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2012年03月27日
第48回 (3月18日 ― 3月24日)
早いものでこの日記ももうすぐ1年。来週が最終回です。
3月18日(日)くもりのち雨
[昼]
・白菜と黒キャベツのしょうが煮びたし
・納豆
・ブロッコリースプラウトの味噌汁
・3分づきごはん
・発酵赤カブ漬け、無農薬キウイ
今日はオフ。
下北沢の「七草」の前沢リカさんにいただいたイタリア野菜「黒キャベツ(カーボロネロ)」が冷蔵庫に残っていたので、白菜と油揚げと一緒に、たっぷりのしょうがのせん切りと赤唐辛子少々を加え、しょうゆ味の煮汁で煮びたしにした。黒キャベツは加熱すると甘みと深い味わいが出てはまるおいしさ。和食にも合う。
午後はトートタロットの入門講座を受けに行った。
タロットカードの中でも難解とされるトートタロットには以前から
興味があったが、講座に行くのは初めて。こういうの、大好きなのです。
1枚のカードの中にさまざまな神話の象徴が隠されていて、とてもおもしろかった。
3月19日(月) 晴れ
[夜]
居酒屋にて
・おでんの盛り合わせ
・根菜の煮もの
・アボカド豆腐
+活性にごり酒
連載している雑誌『nid』の撮影で、「根ミツバと山ウドの焼きうどん」を作った。
春は香りのよい山菜や野草が多く出まわり、いろいろな料理に加えると、
いつもの食卓が春らしい爽やかな香りに包まれる。
根ミツバと山ウドは数少ない日本原産の野菜(野草?山菜?)で、
香りも食感もよいので、ハーブや薬味の感覚で炒めものに加えるとおいしい。
根ミツバの根は水を入れたコップにさしておくと、
次々に芽が出て、味噌汁やお吸いものに使えて重宝する。
「仙」ではとくに香りのよい根だけを天ぷらにしてお出ししている。
昼はいつもの「ノルド」で、夜は行きつけの居酒屋で軽く飲んだ。
3月20日(火) 晴れ
[昼]
・おにぎり2個、発酵赤カブ漬け
・白菜と黒キャベツのしょうが煮びたし
・新ごぼうと根ミツバの味噌汁
+よもぎとスギナのドリンク
[夜]
・百合根とブロッコリーの塩チャーハン
・大根と発酵白菜漬けとドライトマトの
ピリ辛スープ
寒さがやわらぐ春分ごろから、青汁や野菜の生ジュースを飲んでいるが、
今日は九州から取り寄せたよもぎとスギナの粉末を水に溶かして飲んだ。
どちらもミネラル、ビタミン、繊維、サポニンなどの天然の栄養素が多く含まれ、
日本では薬草として親しまれている。
夜は、塩だけで漬けて発酵してうまみを増した白菜と大根、ドライトマトを
厚手の鍋でコトコト煮込み、野菜だけとは思えないこくのあるスープを作った。
酸っぱくなるまで発酵した漬けものは、体にもよいが、
うまみを持った塩分として塩麹のような感覚で使える。
3月21日(水) 晴れ
[夜]
居酒屋にて
・メカブとろろの海苔巻き
・たけのこと空豆の炭火焼き
・自家製燻製
・きのこ土鍋ご飯
+活性にごり酒、純米酒
「仙」の仕込みの日。
この時期になると春の食材がだいぶ出揃って、眺めているだけでわくわく楽しい。
・春キャベツと赤ピーマンと豆腐のテリーヌ
・新ごぼうと原木しいたけと大豆のたたき焼き
・新じゃがとノンシュガーいちごジャムのケーキ
・たけのこの丸焼き
・花わさびのおひたし
などを仕込んだ。
夕方から編集者さんと新しい本の打ち合わせをし、
その後、行きつけのお店(今週2回目!)で一緒に飲んだ。
ピンク色の活性にごり酒や桜酵母の純米酒など、
この時期ならではのお酒をいただき、楽しいひとときを過ごした。
3月22日(木) くもり
[昼]
ラーメン屋さんで“菜菜ラーメン”
・ベジタリアンラーメン
・ベジぎょうざ
+ランチ生ビール
「仙」の営業日。
私のお店「菜懐石 仙」を今年8月に閉店することを決めて、知り合いに
ポツリポツリと話していたら、「もう1回行きたい!」とか
「なくなるまでに一度行ってみたいなぁ」というお客さまからの予約が増えてきた。
今日のお客さまもそのひとり。
お店の顧客名簿の全員に「閉店します」ハガキを出せば反応は大きいと思うが、
妹も私も、あまり混んでしまうと疲れて萎えてしまう性分なので、
小さな声で少しずつ伝えようと思う。
「仙」の開店前におにぎりを、営業後は駅前のラーメン屋さんで「菜菜ラーメン」と
名付けられた、一切の動物性を使用しないベジタリアンラーメンを食べた。
【ななラーメン】と読むらしいが……
まさか、私の「菜菜ごはん」のパクリじゃないよね!?
