつ丼にした。
高校でパフォーマンスコースを専攻している次男は、毎晩帰宅が11か12時と遅く、
お腹をすかせて帰るので、家庭の平和のために(笑)
帰宅後5分以内に料理を出すようにしている(よって写真はナシ)。
7月23日(土) くもり
[夜]
・ラタトゥイユ
・しらすのオリーブオイル煮
・ピザマルゲリータ
+生ビール
今日も「仙」の営業。
今週の前菜は
・じゃがいもと桃の冷たいすり流し
・トマトとみょうがの
甘酒ビネガーシャーベット
・切干大根とくるみの辛煮
・モロヘイヤともずくのしょうが和え
・豆腐の味噌漬け
・白い生とうもろこし
毎回、前菜は季節感たっぷりに、そしてお酒がすすむような料理に、
さらに食感も味わいもバラエティー豊かに仕上げている。
いつも“菜菜おつまみ”を作っている感じだ。
いつもの「ノルド」で遅いランチを食べ、夜は、大学の同窓会で新宿で飲んだ。
結婚16年目にして、やっと待望の子供が生まれた友人のお祝いもした。
その子が成人する時、彼は70歳近くになるんだ……。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
投稿者 webmaster : 10:56
2011年07月19日
第16回 (7月10日 ― 7月16日)
7月10日(日) 晴れ
・鰯つみれとズッキーニのカレー
・発芽ビーンス
・すぐき漬け
・3分づきごはん
夏バテ気味なので、胃腸を休めるため朝と昼は抜き、家でのんびりした。
夜は冷凍していたイワシのつみれとズッキーニとじゃがいもでカレーを作り、
息子と食べた。
鳥取で母が育てているじゃがいもは、甘くてほくほくしていてとてもおいしいので、
いつもカレーにはたっぷり(4、5個は)入れている。
7月11日(月) 晴れ
[昼]
麦とろ屋さんにて
・鮭の粕漬け焼き
・青菜のあえもの
・山芋とろろ
・十穀米ごはん
・味噌汁
・漬けもの
+生ビール(小)
妹と待ち合わせて、今月末からのベトナム旅行のための買いものをする。
今年は節電モードで、涼しい服がたくさん売られていて、ベトナム旅行には好都合。
お昼ごはんは、お米屋さんが経営している麦とろ屋さんで定食。
暑いので、ビールが欠かせない。
夜になっても食欲が出ないので、晩ごはんはパス。
夏は、1日1、2食で充分かもしれない。
動物も夏はあまり食べないというし……。
7月12日(火) 晴れ
和割烹にて
・黒豆の枝豆
・谷中生姜ときゅうりの梅味噌添え
・焼きなすそうめん
・旬の野菜と油揚げの煮びたし
・塩にぎり、しじみの味噌汁
+生ビール
明日から土曜日まで料理教室なので、妹と準備をした。
今月の料理教室のテーマは「旬の野菜で作るネパール料理」。
私と妹は、ネパールで暮らしたことがあるのです。
メニューは
・とうがんのネパールカレー
・ズッキーニとえのき茸のモモ(ネパール風ぎょうざ)
・切干大根とグレープフルーツのアチャール(ネパール風あえもの)
・グリーンピースのダルスープ
・自家製豆乳ヨーグルト
豆乳ヨーグルトは前回の日記に書いた「米のとぎ汁乳酸菌発酵汁」と豆乳を
1:9の割合で合わせ、そこにオリゴ糖を全体の2%加えて混ぜ、
6時間からひと晩常温に放置すればできる。
翌日の試食分を仕込んで「ちゃんと固まりますように」と祈りながら寝た
(夜中起きた時に見たら、うまくできていたので、冷蔵庫へ移す)。
7月13日(水) 晴れ
[朝]
・豆乳ヨーグルト
・ブルーベリー
[昼]
ノルドにて
