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2011年08月30日
第21回 (8月21日 ― 8月27日)
8月21日(日) 雨のちくもり
[昼]
・じゃこ天と生野菜ののっけ丼
・さつまいもととうがんのカインチュア
[夜]
スンドゥブチゲ専門店にて
・野菜のスンドゥブチゲ
・ナムル(青菜、大根、もやし)
オフなのでのんびり家事をしていたら、急きょ仕事の打ち合わせの電話が入り、
残りものをアレンジしてお昼ごはんを簡単に済ませた。
ベトナムのおいしいさつま揚げの味が忘れられずにじゃこ天を買っていたので、
フライパンで温め、生野菜を添えてご飯にのせ、
しょうがと青唐辛子を入れた薬味じょうゆのたれと、
仕上げにレモン汁も少しかけてオリジナル丼にした。
しょうゆに薬味をたっぷり入れると、アクセントになりご飯がすすむ。
カインチュアは、先週の料理教室の残りもの。
午後は、その打ち合わせへ。
二子玉川駅前にできたライズショッピングセンターにある「フードショー」内の
「オカッテ」という自然食品を扱っているお店で、
青森県産のこだわり野菜を使ったイベントをすることになったのだ。
3月に開店したライズショッピングセンターは、とっても広くきれいで、
ヘルシーでおいしそうなものがこれでもか!というほどある。
歩いて見ているだけでお腹いっぱいになり、逆に購買欲も失せてしまった……。
やはり人間は、少し足りないくらいが、ちょうどよいのかもしれない。
打ち合わせ後、豆腐と野菜がたっぷり入ったスンドゥブチゲを、
一緒に行っていた長男と食べて帰った。
韓国料理の鍋は、唐辛子と薬味パワーで、
どんなに疲れていても食べられ、そして元気になれてありがたい。
8月22日(月) 雨のちくもり
[昼]
旅館内のレストランにて
・江戸菜と縁菜おひたし
・酒菜三種盛り
・鯛潮仕立てのお吸いもの
・江戸前お造り
・穴子柳川鍋
・目鯛菜種焼き
・茶わん蒸し
・ずわい蟹ともずくの酢のもの
・浅利ご飯、赤だし汁、香物
・抹茶わらび餅
[夜]
・もずくラーメン
予定していた仕事の日程が変更になり、月・火曜の2日間はおまけの夏休みとなった。
移動も疲れるので、東京観光をすることに。
東京に住んで30年になるが、まだまだ行っていない場所がほとんどで、
実際に東京のことを私はよく知らない。
インターネットで調べたら、上野に天然温泉の旅館があるというので、
温泉→旅館でお昼ごはん→人力車で上野見物というコースを組み立てた。
温泉があるのは「鴎外荘」という旅館で、
森鴎外が実際に住んでいた場所で
『舞姫』を執筆した旧居や庭が敷地内に残っている。
温泉は少し黒ずんだ透明な重炭酸ソーダ泉の、
やわらかいお湯だった。
お昼は旅館のレストランで、江戸野菜を使った京風懐石をいただき、
その後、はじめて人力車に乗り、上野のうんちくを聞きながら不忍池を一周した。
お昼にご飯をしっかりいただいたので、
夜は自然食品店で購入していたインスタントラーメンに、
野菜ともずくを加えて食べた。
私はもずくが大好きなので、何にでもとりあえずもずくを入れてしまう。
8月23日(火) くもりのち晴れ
[昼]
・にんじんとカシューナッツのカレー
・ベビーリーフとスプラウトのサラダ、もずくドレッシング添え
[夜]
・だだ茶豆
・がんもとしらたきの京風煮もの
・3分づきご飯、たくあん
+オーガニックワイン
今日もオフ。1日家にいて、大掃除をした。
あまり掃除は得意ではなかったのだが、
数年前から、掃除すると体調や運までもよくなるというのを実感し、
時間がある時は、持ちものを処分したり、徹底的に掃除するというのをやっている。
大掃除のため、引き出しや棚のものを全部出し、部屋中が引越し前のような
状態になったので、お昼は私が開発したレトルトカレーとサラダという簡単なものに。
もずくが残っていたので、今日はしょうがをきかせてサラダのドレッシングにした。
夜は、だだ茶豆をゆでて塩をたっぷりまぶし、おつまみ枝豆に。
また、自然食品店で買ったこだわりのがんもを薄口醤油と昆布だしで
さっぱりした京風の煮ものに仕上げ、この2品をつまみながら、
長男とワインを飲み、「ゴールデンスランバー」のDVDを観た。
