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2011年07月12日
第15回 (7月3日 ― 7月9日)
7月3日(日) 晴れ
・レンコンときのこのピリ辛炒め
・生湯葉
・さしみこんにゃく、いぎす、落花生豆腐
・小松菜の味噌汁
・きゅうりのぬか漬け
・すぐき漬け、自家製梅干し
・3分づきご飯
これからが夏本番だというのに、すでに夏バテ気味の私……。
友人とのランチも、山かけうどんというねばねば系のさっぱりメニューをチョイス。
午後はお昼寝をし(疲れ気味の時はこれが大切!)、本を読んで過ごした。
私は引っ越しが多いので、本は購入せず、図書館で読むことにしている。
紙の独特の匂いがする図書館自体も好き。
本と名のつくものなら、ジャンルは問わず、直感的に気になったものを手当たり次第。
今はインターネットで予約ができるし便利(人気の本は何カ月も待つけれど……)。
ちなみに今は川上未映子の『ヘヴン』を読んでいる。
子供の頃から20代まで猛烈に読んでいた料理本は、自分でレシピを考えるように
なってからまったく読まなくなった。
夜は野菜の簡単なおそうざいを作り、「仙」の残り(さしみこんにゃく、
いぎす、落花生豆腐)をプラスして済ませた。
7月4日(月) 晴れ時々くもり
[昼]
・十割蕎麦
・トマトのおでん風
・ひと口海苔巻き
・枝豆
・わかめの酢のもの
+ひと口生ビール
[夜]
近所のイタリアン居酒屋にて
・マグロとアボガドのタルタル
・茶豆
・ピザマルゲリータ
・温野菜のチーズ焼き
+生ビール
今日は妹と待ち合わせて、明日の撮影準備をした。
お昼ごはんは、軽めに蕎麦ランチ。
夜はピザ窯のあるイタリアン居酒屋のテラスで友人と軽く飲んだ。
明るいうちから外の空気を吸いつつ、日が暮れるのを感じながら食事をするのは、
日没が遅い夏ならではの楽しみ。
人間はごはんを食べる時、たくさんの空気も一緒に食べているらしい。
だから、空気のおいしい戸外で食べるごはんはおいしいんだと思う。
食べるものだけでなく、どんな空気を食べているかにも気を配りたい。
7月5日(火) 晴れ
・鮎の一夜干し
・白うりのぺペロンチーノ炒め
・からし菜と豆腐の炒め煮
・とうがんとエリンギのカレー煮
・キャベツと油揚げの塩糀煮
・3分づきご飯
+オーガニックビール
今日は、タキイ種苗のカタログ誌『はなとやさい』の連載の撮影。
からし菜、シロウリ、小玉スイカ、冬瓜の4野菜(?)を使った料理を作った。
シロウリは漬けものに使うことが多いが、にんにくで炒めると食感もよくおいしい。
冬瓜はどうしたらおいしいですか、とよくたずねられるが、
私はカレーにするのを勧めている。
めずらしい野菜は使う人が少ないけれど、独特の香りや食感があり、
時々使ってみると新鮮で楽しい。
種から自分で育てたら、おいしさもひとしおだと思う。
夜は、お中元にいただいた四万十川の天然鮎の一夜干しを焼いて、
撮影の残りをプラスして食べた。
7月6日(水) くもり
[昼]
升本のマクロビ弁当
・口取
(大豆唐揚げとなすの旨煮、切干大根漬け、
にんじんと大根とわかめの粟入りきんぴら、
ひじき煮、大根もち、昆布つくだ煮、
野菜しゅうまい豆乳あん、梅干し)
・野菜煮物
(長いも、大根ごま味噌、にんじん、
高野豆腐、いんげん)
・大豆照り焼き玄米ご飯
[夜]
近所の家庭料理&ワインの店にて
・ほうれん草とナッツのサラダ
・黒オリーブ
・トマトとマッシュルームのオムレツ
・ズッキーニのビスマルク
+生ビール、リモンチェッロ
午前中、息子のパスポートの申請に行き、
帰りに久しぶりに「亀戸升本」のマクロビ弁当を買って食べた。
さまざまな植物性の素材を駆使して、健康的なお弁当に仕上げられている。
私ならもう少し野菜の味わいを生かすなぁと思ってしまったが(笑)、
内容が充実していて満足度は高い。
午後は、FM山口のラジオ情報番組の打ち合わせをし、夕方電話で生出演した。
大ベストセラーになった俵万智さんの『サラダ記念日』に収録された
「この味がいいね、と君が言ったから、7月6日はサラダ記念日」
