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2013年01月18日
『専門料理2013年2月号』 編集後記より
『専門料理2013年2月号』
発行年月:2013年1月19日
判型:A4変 頁数:158頁
特集:内臓料理の突破力
「内臓料理はデフレ不況を突破するための救世主!?」
「話題店「俺のフレンチ」も緊急検証。その突破力を紐解きます」
年明け最初の発売となる2月号の特集は「内臓料理の突破力」。内臓料理で不況真っ只中の2013年を突破しよう! という思いを込めた特集です。
内臓料理は原価も安いし、たしかに突破力を持った素材だと思う。それに、内臓料理に対する世間のイメージも昔に比べてだいぶ変わったよね。
「厚木シロコロ・ホルモン」がB級グルメの祭典「B-1グランプリ」で優勝したり、内臓料理好きな若い女性を「ホルモンヌ」なんて呼んだりね。もちろん明るいニュースばかりではなく、ユッケによる事件や牛の生レバー問題なんかもあったわけだけど。
そうした最近10年間の内臓事情をふり返りながら、食材としての可能性について語ってもらったのが、菊地美升シェフ(ル・ブルギニオン)、和知 徹シェフ(マルディグラ)、大西敏雅シェフ(大西亭)による、巻頭企画の座談会。
この3人は、2004年発行の内臓料理専門の料理書『モツ・キュイジーヌ』(弊社刊)の著者で、内臓料理を武器に逆風含みの飲食業界を突破してきた力の持ち主。座談会では内臓料理で不況を突破するための多くの提案もいただきました。
第2企画「レストランの内臓料理」では、仏・伊計6人のシェフの内臓料理と考え方を取材。中でも五十嵐安雄シェフ(マノアール・ダスティン)は言わずと知れた内臓料理のスペシャリスト。菊地シェフの師匠でもあるよね。
今号は国内だけでなく、フランス現地のレストランも取材。タイプの異なる新旧2店の内臓料理を紹介します。
2009年開業の「シェ・グルヌイユ」のオーナーシェフは、以前はシャルキュトリーで働いていたんだって。とくに豚は1頭丸ごとを仕入れ、自身の手で解体しているというから驚きです!
料理は洗練されたシンプルな仕立ての中にひと工夫があるものばかり。連日満席というのもうなずけます。
一方、老舗の「オ・プティ・マルゲリ リヴ・ゴーシュ」も人気店。温かみがあって力強い内臓料理の魅力を今に伝えています。2店計11品、すべて作り方を掲載しているので、メニュー開発のヒントにしてください。
「いかにレストランのメニューに採り入れ、売上げをのばすか」に着目した企画が「内臓料理の活用術」。内臓の仕入れから下処理、保存方法、メニューへの展開術までを、内臓料理が売りの3店のシェフにじっくり聞きました。
「付合せにも心を配ってレストランならではの品にする」、「酒に合う味つけにして、アルコールの注文との2本柱で売る」など、いろいろ伝授していただきました。
なんだか、内臓料理の店で独立開業できそうな気がしてきたよ!
それは気が早すぎ。そもそも内臓がどうやって流通してるか知ってる? ギアラ、ツラミ、テッポウって言われて、どこの部位かすぐわかる?
ん?。
内臓料理をきわめるには座学も重要……ってことで、「内臓料理の教科書」では基礎知識をQ&Aでわかりやすく解説。加えて、各部位の写真とイラストで図鑑を作成・掲載しました。今号は連載の技術講座のテーマも「内臓」。1冊丸ごと内臓だらけの専門料理、必読です!
話題のあの店を緊急検証!料理界への影響を分析します
ところで、その圧倒的な突破力で今、外食業界を賑わせている店と言えば「俺のフレンチ」だと思う。
立ち飲みスタイルでフランス料理を格安で出して大人気だっていう。今も行列ができているよね。
俺のフレンチは外食チェーンが展開しているわけだけど、われわれが生きる料理界に何をもたらすのか、学べることはあるのか――ということにポイントを置き、『月刊食堂』編集部とともに検証してみました。こちらの記事もぜひご一読のうえ、2013年を突破しましょう!
投稿者 webmaster : 2013年01月18日 11:08