・ポテトサラダ添え生野菜のサラダ
・小松菜とトマトとあさりのスパゲッティ
+生ビール、ソイラテ
朝、冷蔵庫の豆乳ヨーグルトを試食したら、とてもおいしかったのでひと安心。
豆乳の自然な甘みとコクに乳酸菌の酸味がプラスされ、
子供でも食べられるほどくせのない仕上がりだった。
米ぬかについている自然の乳酸菌を培養することで、
家庭でこんな植物性のヨーグルトが作れるのは嬉しい。
料理教室では、鳥取の農家の方が作っている「すいか糖」をジャム感覚で添えて
試食してもらった。
すいか糖はすいかを長時間煮詰めただけのもので、まったく加糖していないのに
いちじくジャムのようなコクのある甘さで、砂糖代わりにも使える。
腎臓にもよい健康食品らしい。
料理教室後にお昼ごはんをいつものように近所の「ノルド」で食べ、
午後は連載している季刊誌『nid』の秋号の撮影で「里芋のアクアパッツァ」を作った。
今日も晩ごはんは抜き。
7月14日(木) 晴れ
・冷汁
料理教室2日目。
生徒さんに、切干大根とグレープルフルーツのアチャールが好評だ。
もどした切干大根と果肉をほぐしたグレープフルーツに青唐辛子、たまねぎ、
ごま、クミンパウダー、塩を混ぜるだけ。簡単にできる。
カレーのおかずにはもちろん、おつまみにも、常備菜にもおすすめ。
お昼ごはんはいつものように「ノルド」でサラダとスパゲッティ。
晩ごはんは、さっぱりと冷汁だけにした。
冷汁は、冷たい昆布だしにすりごまと味噌を入れただけの、シンプルなもの。
青じそとすぐきのみじん切りをたっぷり散らすのが私流。
7月15日(金) 晴れ
[おやつ]
・青梅あんのじょうよ饅頭
・ほうじ茶
[夜]
和割烹にて
・とうもろこしのボール揚げ
・ごま豆腐の揚げだし
・なすのごまクリームがけ
・焼きミニとうもろこし
・塩にぎり、しじみのお味噌汁
+生ビール、純米吟醸
料理教室3日目。
なんと、今日は生徒が2人だけだった……。
不思議と同じ日に生徒が集中してしまい、毎日均等というわけにはいかない。
午後は、これまで2冊ご一緒したフリー編集者の藤原ゆきえさんとコーヒー研究家の狩野知代さんと、
八雲の「楳心果(ばいしんか) 」でお茶をした。
趣のある一軒家を改装した、品のよい佇まいの茶寮で、
季節を大切に作られた和菓子と選りすぐりのお茶が楽しめる。
夜は、久しぶりに占星術を学んでいる友人と飲み。
私たちの人生は、意識をしていようとしてなかろうと、
宇宙の営みの中にある。
7月16日(土) 晴れ
カリフォルニア料理のお店にて
・野菜のピクルス
・グリル野菜、アボカドディップ、
トルティーヤ添え
・自家製パン
+スパークリングワイン、モヒート
料理教室最終日。
今週は毎晩、豆乳ヨーグルトを仕込んでいて「できているかなぁ」と
不安で熟睡できなかったが、なんとか無事終わってよかった。
お昼ごはんはいつものように「ノルド」でパスタランチ、
夜は近所のカリフォルニア料理のお店で、友人と軽く飲んだ。
最近は暑くてろくに食べていないことが多く、ちょっと寂しいごはん日記です。
そろそろ暑さにも慣れるころなので、徐々ににぎやかになる……かな。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
投稿者 webmaster : 17:55
2011年07月12日
第15回 (7月3日 ― 7月9日)
7月3日(日) 晴れ
・レンコンときのこのピリ辛炒め
・生湯葉
・さしみこんにゃく、いぎす、落花生豆腐
