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2013年06月10日

『バル&居酒屋メニューブック』

80813.jpg『バル&居酒屋メニューブック』
柴田書店MOOK
発行年月:2013年6月11日
判型:A4変 頁数:136頁


abokadosarada.jpg表紙にも使わせていただいた、この一皿。

東京・麹町にある注目のスペインバル
「春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)」さんの
『マグロの生ハムとアボカドのサラダ仕立て』です。

マグロの生ハム(ジャーキー風のもの)は
チラホラ見えますが、アボカド? どこでしょうか?

そうなんです。  そこがポイント。

実は、たっぷりの葉野菜の下に、
アボカドのアイスが隠れているのです。


2、3人で同店に入り、このメニューをオーダーしたとしましょう。

キーンとよく冷えた皿に、こんもりと葉野菜が盛りつけられたサラダと、
取り分け用の小皿が運ばれてきます。

最初にみずみずしい葉野菜を取り分けると、マグロの生ハムが現れます。

塩味のある生ハムとこの葉野菜だけでも充分においしいサラダですが、
葉野菜をとり終えたところで、色鮮やかなグリーンのペーストが
皿の表一面に塗られていることに気づきます。

そう、これがアボカドのアイスです。
皿が冷えているので、アイスも冷たい状態を保っています。

数人でサラダを取り分けると、自然とこのアイスが、
葉野菜の上にトッピングされる形になるわけです。

アボカドに、ほんの少しの練乳と生クリームを加えた
絶妙な口あたりのこのアイスは、そのままはもちろん、
ソースのように葉野菜と和えてもおいしくいただけます。

アボカドの固形分がメインなので、
たとえ溶けたとしても液体になることはありません。

もちろん、取り分けなどせずに写真の盛りつけのまま、
さっぱりとした葉野菜から食べ進めて、
最後に濃厚なアイスにたどり着いてもいいのです。

お客さんが受けるサプライズ感と、さまざまに異なる食感の組み合わせ、
そしてメイン食材のアボカドをアイスにしてしまうという大胆な発想。
春風駘蕩さん、さすがですね。


このように繁盛店のメニューには、
緻密な構成力とともに、お客さんを喜ばせるヒントが盛りだくさんです。

続きはぜひ本誌でご覧いただければ幸いです。


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投稿者 webmaster : 2013年06月10日 16:16