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2012年12月18日
『専門料理2013年1月号』 編集後記より
『専門料理2013年1月号』
発行年月:2012年12月19日
判型:A4変 頁数:158頁
特集:料理界25人の言葉
「料理人、ソムリエ、エッセイスト、科学者など、25人にインタビュー!」
「自身の人生をふり返ってもらいつつ、今の料理界についてお話いただきました」
2013年のスタートを飾る1月号の特集は、「料理界25人の言葉」。料理界の先輩たちに、自身の人生をふり返ってもらいつつ、料理界の課題や提言、若手へのメッセージをいただきました。
仏、伊、中、日の料理人の他、サービスマンやソムリエ、そして調理師学校の校長にエッセイスト、科学者、ジャーナリスト、写真家と……それぞれの道でトップを走る25人にインタビューしたんだけど、それぞれ違う角度から今の料理界を見ていて、そこがおもしろかった。時代を築いた人の言葉には重みがあります!
日本料理だけ見ても、西 健一郎さん(京味)と高橋英一さん(瓢亭)という東西を代表する名料理人のお二人に、世界で活躍する松久信幸さん(NOBU)、そして日本料理界に革命を起こし続ける村田吉弘さん(菊乃井)――。
西さんは独立して5年から6年後に父親のもとで料理の再修業をして、料理の土台を固めたそうなんだけど、75歳を迎えた今もなお、「まだ修業の進行形」だそう。若い世代にも、やさしく、そして厳しい言葉でメッセージをくださいました。
一方、料理界の制度改革の必要性について話してくれたのが村田さん。努力した人が等しく報われる業界にするため、全国統一の検定試験を計画中だとか。
フランス料理では、坂井宏行さん(ラ・ロシェル)が登場。あの鉄人・坂井さんも、30代の頃は「坂井の作る料理はフランス料理じゃない」とか「フランス修業経験がないからあんな料理作るんだ」とかいろいろ言われたそう。それでも「おいしい料理がいい料理」という信念があったからこそ、ブレなかったんだって。
井上 旭さん(シェ・イノ)は、「どうせめざすなら、世界一をめざせ! 夜空でいちばん輝く北斗七星になれ!」と熱い言葉で喝を入れてくださいました。
フランス料理では、特別企画として「親父シェフ3人」の座談会も。田代和久さん(ラ・ブランシュ)、北島素幸さん(北島亭)、谷 昇さん(ル・マンジュ・トゥー)に実に9年ぶりに集まっていただき、5時間以上(!)に渡って、熱くもの申していただきました。
料理人以外では、エッセイストでワイナリーのオーナーでもある玉村豊男さんや、京都大学でおいしさの研究を続ける伏木 亨先生などにもお話をうかがいました。
伏木先生には科学者の立場から、「お客さんにおいしさを印象づけるための方法」や「おいしさを強く感じてもらうための提供スタイル」などについても聞きました。詳しくは誌面をご覧ください。
新連載がスタート! 鮨、対談、仏×中の異ジャンル技術講座も
今月から新連載もスタートしました。
まずフランス現地取材では、パリ在住のジャーナリスト一押しの新鋭シェフが月替わりで登場。これからどんどん脚光を浴びるであろう若く意欲的なシェフを、1年で12人紹介します。
鮨の新連載でも、月替わりで職人さんにご登場いただき、煮ハマグリや酢締めなど鮨屋ならではの技術の他、アイデアに富んだ酒肴も数多く見せていただきます。
技術講座も刷新。フランス料理と中国料理で毎月同じテーマを扱い、互いの技術を比べることで深く掘り下げます。なお、初回のテーマは「燻す」。
異ジャンルものではもう一つ、ジャンルの異なる「今、話したい」相手と対談をしてもらう企画を。初回は東日本大震災のボランティアを続ける藤巻一臣さん(サローネグループ)と生江史伸さん(レフェルヴェソンス)に、「料理人が世の中にできること」についてお話いただきました。これをきっかけに「一歩」を踏み出してくれる読者がいたら、うれしいね。
投稿者 webmaster : 2012年12月18日 10:16