・小松菜の味噌汁
・きゅうりのぬか漬け
・すぐき漬け、自家製梅干し
・3分づきご飯
これからが夏本番だというのに、すでに夏バテ気味の私……。
友人とのランチも、山かけうどんというねばねば系のさっぱりメニューをチョイス。
午後はお昼寝をし(疲れ気味の時はこれが大切!)、本を読んで過ごした。
私は引っ越しが多いので、本は購入せず、図書館で読むことにしている。
紙の独特の匂いがする図書館自体も好き。
本と名のつくものなら、ジャンルは問わず、直感的に気になったものを手当たり次第。
今はインターネットで予約ができるし便利(人気の本は何カ月も待つけれど……)。
ちなみに今は川上未映子の『ヘヴン』を読んでいる。
子供の頃から20代まで猛烈に読んでいた料理本は、自分でレシピを考えるように
なってからまったく読まなくなった。
夜は野菜の簡単なおそうざいを作り、「仙」の残り(さしみこんにゃく、
いぎす、落花生豆腐)をプラスして済ませた。
7月4日(月) 晴れ時々くもり
[昼]
・十割蕎麦
・トマトのおでん風
・ひと口海苔巻き
・枝豆
・わかめの酢のもの
+ひと口生ビール
[夜]
近所のイタリアン居酒屋にて
・マグロとアボガドのタルタル
・茶豆
・ピザマルゲリータ
・温野菜のチーズ焼き
+生ビール
今日は妹と待ち合わせて、明日の撮影準備をした。
お昼ごはんは、軽めに蕎麦ランチ。
夜はピザ窯のあるイタリアン居酒屋のテラスで友人と軽く飲んだ。
明るいうちから外の空気を吸いつつ、日が暮れるのを感じながら食事をするのは、
日没が遅い夏ならではの楽しみ。
人間はごはんを食べる時、たくさんの空気も一緒に食べているらしい。
だから、空気のおいしい戸外で食べるごはんはおいしいんだと思う。
食べるものだけでなく、どんな空気を食べているかにも気を配りたい。
7月5日(火) 晴れ
・鮎の一夜干し
・白うりのぺペロンチーノ炒め
・からし菜と豆腐の炒め煮
・とうがんとエリンギのカレー煮
・キャベツと油揚げの塩糀煮
・3分づきご飯
+オーガニックビール
今日は、タキイ種苗のカタログ誌『はなとやさい』の連載の撮影。
からし菜、シロウリ、小玉スイカ、冬瓜の4野菜(?)を使った料理を作った。
シロウリは漬けものに使うことが多いが、にんにくで炒めると食感もよくおいしい。
冬瓜はどうしたらおいしいですか、とよくたずねられるが、
私はカレーにするのを勧めている。
めずらしい野菜は使う人が少ないけれど、独特の香りや食感があり、
時々使ってみると新鮮で楽しい。
種から自分で育てたら、おいしさもひとしおだと思う。
夜は、お中元にいただいた四万十川の天然鮎の一夜干しを焼いて、
撮影の残りをプラスして食べた。
7月6日(水) くもり
[昼]
升本のマクロビ弁当
・口取
(大豆唐揚げとなすの旨煮、切干大根漬け、
にんじんと大根とわかめの粟入りきんぴら、
ひじき煮、大根もち、昆布つくだ煮、
野菜しゅうまい豆乳あん、梅干し)
・野菜煮物
(長いも、大根ごま味噌、にんじん、
高野豆腐、いんげん)
・大豆照り焼き玄米ご飯
[夜]
近所の家庭料理&ワインの店にて
・ほうれん草とナッツのサラダ
・黒オリーブ
・トマトとマッシュルームのオムレツ
・ズッキーニのビスマルク
+生ビール、リモンチェッロ
午前中、息子のパスポートの申請に行き、
帰りに久しぶりに「亀戸升本」のマクロビ弁当を買って食べた。
さまざまな植物性の素材を駆使して、健康的なお弁当に仕上げられている。