ラーメンはスープに野菜だけとは思えないうまみやこくがあって、なかなかのもの。
まったく肉を使っていない「ベジぎょうざ」も頼んでみたが、こちらも普通においしかった。
こんなラーメンが食券を買うような駅前のラーメン屋さんで食べられるなんて、
ちょっとびっくり。
3月23日(金) くもりのち雨
[昼]
「ノルド」にて
・生野菜のサラダ
・あぶりホッケとほうれん草のスパゲッティ
+生ビール、ソイラテ
「仙」の営業日。
昼前から雨が降り出したが、退院祝いと快気祝いのお客さまがいらっしゃって
お店は賑やかだった。
デザートに作った新じゃがといちごジャムのケーキが好評だった。
これは、乱切りにして蒸し煮したじゃがいも2個、ノンシュガーいちごジャム100g、
豆乳1カップ、小麦粉大さじ2、メープルシロップ大さじ2、菜種油大さじ2、
アーモンドパウダー大さじ2、寒天パウダー2g、塩麹少々をミキサーにかけ、
薄い型に入れて200度のオーブンで20分から25分焼き、冷蔵庫で冷やせばできあがり。
今日も開店前におにぎりを食べ、閉店後に「ノルド」でパスタランチ。
3月24日(土) 雨のちくもりのち晴れ
[昼]
「ノルド」にて
・生野菜のサラダ
・ホタルイカのスパゲッティ
+ソイラテ
朝から小雨が降って、思っていたよりも寒い1日だった。
毎月来てくれる常連さんがご来店。
8月に閉店することを伝えると「とても残念だけれど、8月まで毎月来ますね」
とうれしいお言葉。
「こんなお客さまのおかげで、10年も続けられたのだ」と
後ろ姿を見送りながら、心から感謝した。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 『菜菜おつまみ2』(すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ2』。
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2012年03月19日
第47回 (3月11日 ― 3月17日)
3月11日(日) 晴れ
[朝]
・パン
・野菜の煮込み(にんじん、しいたけ、
キャベツ、キクラゲ、雪菜、厚揚げ)
・無農薬いちご
[昼]
・おにぎり2個
・すっぱいたくあん
・なめことじゃがいもの味噌汁
[夜]
・蒸し煮にんじんと生野菜のサラダ
(トマトドレッシング)
・なめこと菜の花の酒粕味噌汁
・きのこのイタリア風煮込み
・海藻ごはん、赤カブの塩漬け
昨日の夜を抜いたおかげで朝から体調がよく、朝ごはんもしっかり食べられた。
朝食は、昨晩土鍋でぐつぐつ煮込んだ野菜の煮込みと、
取り寄せた「アリエッタ」の天然酵母パン。
煮込みは、ひと晩置くと味がしみて本当においしい。
家事を済ませてから、原稿を書いたり、読書をして過ごした。
お昼は、簡単におにぎり。
夜は常備している蒸し煮野菜をアレンジしてサラダやきのこの煮込みを作った。
3月12日(月) 晴れ
[昼]
・新ごぼうと根ミツバのうどん
・赤かぶの塩漬け
午前中は原稿書き。簡単に昼ご飯を食べて
午後から友人の老猫にイトオテルミー治療をするため出かけた。
今回は、飼い主の友人とその友達にもテルミーを体験してもらった。
イトオテルミー温熱療法は、人間の自然治癒力を最大限に高める治療法。
20代前半に学び、療術師の資格を取ったので、もう20年以上やっていることになる。
先週鳥取の母からおいしい手作り麹が届いたので、
塩麹を作っていて、ちょうど食べ頃になった。
麹菌に「おはよう!」とか「ありがとう!」とか声をかけながら毎日混ぜていたら、とてもまろやかに発酵した。
お昼ごはんは、香りのよい新ごぼうと根ミツバを入れたうどん。
夕方からは頭痛がひどくなり、ベッドに直行した。
3月13日(火) 晴れ
[朝]
・松の実パン
+ゴボウ茶と玄米コーヒーのブレンド
[昼]
「ノルド」にて
・生野菜のサラダ
・アボガドスパゲティ
+ソイラテ
[夜]
「件」にて