伊坂幸太郎氏が本屋大賞を受賞した作品の映画化で、平凡に生きる人が、
ある日突然、巨大な力を持つ影の権力によって首相暗殺の濡れ衣を着せられ、
逃亡するというストーリー。とってもおもしろかった。
オズワルドもそうだが、こういうことはけっこう起きていて、
私たち庶民は、マスコミが犯人だと報道する人を、当たり前のように犯人だと信じ、
はめられた平凡な誰かの人生を狂わせているのかもしれない……(なんて思ったり)。
8月24日(水) 雨のち晴れ
[夜]
割烹にて
・天然白身魚の昆布締め
・青菜と鯵の煮びたし
・ゴーヤとみょうがの甘酢漬け
・自家製焼き鯖寿司
+生ビール
「仙」の仕込み日。
今週の焼きものに、今が旬のかぼちゃをたっぷり入れた変わり豆腐焼きを仕込んだ。
かぼちゃを生のままみじん切りにし、白舞茸とともに炒めたものを、水切りして裏ごしした豆腐に加え、細かくくだいた麩と山芋でまとめて、フライパンでこんがり焼く(写真)。
私は生地をまとめる際、柔らかい生ゆばをきざんだものを加えていて、
これにより、こくのあるしっとりとした味わいになる。
甘みのある材料を使うときは、こくをプラスすると、味のバランスがよい。
生ゆばがないときは、すりごまや、ナッツを、
それもないときは、オリーブオイルを少々生地に加えるとよい。
お昼はいつものように「ノルド」でパスタランチをいただき、
夜は近所の割烹で、友人と旬の日本料理をつまみながら飲んだ。
8月25日(木) 雨のちくもり
[昼]
ノルドにて
・生野菜と蟹のサラダ
・オクラとズッキーニのスパゲッティ
+ソイラテ、生ビール
「仙」の営業日。
今日もおにぎりを2個食べ、営業に臨んだ。
今日の旬の前菜は、
・巨峰のからしあえ
・ゴーヤとマッシュルームの軸の揚げ煮
・トマト100%を煮詰めてシャーベットにしたもの(結晶塩添え)
・菊の花、モロヘイヤ、もずくの寒天寄せ、梅肉添え
甘い巨峰は、和がらしと白味噌であえると、
ピリッとした辛みがフルーツの甘さを引き締め、お酒によく合う。
昨日仕込んだかぼちゃの変わり豆腐焼きは、
無農薬の白なすのグリルの上にのせてしょうゆだれをかけ、しょうがのすりおろしをのせた。
かぼちゃの甘さを引き立てるために、たれは、水としょうゆを吉野くずでとじたシンプルなものにした。
営業が終わってから16時頃に「ノルド」でお昼を食べ、
その後、次男の夏の公演を観に行った。
甲子園もそうだが、高校生の純粋でひたむきな舞台は、
プロとは違う魅力があり、エネルギッシュでおもしろい。
私は晩ごはんは抜き。
息子たちには、豚の黒コショウたっぷりソテー、スプラウトとタコのサラダ、
小松菜とアサリの味噌汁を作った。
8月26日(金) くもりのち雷雨
[夜]
・よもぎ野草茶
今日も「仙」の営業日。
ズッキーニのすりおろしに長芋とろろを混ぜ合わせ、
和栗、生麩、きのこを加え、かぶら蒸しのように器で蒸した「ズッキーニ蒸し」を
蒸しものとして出していて、好評だ。
ズッキーニを生のまますりおろすと、なめらかでこくがあり、色も美しい。
加熱すると甘みが出るので、蒸しものだけでなく緑色のあんにしてもいいし、
いろいろな野菜を加えて寒天寄せにするのもおすすめ。
今日も営業後に遅いランチを食べたあと、
夕方から友人とカフェで会い、よもぎ野草茶を飲みながらおしゃべり。
今日から次男は北海道にスクーリングへ。
帰省中の長男には、夜、キムチチャーハンを作った。私は抜き。
8月27日(土) くもり
[昼]
・生野菜のサラダ
・シーフードスパゲッティ
+ソイラテ、生ビール
「仙」の営業日。
いつものおにぎりとすっぱいたくあん、そしてイチジクを食べて営業へ。
大学が夏休みの間は、長男がお店を手伝ってくれるので助かる。
旬の野菜のことも、仕事の中で自然に覚えて、
興味を持ってくれるといいなぁと思う。
今日も「ノルド」で遅いお昼ごはん。晩ごはんは食べなかった。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 (すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ』。
投稿者 webmaster : 2011年08月30日 10:10