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2011年08月22日
肉料理の基礎と応用 『10の素材の肉料理』 編集担当者より♪
『10の素材の肉料理』
著者:十時 亨
発行年月:2011年8月25日
判型:A4変 頁数:192頁
10年前の雑誌連載時から望まれていた単行本化が、
ずいぶんかかりましたがようやく実現できました。
毎週のようにお店に通い、
仕込み中で大忙しのキッチンと人通りの激しい廊下の一角を使い、
わずかなアイドルタイムの中で撮影したのも、
今となっては懐かしい思い出です。
そうした限られた条件下で、
これだけの充実した内容の取材ができたのは
(なにせ仔羊のローストだけで5種類も撮影したのですから)、
ひとえに十時シェフの熱意とスタッフの方たちの協力のおかげであり、
それに応えることができてほっとしています。
時間が経っても、どの皿も今見てもけっして古びていないのは、
盛りつけの奇抜さや目新しさにおぼれずに
あくまでも素材の部位ごとの使い分けや加熱法で
多くの料理を仕立ててくださった十時シェフならではの技でしょう。
◎鹿フィレ肉のアンクルイート、
マロンとポム・ドゥース
イモと栗のピュレでおおい、
さらに食パンでくるんで
間接的に焼き上げた一皿。
提供時にバターで焼いて、切り分け、
ミニョネットをふる。
◎静岡産キジのタジン
タジン鍋で短時間で
効率よくかねるする。
蓋を開けたときにぱっと立つ
エキゾチックな香りが印象的な一皿。
◎牛フィレ肉のロッシーニ風
楽聖ロッシーニの名をとった料理。
フィレ肉にフォワグラを乗せて
トリュフソースをかける贅沢なもの。
香りが立つぐらいに温めた
トリュフの薄切り飾った一皿。
この10年の間に、やれスクレイピーだ、狂牛病だ、
鳥インフルエンザだ、O ‐157だ、豚コレラだ、口蹄疫だと、
家畜や家禽がさまざまな風評被害に見舞われたことが、
企画を進めづらくした一因であり、
今もまたセシウム汚染という新しい問題が料理店を悩ませています。
しかしそうした逆風が、
今まで使ったことのない素材や料理法に目を向けたり、
豚や鶏のような使い慣れた素材を
もう一度見直すきっかけになるかもしれません。
本書がその助けになれば幸いです。
とくにイノシシや鹿のような野獣は、農作物被害が年々広がっており、
もっと料理店に積極的に使ってもらえるようになれば、と願っております。
ちなみに連載時にはなかった
イノシシと野鳥を加えて全10章にしたのは、
もちろん十時シェフの姓にちなんだものです。
中年男性編集者の考えそうなことですね(笑)。
投稿者 webmaster : 2011年08月22日 11:38