・葉わさびのおひたし
・島ラッキョウ、味噌添え
・おでんの盛り合わせ
・塩にぎり
明日からの料理教室の準備をする。
今月のテーマは「塩麹」。
ちょうどできたての塩麹もあるので、野菜×塩麹の素敵な世界を体験してもらえそう。
以下の5品と塩麹の作り方を教える予定。
・ブロッコリー・ロマネスコと厚揚げの塩麹煮びたし
・にんじんの塩麹ペーストを使ったスパゲッティ
・さつまいものローズマリー風味塩麹グリル
・セロリとうるいの塩麹漬け
・ふきのとうと塩麹のおつまみクッキー
手の込んだ料理ではなく、シンプルな料理の方が塩麹のよさがわかると思う。
ノルドでランチ後、夕方からは次男の高校の三者面談に行き、その後友人と飲んだ。
3月14日(水) 晴れ
[昼]
近くのラーメン屋さんにて
・味噌ラーメン(チャーシュー抜き)
・ひじきごはん
+生ビール
[夜]
居酒屋にて
・鰯のなめろう
・空豆の炭火焼き
・アボガド豆腐
・おでんの盛り合わせ
(がんも、大根、こんにゃく)
+活性にごり酒
料理教室1日目
にんじんの塩麹ペーストのスパゲティが好評だった。
これは、鍋に乱切りにしたにんじん、塩麹少々と水を少し入れてふたをし、
弱火にかけてにんじんが柔らかくなるまで蒸し煮にしたら、
フードプロセッサーに移し、塩麹、オリーブオイル、レモン汁を加えて
ペーストにしたもの(写真)に、ゆでたてのスパゲッティをからめたもの。
塩麹で蒸し煮にしたにんじんは、びっくりするくらい甘くておいしい。
「塩麹のメニューを覚えるのではなく、いつも塩を加えるところを塩麹に
変えるだけで、ぐっとうまみが増すよ。
塩麹はうまみのある塩だと思えば、どんな料理にも使いこなせるから」
と私は教えている。
昼ごはんはお店の近くのラーメン屋さんで、動物性のだしを使わない
味噌ラーメンとひじきご飯のヘルシーなセットを食べ、
夜は行きつけの居酒屋さんで飲んだ。
手作りアボガド豆腐がこくがあり、おいしかった。
3月15日(木)晴れ
[昼]
「ノルド」にて
・生野菜のサラダ
・黒ゴマカレー
・味噌汁、漬けもの、冷奴
+ソイラテ
[夜]
居酒屋にて
・「亀の手」の塩ゆで
・焼きたけのこ
・古代米の餅の揚げだし
+活性にごり酒
料理教室2日目。
午前中に送られてきたムック本の原稿を今日中にチェックして戻さなければ
ならなかったので(!)、教室後は原稿の校正に追われてバタバタの1日だった。
ランチは、いつものようにノルドで食べ、夜は居酒屋さんで飲んだ。
最近、飲みの誘いが多く、夜はもっぱら外食。
こんな時は、お店で頼むものを体に負担のないようによく選ぶようにして、
腹八分目をモットーにしている。
息子たちの晩ごはんには、具だくさんの中華風あんかけオムレツを作った。
3月16日(金) くもり
[夜]
味噌おじや
料理教室3日目。
足を骨折して入院している生徒さんが、病院から直接料理教室に来てくれた。
その人の入院仲間である、ヨガの先生をしていたという方の話。
その人は、ヨガをやめてから腰痛やひざ痛に悩まされ、ついに人工関節に
なってしまったという。ヨガをしていることで体の機能が維持されていたのに、
それをやめると、ヨガをやらない人よりも体の状態が悪くなってしまった……。
つまり、何か体によいことをしていたら、体はその行為をあてにした依存状態に
なるので、それをやり続けないとダメだということ。なんとも深い……。
顔にクリームを塗り続けていた人がやめると、クリームを塗っていない人よりも
乾燥するという話も聞いたことがある。
何かよいことをプラスしたいというのは誰でも思うことなので、いろいろ考えさせられた。
冷たい北風が吹き寒かったので、夜は土鍋の味噌おじやを食べた。
息子たちの晩ごはんにはほうれん草チャーハンと舞茸の味噌汁を作った。
3月17日(土) 雨
[昼]
カリフォルニア料理店にて
・ホワイトアスパラガスの炭火焼き、
ふきのとうドレッシング添え
・ほうれん草のフェットチーネ
・フレッシュハーブティー
+ハイネケンビール