という短歌にちなんで、「今日はカノウさんにサラダレシピを紹介してもらいましょう」
という企画。
おからを炒めてドレッシング液にひたして作るおからドレッシングのサラダと、
ズッキーニをすりおろして生のハーブを加えたズッキーニドレッシングのサラダを紹介した。
どちらもとても好評な、自慢のサラダレシピだ。
しかし電話で話し、それがFMで流れるというのは不思議な感覚だった。
夜は、近所で気になっていた隠れ屋的な小さな家庭料理のお店で友人と飲んだ。
自宅を改造し、ワインと料理好きな娘とその父親がやっているお店で、
2人の気取らないやりとりも楽しくなごめる。
私は人目につかないところにある、小さなこだわりのお店が大好きだ。
今度は1人でぶらりと立ち寄りたい。
7月7日(木) 雨のちくもり
・ナムルとキムチあえ納豆の丼
・キャベツと油揚げの味噌汁
「仙」の仕込み日。
新鮮な甘いとうもろこしを入手したので、じっくり焼いて甘みをさらに引き出し、
豆腐と寄せ焼きにしたものをメインディッシュに仕込んだ(写真左)。
以前は調味料でおいしく下味をつけていたが、
最近は素材の味だけをとことん引き出し、
下味はつけずにシンプルなソースやたれで味わうというのにはまっている。
豆腐の冷奴にしょうゆ(または塩)というイメージだ。
午後、鳥取からたくさんの野菜が届く(写真右)。
何にしようかと考える時間がわくわく楽しい。
昼は、いつものように「ノルド」でパスタランチ。
夜は、常備している切干大根のキムチと納豆をあえたものと
ナムル(もやし、小松菜、大根、ぜんまい)を合わせて韓国風ベジ丼にした。
食欲がない時は、ピリ辛のものをたくさんごはんにのっけて食べている。
7月8日(金) くもり
[朝]
・おにぎり2個(炊き込みごはん、梅干し)
・絞りたてにんじんジュース
・米のとぎ汁乳酸菌発酵汁
[昼]
ノルドにて
・生野菜サラダ、ポテトサラダ、
マカロニのトマトソースあえ添え
・生ガキ
・花咲き蟹とズッキーニのスパゲッティ
+生ビール、ソイラテ
今、知り合いから聞いた「米のとぎ汁を乳酸発酵させて飲む」というのに
はまっていて、お米をとぐたびに仕込んでいる。
初めはうまく発酵せずに腐ってしまったこともあったが、妹と試行錯誤の末、
なんとかうまく発酵できるようになった。
米の最初のとぎ汁に1%の塩と3%の黒砂糖を混ぜて、ただテーブルに5日
置いておくだけで、香りのよいすっぱい漬けものの汁のようなものができる
(くさくなったら失敗!)。
乳酸菌によって腸が活性化し、放射能対策やガンの予防にもなり、
アンチエイジングにもよいらしい……。
これと手作りの酵母ジュースでなんとか夏を乗り越えようと思っている。
今日は「仙」の営業でお昼ごはんを午後4時くらいに食べたので、晩ごはんは抜き。
暑い時は、働いた後のお疲れさまビールがとってもおいしくて幸せ。
7月9日(土) くもりのち晴れ
オーガニックレストランにて
・ほうれん草と車麩のおひたし
・根菜のごまあえ
・ナスと厚揚げの高菜漬け煮
+オーガニック白ワイン
梅雨が明けて、まばゆい夏空となった。
今日も「仙」の営業日。
お店の厨房はサウナのよう……これから毎日暑さが続くと思うと憂鬱だ。
今日は、震災の翌日に福島県いわき市からいらっしゃった常連のお客さまが再来店。
震災の夜に家を出て徹夜で車を走らせて「仙」に向い(震災の夜は通行規制もなく、
ガソリンも入れられたとのこと)、食事後はいわき市へは戻らずに大阪で過ごし、
今は東京にお住まいとのこと。
「仙の予約が入っていなければ、そのままいわきにいて大変なことになっていました」
とおっしゃていた。人生は何があるかわからない。
もう一組のお客さまも、私の本のファンで福岡からわざわざいらっしゃったとのこと。
本当にありがたい。
いつものように営業後、遅めの昼ごはんを「ノルド」で食べ、
夜は友人と自然食レストランで軽く飲んだ。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
投稿者 webmaster : 2011年07月12日 10:41