私ならもう少し野菜の味わいを生かすなぁと思ってしまったが(笑)、
内容が充実していて満足度は高い。
午後は、FM山口のラジオ情報番組の打ち合わせをし、夕方電話で生出演した。
大ベストセラーになった俵万智さんの『サラダ記念日』に収録された
「この味がいいね、と君が言ったから、7月6日はサラダ記念日」
という短歌にちなんで、「今日はカノウさんにサラダレシピを紹介してもらいましょう」
という企画。
おからを炒めてドレッシング液にひたして作るおからドレッシングのサラダと、
ズッキーニをすりおろして生のハーブを加えたズッキーニドレッシングのサラダを紹介した。
どちらもとても好評な、自慢のサラダレシピだ。
しかし電話で話し、それがFMで流れるというのは不思議な感覚だった。
夜は、近所で気になっていた隠れ屋的な小さな家庭料理のお店で友人と飲んだ。
自宅を改造し、ワインと料理好きな娘とその父親がやっているお店で、
2人の気取らないやりとりも楽しくなごめる。
私は人目につかないところにある、小さなこだわりのお店が大好きだ。
今度は1人でぶらりと立ち寄りたい。
7月7日(木) 雨のちくもり
・ナムルとキムチあえ納豆の丼
・キャベツと油揚げの味噌汁
「仙」の仕込み日。
新鮮な甘いとうもろこしを入手したので、じっくり焼いて甘みをさらに引き出し、
豆腐と寄せ焼きにしたものをメインディッシュに仕込んだ(写真左)。
以前は調味料でおいしく下味をつけていたが、
最近は素材の味だけをとことん引き出し、
下味はつけずにシンプルなソースやたれで味わうというのにはまっている。
豆腐の冷奴にしょうゆ(または塩)というイメージだ。
午後、鳥取からたくさんの野菜が届く(写真右)。
何にしようかと考える時間がわくわく楽しい。
昼は、いつものように「ノルド」でパスタランチ。
夜は、常備している切干大根のキムチと納豆をあえたものと
ナムル(もやし、小松菜、大根、ぜんまい)を合わせて韓国風ベジ丼にした。
食欲がない時は、ピリ辛のものをたくさんごはんにのっけて食べている。
7月8日(金) くもり
[朝]
・おにぎり2個(炊き込みごはん、梅干し)
・絞りたてにんじんジュース
・米のとぎ汁乳酸菌発酵汁
[昼]
ノルドにて
・生野菜サラダ、ポテトサラダ、
マカロニのトマトソースあえ添え
・生ガキ
・花咲き蟹とズッキーニのスパゲッティ
+生ビール、ソイラテ
今、知り合いから聞いた「米のとぎ汁を乳酸発酵させて飲む」というのに
はまっていて、お米をとぐたびに仕込んでいる。
初めはうまく発酵せずに腐ってしまったこともあったが、妹と試行錯誤の末、
なんとかうまく発酵できるようになった。
米の最初のとぎ汁に1%の塩と3%の黒砂糖を混ぜて、ただテーブルに5日
置いておくだけで、香りのよいすっぱい漬けものの汁のようなものができる
(くさくなったら失敗!)。
乳酸菌によって腸が活性化し、放射能対策やガンの予防にもなり、
アンチエイジングにもよいらしい……。
これと手作りの酵母ジュースでなんとか夏を乗り越えようと思っている。
今日は「仙」の営業でお昼ごはんを午後4時くらいに食べたので、晩ごはんは抜き。
暑い時は、働いた後のお疲れさまビールがとってもおいしくて幸せ。
7月9日(土) くもりのち晴れ
オーガニックレストランにて
・ほうれん草と車麩のおひたし
・根菜のごまあえ
・ナスと厚揚げの高菜漬け煮
+オーガニック白ワイン
梅雨が明けて、まばゆい夏空となった。
今日も「仙」の営業日。
