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2010年07月12日
"ひとつとして同じ表情のピッツァはない" 担当編集者より♪
『ピッツァ』
柴田書店編
発行年月:2010年7月17日
判型:B5 頁数:92頁
ピッツァって“(テンションが)上がる”メニューですよね。
一人でもくもくと口に運ぶ絵は浮かびにくいですし、
ましてやピッツァを片手に深刻な話をするお客も想像しにくい。
シズル感たっぷり、ボリューム満点の一枚がどんとサーブされれば、
顔はほころび、「おぉ」っと声があがるはず。
楽しく賑やかな食のシーンを演出する力が、
ピッツァにはあるように思えてなりません。
「ひとつとして同じ表情のピッツァはない」、
それがピッツァの魅力のひとつだと思います。
『ピッツァ プロが教えるテクニック』では、
人気店のマルゲリータ11品をずらっと紹介していますが、
同じようなトッピング内容でも、仕上がりの違いは一目瞭然。
つくり手のポリシーがそれぞれ固有の姿を生むのです。
もっと掘り下げれば、同一店の同一メニューであっても、
コルニチョーネ(縁)の膨らみ方、焦げ目の付き方、トッピングの配置など、
一枚一枚の表情は微妙に違います。
「サーブされたピッツァとの出会いは、まさに一期一会」、
そんな感慨に浸るのはピッツァ中毒の私だけかもしれませんが……。
もうひとつ、極端に言えば「なんでもあり」と表現できるほど
メニュー設計の自由度が高いのもピッツァの魅力。
本書に収録したユニークな一品をいくつか紹介しましょう。
◎ 『さんまのピッツァマリナーラ』
秋の定番和食を彷彿とさせる、
さんまのマリネ、大根おろし、
すだちの組合せ。
◎ 『ネロビアンコ』
いか墨を用いた一品。
真っ黒なビジュアルと、
いか墨とにんにくの力強い香りで
インパクト大。
◎ 『いちごのデザートピッツァ』
ヨーグルトとはちみつをベースに、
いちごをたっぷりとトッピングした一枚。
奇をてらったメニューのように思うかもしれませんが、これが本当に「あり」なんです。
ピッツァのルーツはイタリアといわれています。
しかし、日本で活躍するピッツァイオーロ(職人)の熱い想いや創意工夫により、
日本のピッツァ文化はいま独自の成長を遂げつつあると感じています。
投稿者 webmaster : 2010年07月12日 18:24