料理教室4日目。
今週の料理教室では、イギリスのオーガニック服も紹介した。
ヘンプ(麻)、バンブー(竹)、オーガニックコットンで作られた服は、
静電気が起きず、防虫・殺菌効果もあり、薄手なのにとてもあたたかい。
衣服は「医服」とも言われ、何を着るかによって、病気にも健康にもなるらしい。
私は、天然繊維の服や寝具を選んでいるが、食べるものだけではなく、
着るものにも気を配ると、体が喜んでいるのが実感できる。
子供が熱が出た、と妹が料理教室を終えてすぐ帰宅してしまったので、
近所のカリフォルニアレストランで一人きままに、お疲れさまランチを食べた。
連日料理教室でたくさんの料理を作っているので、何も考えずに
誰かのおいしい料理を食べながらくつろぐのは、リラックスできる大切な時間だ。
頑張ったあとは、こうやって体と心をゆるめてあげないと、いつか体と心が壊れてしまう。
お昼ごはんが遅かったので、晩ごはんは食べなかった。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 『菜菜おつまみ2』(すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ2』。
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2012年03月13日
第46回 (3月4日 ― 3月10日)
3月4日(日) くもり
[昼]
・ひじきがんもと雪菜の煮びたし
・春菊のくるみあえ
・白菜漬け、赤カブの塩漬け、
すっぱいたくあん
・納豆、海藻(海の十四宝)、
よっちゃんなんばんがけ
・ごはん、味噌汁
[夜]
自然食レストランにて
・たっぷり野菜の石焼きビビンバ
・スープ
オフだったので、デジタル一眼レフカメラの操作の復習がてら
いろいろ撮影したり、図書館で借りてきたカメラの本を読んだりした。
カメラの勉強を始めてから、どんな光が、どの方向から差しているのかなど、
目の前にある光の種類を意識するようになった。
光によって、同じものでも見える色や印象が変わってくる。
お昼は雪菜で煮びたしを作り、お店の残りものをプラスして食べた。今日使った雪菜は、仙台のもの。
寒さに耐えて縮れた葉と、凝縮した味が特徴の仙台の伝統野菜。
“ちぢみ小松菜”という感じで、煮ても炒めてもおいしい。
晩ごはんは友人と自然食レストランで野菜の石焼きビビンバを食べた。
3月5日(月) 雨
[昼]
写真教室で持ち寄りランチ
・にんじんのトマト味噌シチュー
・ごぼうとしいたけの唐揚げ
・えごまあえ
・かぶとグリーンピースのエスニックマリネ
・ナスのマリネ
・大辛鮭
・笹だんご
[夜]
・おにぎり、海苔
・すっぱいたくあん
・春菊のくるみあえ
・青菜の古漬け、赤カブの塩漬け
・大根とせりの味噌汁
カメラマンの久間昌史先生による料理写真教室4回目。
今日はライティングのお勉強。
フラッシュの光をうまく操ることで奥行きのある表現ができ、
ぐっとプロっぽい写真になる。
このレッスンで料理写真の基礎を学んでから、撮影の時にカメラマンさんの
行動の意味が理解できるようになって楽しい。
昼は写真教室の生徒全員が持ち寄ったものをランチとして食べ、午後はそれを盛り付けて撮影の実習をした。
私が作ったのは、「にんじんのトマト味噌シチュー」。
オリーブオイルでにんにく、たまねぎ、蒸し煮にしたにんじんとマッシュルームを炒め、水、トマトピューレ、麦味噌を入れて3分くらい煮込んで塩、こしょうで味をととのえ、味がしみるように一晩置いておけばできあがり。
黒っぽくなるまで発酵させて甘みとこくを出した麦味噌を使っているので、
煮込まなくてもデミグラスソースのような風味が出る。
発酵調味料を加えると、調理時間が短縮できてとても助かる。
夜は、おにぎりと味噌汁に冷蔵庫の常備菜をプラスして食べた。
3月6日(火) くもりのち晴れ
[夜]
天ぷら屋さんにて
・菜の花、うど、ふきのとうの天ぷら
