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2013年09月18日
『専門料理2013年10月号』 編集後記より
『専門料理2013年10月号』
発行年月:2013年9月19日
判型:A4変 頁数:160頁
特集:料理書 人生を変える一冊
「シェフの自宅の本棚を拝見! 料理の個性は、読んできた本に表われる?!」
「斉須シェフをはじめ、名著の著者へのロングインタビューも必読です」
今年の夏は猛烈な暑さだったけど、ようやく涼しくなってきたね。
秋といえば食欲……じゃなくて、読書! 今月は専門料理初の試みとなる料理書特集です。
取材をしていても、本好きのシェフってけっこういらっしゃいます。そんな4人のシェフに自宅の本棚を見せていただいたのが、第1企画の「シェフの本棚拝見」。
米田 肇シェフ(HAJIME)の本棚は、横長のデスクをぐるりと取り囲んだ特注品で、かっこよかった。並んでいたのは、料理書はもちろん、芸術、脳科学、さらに宇宙論の本も!
唯一無二のガストロノミーをめざす米田シェフならではの本棚だった。
一方、経営書が多かったのは、荻野伸也シェフ(OGINO)の本棚。
さすが、レストランだけでなく、惣菜店のプロデュースや物販店も展開するだけあります。
一方、山田チカラシェフ(山田チカラ)の本棚は文学が多かった! 何でも中学・高校時代はかなりの文学少年だったみたい。
意外にも今回の4人の中で、料理書中心の本棚だったのは、小林寛司シェフ(Villa AiDA)ただ一人。調理師学校時代からコツコツ買い集めたものだそう。
地方で営業していると本や雑誌から得られる情報は本当に貴重なんだとおっしゃっていました。
4人には、自身が影響を受けた本や愛読書も紹介いただいたので、こちらもお見逃しなく。
第2企画では、料理にたずさわる多くの人に読んでもらいたい7冊を編集部でピックアップ。著者インタビューの他、その本に影響を受けた方や愛読者にコメントをもらいました。
まずは斉須政雄シェフ(コート ドール)による『調理場という戦場』。
12年間に渡るフランス修業や帰国後にシェフとして働く中で感じたこと、考えたことが語られているんだけど、「この本を読むたびに、料理人としての勇気や誇りをもらえる」っていう料理人さん、本当に多いよね。
斉須シェフには、『調理場?』を通じて読者に伝えたかったこと、そして自身の読書体験などについても詳しくうかがいました。
コート・ドールで働いて後にオーナーシェフになった4人に、同店での修業時代について聞いたんだけど……みなさん、斉須シェフが好きで仕方がないといった感じが伝わってきたね。
この他、『ソース』では上柿元 勝シェフ(パティスリー カミーユ)と『懐石入門』では高橋英一さん(瓢亭)にインタビュー。『料理の四面体』を書かれた玉村豊男さんには、発行した1980年当時の発行当時のことをふり返って寄稿していただきました。こちらも必読です。
料理界50人に影響を受けた本、薦めたい愛読書などを聞きました
料理人を中心とした料理界の50人に5つのテーマで本を一冊ずつ挙げていただいたのが、第3企画の「影響を受けた本、薦めたい本」。
人生の転機になった本……『明日の皿』『皿の上に、僕がある』『グルマン』『味の風』の他、司馬遼太郎の『燃えよ剣』なんてのもあるね。理由としては「土方歳三の強い生き方、鉄の意志に、人生を学ぼうと思いました」。なるほど。
壁にぶつかった時に勇気づけられた一冊では……『イチローイズム』『項羽と劉邦』『壁を破る言葉』『ホーキング、宇宙を語る』などなど。
挙げていただいた中から、とくにお薦めの本として115冊をピックアップし、シェフのコメント付きで紹介しました。
第4企画では、料理書に強い書店さんと古書店を取材。インターネット全盛の時代だけど、本屋に並んだ棚を眺める時間ってやっぱ好きだな。
たしかに。今回紹介した中で気になる本があったら、是非書店さんに足を運んでください。思いもよらない一冊との出会いもあるかもしれません。
投稿者 webmaster : 2013年09月18日 09:41