お店の厨房はサウナのよう……これから毎日暑さが続くと思うと憂鬱だ。
今日は、震災の翌日に福島県いわき市からいらっしゃった常連のお客さまが再来店。
震災の夜に家を出て徹夜で車を走らせて「仙」に向い(震災の夜は通行規制もなく、
ガソリンも入れられたとのこと)、食事後はいわき市へは戻らずに大阪で過ごし、
今は東京にお住まいとのこと。
「仙の予約が入っていなければ、そのままいわきにいて大変なことになっていました」
とおっしゃていた。人生は何があるかわからない。
もう一組のお客さまも、私の本のファンで福岡からわざわざいらっしゃったとのこと。
本当にありがたい。
いつものように営業後、遅めの昼ごはんを「ノルド」で食べ、
夜は友人と自然食レストランで軽く飲んだ。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
投稿者 webmaster : 10:41
2011年07月05日
第14回 (6月26日 ― 7月2日)
6月26日(日) くもり
・野菜の塩鍋、切干大根キムチのせ
(えのき、小大豆もやし、わわ菜、
小松菜、春雨)
前日に、谷中の魚料理店でごちそうをたっぷりいただいたので、
今日は胃腸を休めるため、朝と昼は抜いて玄米コーヒーと野草茶だけを飲み、
のんびり過ごした。
夜は野菜をたっぷり入れた塩鍋を作り、切干大根のキムチをのせてチゲ風にした。
小大豆もやしを入れると、スープにこくが出ておいしい。
毎回楽しみにしていたドラマ「仁‐jin-」は、今日が最終回……。
「この世界は誰もが戦い、もがき苦しみ、命を落とし、勝ち取ってきた
無数の奇跡で編みあげられていることを、僕は忘れないだろう。
そしてさらなる光を与えよう、この手で」
という仁先生の言葉が心に響いて、涙が止まらなかった。
本当に、久しぶりに素晴らしいドラマだった。
6月27日(月) くもり時々雨
[昼]
・鍋の残りで稲庭うどん
(もずく、切干大根キムチのせ)
[夜]
スペイン居酒屋にて
・スペイン風ポテトサラダ
・シラウオのオイル煮
・野菜のマリネ(セロリ、スナップエンドウ、
赤ピーマン、オクラ)
・ゴーヤのフライ
・自家製全粒粉パン
+スペインビール、サングリア
今日は仕事がオフだったので、昨日の鍋の残りにゆでた稲庭うどんと
もずくとキムチをのせて、チゲ風うどんをお昼に食べた。
私はうどんやそうめんに、とろろやもずくなどのねばねば系を入れるのが好きだ。
のどごしもよくなり、元気も出るような気がする。
夜は、友人と近くのスペイン居酒屋で軽く飲んだ。
6月28日(火) 晴れ
[昼]
三軒茶屋の居酒屋にて
・ねばねば丼定食
(山芋、オクラ、ギバサ、納豆、生卵)
・味噌汁
[夜]
「山形サンダンデロ」にて
・月山筍のフライ、竹炭塩添え
・イワナの燻製のテリーヌ、マスカットソース
・フルーツトマトの冷製パスタ
・岩ガキのモロヘイヤソース
・カマスのリゾット
・稚アユのグリルと焼きナス
・ヤリイカとパプリカのマリネ
・きゅうりカラシ漬け添えアイスクリーム
・インゲンのショートパスタ
・口細カレイのグリル、
焼き山アスパラ(シオデ)とアスパラガス添え
・赤シソのシャーベット
・マチェドニア
+スパークリングワイン、白ワイン、コーヒー
昼間、雑用で妹と三軒茶屋へ。
お昼はメニューに惹かれて入った居酒屋でヘルシーねばねば定食を食べた
(ギバサは秋田あたりの呼び名で、「あかもく」という海藻)。
お店で偶然、料理教室の生徒に会い、びっくり!