・ごはん、漬けもの、味噌汁
+生ビール
午前中、新しい本の企画で編集者さんと打ち合わせ。
その後、いつものように「ノルド」でパスタランチを食べ、
午後は明日の撮影の準備をした。
夕方から友人と天ぷら屋さんで旬の山菜や菜の花の天ぷらをつまみながら軽く一杯。
うちに戻ってからはレシピ書き。
私の場合、打ち合わせや撮影の準備をすると、
スロットマシーンのようにたくさんのレシピが頭の中を高速で流れて、
実際には食べていないのにお腹がいっぱいになる。
そのため、撮影が続くと、結果的にやせてしまうような気がする。やれやれ……。
3月7日(水) くもり
[夜]
・赤パプリカそぼろごはん
・ひじきとじゃがいものマリネ
・ブロッコリーと厚揚げのピリ辛ナムル
・新ごぼうとしいたけのたたき焼き
終日お弁当本の撮影。
私の弁当作りに活用している調理道具や、弁当箱、箸袋、弁当を包むものを
紹介しつつ、野菜たっぷりのヘルシー弁当を作った。
いろいろな野菜で作るそぼろは、野菜をみじんぎりにしてじっくり炒め、
塩やしょうゆで味をつけたシンプルなもの。
野菜の中でも、赤パプリカ、ブロッコリー、かぼちゃ、れんこん、ごぼう、
きのこ、ひじきはとくにそぼろにおすすめ。
ポイントは、とにかく時間をかけて、野菜の甘みや味の深みが出るまで炒めること。
野菜そのものの味を調和的に引き出すことができれば、塩やしょうゆを加えるだけで
さめてもおいしいそぼろになる。
野菜のそぼろはカラフルなので、お弁当の彩りが豊かになるし、
ビタミンや食物繊維もプラスされるという健康を気遣う人にうれしい利点もある。
4月から日々のお弁当を紹介する企画が持ち上がっているので、
野菜弁当のコツなどはそこで紹介していきたい。
3月8日(木) 雨のちくもり
[昼]
・生野菜のサラダ
・キャベツと燻製にしんのスパゲッティ
+ ソイラテ
私のお店「仙」の仕込み日。
おいしい無農薬のじゃがいも「キタアカリ」が手に入ったので、
全部蒸し煮にして精進の“魚もどき”を作った。
じゃがいも+湯葉+海苔で、味も見かけも白身魚のようなものができる。
ベジタリアンのお客さまの中には「食べられない魚が出てきた」と間違える人
もいて、ちょっと楽しいメニュー。
鳥取からは、雪の中から出てきた大きなふきのとうやよもぎなどの野草や
甘い大根が届いた。まだまだ気温は低いけれど、日照時間がどんどん増え、
植物たちは雪の中でも春の訪れを感じているんだなぁ。
昼は「ノルド」でパスタを食べ、夕方からは頭痛がするので晩ごはんは抜いた。
先日テレビで「空腹感を感じた方が老けない体になる」という研究データを紹介していて、時々食事を抜くのはやっぱり体にいいことなんだと、ちょっとうれしかった。
3月9日(金) 雨
[夜]
自然食レストランにて
・ひじきのサラダ
・青菜の煮びたし
・いろいろ野菜の和風ピクルス
・とろろごはん、味噌汁
「仙」の営業日。
いつものように開店前におにぎりを食べ、お昼は抜いて夜はとろろごはんセット。
寒さのせいか夕方になると頭痛がして、おかずはほどんど食べられずに
友人に食べてもらう……。
3月10日(土) 雨
[夜]
下北沢「七草」にて
・新玉ねぎのすり流し
・旬菜のジュレ
・よもぎ豆腐の椀
・八寸(新筍、ふきの白あえ、
粒蕎麦とワサビの芽のあえものなど)
・じゃがいもの揚げもの
・スナップエンドウ、黒キャベツ、
ロマネスコのくず仕立て
・車麩と水菜の煮もの
・ふきのとうごはんのだし茶漬け、漬けもの
・豆腐の寒天よせ、酒粕クッキー
+純米吟醸酒
今日も「仙」の営業日。
今日のお客さまは食べっぷりも飲みっぷりもよく、気持ちがよかった。
昨年3.11の翌日に福島から来店された常連のお客さまが1年ぶりにいらっしゃり、
なんとか普通の生活を取り戻すことができたという話を聞いて、ほっとひと安心。
けれど、まだまだ大変な暮らしをされている方は多く、問題はたくさんある。
1日でも早い復興を祈らずにはいられない。
