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2012年06月11日
『辛いがうまい』
『辛いがうまい』
柴田書店編
発行年月:2012年6月11日
判型:B5変 頁数:124頁
本書をつくるきっかけのひとつが、昨年のブータン国王の来日。
“幸福度世界一”のふれ込みにひかれ、この国についてググってみると、
“世界一、唐辛子を使う料理”という気になる一文。
さらにググると、都内にブータン料理専門店があるとの情報。
突如、突きつけられた挑戦(思い込み)を受けてたとうと、
代々木上原のブータン料理専門店「ガテモタブン」に足を運んだのです。
そしてテーブルに並んだ料理がこれ↓
【1】 唐辛子とチーズの煮込み [エマ・ダツィ]
唐辛子が丸々浮かぶビジュアルに、
早々とノックアウト。
唐辛子をメインに食べる料理。
さわやかな風味と
シャキシャキとした食感が楽しめる仕立て。
【2】 チーズのスープ [ヘン・ツェ・ジャジュ]
チーズとバターを溶かし込んだスープ。
日本の味噌汁にあたるブータンのスープ料理。
チーズを溶かしたマイルドな味ですが、
気がつくと額には玉の汗。
【3】 干し豚肉と大根の炒め煮 [パクシャ・パ]
干し豚と大ぶり大根の乾燥唐辛子。
赤く見えるのはもちろん唐辛子。
豚肉にも大根にも唐辛子の風味が染み込んでおり、
逃げ場はどこにもありません。
ブーダンでは、ごはんに合わせるおかずとして、
日常的に食べられている家庭料理。
たたみかけてくる辛さに白旗をふりながらも、
不思議と食べる手が止まりません。
そう、うまいんです! なぜ、うまいのか。
唐辛子の使い方がその答えのひとつです。
【1】 は生の唐辛子を野菜として味わう。
【2】 は粗挽きの乾燥唐辛子で味にアクセントをつける。
【3】 は乾燥唐辛子をホールのまま煮込み、
他の食材に唐辛子の風味を移す。
つまり、料理に合わせて
唐辛子の種類や生かし方を変えているのです。
そうした視点から世界の辛い料理を見ると、
国や地域ごとにさまざまな特徴が見えてきます。
たとえば、チュニジアでは「ハリサ」、マレーシアでは「サンバル」、
メキシコでは「サルサ」など、唐辛子をそのまま使うのではなく、
それをベースにした辛み調味料で味をつくっていきます。
また、ベトナムでは特産の黒コショウで味にアクセントをつけるなど、
刺激の“もと”は唐辛子に限りません。
知れば知るほど“はまる”、世界の“辛いがうまい”料理。
この夏を、刺激的な夏にしてみませんか?
投稿者 webmaster : 2012年06月11日 16:06