食後「カフェ マメヒコ」でおいしいコーヒーを飲みながら、仕事の打ち合わせをした。
夜は先日お邪魔した庄内「アルケッチャーノ」の奥田シェフの
銀座のレストラン「山形サンダンデロ」で、
2月に発売した『やさいのかみさま』(小学館)の打ち上げをした。
本を作っている間は別々に作業しているため、スタッフ全員が集まるのははじめて。
あらためていいチームだなぁと思った。
また、いつか一緒に仕事ができる日が来るとうれしい。
偶然奥田シェフも東京にいらっしゃっていて、
先日の庄内ツアーからこんなに早く再会できてうれしかった。
コースの合間に、シェフが「最近炊き出しに行った陸前高田で
UFOが撮れたんだよ」と写真を見せてくださった。
とてもリアルなUFOの写真に一同絶句……(!)。
庄内のおいしい素材を生かした、素晴らしい料理を今日も堪能できて幸せな気分。
6月29日(水) 晴れ
[昼]
近所の中華料理店にて
・中華青菜がゆ
・ピータン
・ピリ辛ザーサイ
・きゅうりの酢漬け
[夜]
・野菜のピクルス
・シークワーサー果汁の
オーガニック白ワイン割り
昨夜おいしいものを食べ過ぎ、そして飲み過ぎたので、
お昼は妹と中華がゆの軽いランチを食べ、自宅で撮影メニューの打ち合わせをした。
暑い1日だったので、夏バテ気味で食欲ゼロ。
夜はお気に入りのシークワーサーの白ワイン割りで、ピクルスをつまんだだけ。
6月30日(木) くもり
・うなぎの白焼き
・キャベツと油揚げの塩糀煮びたし
・もずくとわわ菜の味噌汁
・すぐき、自家製梅干し
・3分づきご飯
今日は、1日「仙」の仕込みをした。
写真は鳥取の実家から届いた無農薬の野菜。いろとりどりの花も一緒に。
夜は、一緒に働いている妹からのお中元でもらった長良川のうなぎの白焼きを堪能。
しょうゆの代わりに塩糀(こうじ)を使って作った煮びたしは、
キャベツが甘くてとてもおいしく、おすすめ。
友人から京都のおみやげにもらった「すぐき」も切った。
私は、すっぱくなるまで乳酸発酵した漬けものが大好きで、
よく登場する「すっぱいたくあん」を筆頭に毎日欠かさず食べているが、
中でも「すぐき」はお気に入りだ。
7月1日(金) くもり
[朝]
・おにぎり2個(梅・炊き込みご飯)
・すっぱいたくあん
+自家製酵素ジュース、絞りたて人参ジュース
[夜]
『やさいのかみさま』出版記念パーティ】
・ズッキーニのガスパッチョ
・ゴボウドレッシングのサラダ
・野菜カレー
・混ぜるだけのチョコレートケーキ(実演)
+オーガニック白ワイン
「仙」の営業日だったので、いつものようにお店が始まる前におにぎりを食べ、
酵素ジュースで元気をつけた。
先週も紹介した酵素ジュースの写真をようやく撮影。
3年ほど前に野草や海藻を発酵させ、ねかせておいたもの。
炭酸割りなどにして飲んでいる。
お店の営業後、遅いランチをいつもの「ノルド」で食べ、
『やさいのかみさま』の出版記念パーティのため、御茶ノ水にある
自然食品店「GAIA(ガイア)」へ向かった。
ひとりひとりとふれ合えるような、少人数の心温まるパーティをやりたいね、
と友人でもあるGAIA社長の清水さんと意気投合して以来、
ここで出版記念パーティをやるのは3回目。
GAIAのカフェのスタッフの方が、本の中からいくつかメニューを作ってくださり、
私はデザートのチョコレートケーキをその場で実演した。
混ぜるだけのチョコレートケーキは、火を使わず(エコ!)、
ただ混ぜるだけで魔法のようにできてしまうのだが、とってもおいしくておすすめ。
『菜菜ランチ』(小社刊)でも紹介している。
食事をしながら、お酒を飲みながら、なごやかな雰囲気の中でのトークショーで、
参加者も私も楽しめた。
『菜菜おつまみ』『菜菜おつまみ 2』の出版記念イベントも8月以降に
開催したいと思っている。
7月2日(土) くもり
[昼]
・ポテトサラダとスペインオムレツ添え、
生野菜のサラダ
・北海道産シシャモと赤ピーマンと
インゲンのスパゲッティ
+ソイラテ
<夜>
・オーガニック赤ワインの山ぶどうジュース割り
今日も「仙」の営業。
営業前にごはん(この日は新しょうがの炊き込みごはん)を食べ、
お店が終わってから、「ノルド」で遅いランチを食べた。
夜はポリフェノールたっぷりの組み合わせ、赤ワイン+山ぶどうジュースだけ。
暑くて疲れた日は、できるだけ食事を抜いて、胃腸を休めている。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
投稿者 webmaster : 09:40