晩ごはんは、食べ歩き仲間の前沢リカさんのお店「七草」で、友人と食事をした。
久しぶりに、リカさんらしい繊細でおいしい料理を堪能できて幸せだった。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 『菜菜おつまみ2』(すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ2』。
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2012年03月05日
第45回 (2月26日 ― 3月3日)
2月26日(日) くもり
[朝]
・自家製黒ごまときなこのケーキ
・国産グレープフルーツ
・豆乳ヨーグルト
+玄米コーヒー
[昼]
・おにぎり 2個
・塩漬け白菜、梅干し
・もずくのスープ
[夜]
・焼きかぶとヒラタケの煮びたし
・納豆、よっちゃんなんばん
・海藻ごはん
・おぼろ豆腐と三つ葉の味噌汁
・青菜古漬け
今日はオフ。
明日の撮影のレシピ書きや準備をしながらのんびり過ごした。
朝ごはんは、お店の残りもののケーキとできたての豆乳ヨーグルト。
私のお店で出すケーキは、卵も砂糖も乳製品も油も一切使わず、
体にいい素材だけを寒天パウダーで固めているのでヘルシー。朝食にもピッタリ。
今回のケーキは、黒練りごまときなこをベースにしたもの。
この2つを入れると、見た目も味もチョコレートケーキのように仕上がる。
隠し味はしょうゆと白味噌。
お昼にごはん炊いたらシンプルな塩にぎりを食べたくなったので、
手にたっぷりの塩をつけ、炊きたてをにぎり、極上の海苔を巻いて食べた。
どんなにぜいたくな料理も、このおにぎりのおいしさにはかなわない。
晩ごはんは、大きな聖護院カブの煮びたしを作った。
息子が柔らかく煮たカブが嫌いなので、
フライパンで焼き色がつくまで焼いてから煮汁に入れ、
さっと火を通している。
息子の舞台は今日が千秋楽。充実した顔で深夜に帰宅した。
本当にお疲れ様! 息子も私も明日からゆっくり寝られそう。
お弁当もしばしお休み。
2月27日(月) 晴れ
[昼]
立川にて玄米定食
・揚げたて野菜がんも
・根菜の煮もの
・切干大根の和えもの
・わかめと大根の味噌汁
・ぬか漬け(きゅうり、かぶ)
・玄米、ごま塩
[夜]
撮影した料理の試食
・冬野菜の酒粕豆腐クリームグラタン
・紅芯大根と切干大根とお米の塩ポタージュ
・春菊とゆり根の塩チャーハン
・ミニおにぎりフライ、青海苔塩
・きなこ七味
・長芋のステーキ こだわりの塩&ブラックペッパー添え
・菜の花のぺペロンチーノスパゲッティ
・いちごジャムと小豆の寒天寄せ、粒塩のせ
私が愛用する「カンホアの塩」のホームページで紹介している
塩を使った料理を、妹の家で撮影。
カンホアの塩には、<結晶のまま><石臼挽き><石窯焼き塩>の3タイプがあり、
それぞれの特性を生かしたレシピを紹介している。
今回撮影した中でおすすめは「ミニおにぎりフライの青海苔塩添え」。
小さなおにぎりを作り、小麦粉→長芋とろろ(卵の代わりに精進では長芋を使用)
→パン粉の順に衣をつけ、油で揚げて青海苔塩をつけて食べるというもの。
ライスコロッケよりも簡単にでき、けっこうイケてるおつまみになる。
順次掲載されるので、のぞいてみてください。
お昼ごはんは立川の自然食レストランで玄米定食を、
夜は撮影した料理をみんなで食べた。
2月28日(火) 晴れのちくもり
[夜]
・酒粕の塩鍋(白菜、豆腐、
ヒラタケ、豆もやし、春雨)
・3分づきごはん
・漬けもの(白菜漬け、梅干し)
午前中は編集者さんと新しい本の打ち合わせをし、午後はオフ。
家に戻っておにぎりを作り、簡単なランチを食べたらお昼寝。
まだまだここ最近の寝不足は解消できないけれど、
時間がある時はとにかく寝なくちゃと思っている。
昆布だし+塩に、妹の家でもらった 「どぶろくの酒粕」 (写真)を加えたら、びっくりするくらいおいしい汁になったので、冷蔵庫の野菜や豆腐を入れて鍋にした。
乳酸発酵しすぎかなというくらいにすっぱい酒粕だったので、加熱したら旨みに変わってくれたようだ。
発酵食品は予想外の味を生み出してくれて楽しい。
2月29日(水) 雪
[昼]
「SAVOY」にて
・ピッツァマルゲリータ
・生野菜のサラダ
+カフェラテ
寒い雪の1日。「仙」の仕込みをする。
新ごぼうとオレンジ色のサツマイモを入れた擬製豆腐や
おからとバナナのケーキ(写真)を作り、菜の花は昆布締めにした。
その後、出版社の方と来週撮影のお弁当の打ち合わせをした。
雪が積もっていたのでランチはお店のななめ前にある「SAVOY」でピッツァ。
夕方家に戻っからまたお昼寝。お腹が空かなかったので、晩ごはんは抜いた。
息子には、すき焼き風の煮ものを。
3月1日(木) くもり
[昼]
「もちカフェ」にて
・懐石料理店のちらし寿司
・味噌汁
・ぬか漬け(にんじん、きゅうり、かぶ)
「仙」の営業日。
いつものように開店前におにぎりを食べ、閉店後に遅いランチを食べた。
いつも行っている近所の「ノルド」が営業時間を変更して
15時から18時が休憩時間になってしまったので、ランチ難民に……。
少し離れた「もちカフェ」に行った。
カフェの隣りにある懐石料理店で出しているちらし寿司を
今月は限定で食べられるというので、妹とちらし寿司セットを頼んだ。
お店では体力も気力も全力投入して仕事しているので、
終わったら落ち着いた場所でゆっくりくつろぎたい。
居心地のよい「ノルド」に行けないのはちょっとつらい……。
夕方にお昼を食べたので、私は夜は抜き。
息子には、具だくさんのスパゲッティとたっぷりわかめを入れたサラダを作った。
ドレッシングは、ポン酢にオリーブオイルと白すりごまを入れた簡単なもの。
3月2日(金) 雨
[夜]
・玄米とろろごはん
・味噌汁(豆腐、小松菜)
お店の予約がキャンセルになったので急きょオフに。
私の家で、妹と今後の方向性について話し合った。
「仙」を始めて11年目になるので、次の展開を考えているところ。
お昼は、簡単におにぎりだけ。
先週の疲れがまだとれないので、晩ごはんは消化のよいとろろごはんにした。
3月3日(土) 晴れ
[昼]
定食屋さんにて
・カキフライ
・ほうれん草のおひたし
・野菜の煮もの
(里いも、にんじん、インゲン)
・冷奴
・わかめの味噌汁
・漬けもの(かぶ、きゅうり)
・枝豆+生ビール
「仙」の営業日。
今日の季節のあえものには「春菊と干し菊と焼き椎茸のくるみあえ」と「干し柿の焼きの酒粕&白味噌の柚子風味あえ」の2品を作った。
あえものは、料理の中で私がいちばん創作意欲が湧くもの。作っていてわくわく楽しい。
素材の組み合わせ方や、野菜の切り方、加熱方法、あえ衣などを変えると
無限に創り出すことができる。
開店前におにぎりの朝食、閉店後はお気に入りの定食屋さんでカキフライ定食。
このお店は、おかずが充実していて栄養的にもバランスがとれるし、
しかも冷凍食品や市販の漬けものなどを使わずに
すべて手作りしているところがうれしい。
息子の夜ごはんには、豆乳ヨーグルトに塩とカレー粉を加えた漬け床に
地鶏を漬け込み、タンドリーチキン風のグリルを作った。
[著者略歴]
カノウユミコ
鳥取県の専業農家に生まれる。生来の料理好き。高校生の頃から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理、精進料理を研究する。精進料理「菜懐石 仙」のオーナーシェフ。家庭でかんたんに楽しめるベジタリアン料理教室も主宰する。著書に 『菜菜ごはん』 『ますます菜菜ごはん』 『菜菜スイーツ』 『菜菜ランチ』 『菜菜おつまみ』 『菜菜おつまみ2』(すべて柴田書店)、『やさいのかみさま』(小学館)、『ベストヒット野菜料理』(講談社)ほか多数。最新刊は『菜菜おつまみ2』。
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