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2013年10月18日
『専門料理2013年11月号』 編集後記より
『専門料理2013年11月号』
発行年月:2013年10月19日
判型:A4変 頁数:160頁
特集:料理人のためのワイン入門
「料理人に必要なのは、より幅広く、実践で役立つワインの知識」
「知っておくべきワインのトレンドと知識をわかりやすくまとめました」
いやぁ、もう11月か。早い早い。
11月といえば、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁。その盛り上がりは、日本の秋の風物詩になりつつあるよね。ということで、専門料理でもワイン特集を組んでみました!
タイトルは「料理人のためのワイン入門」。シェフやオーナーシェフをめざす料理人さん向けの入門編的な内容です。
たしかにワインの本ってたくさん出てるけど、料理人向けに特化したものってあんまり見ないかも。たいていの場合がソムリエやソムリエ志望者、ワイン愛好家に向けたものだよね。
ワインの基本的な知識はもちろんだけど、料理とのマリアージュ、サービス人との連携、店のコンセプトに合わせたワインリスト作り……料理人には、より幅広く、実践的なワインの知識が必要だと思うんだ。
「四テーマで探るワインの今」では、4つのテーマについて、思い入れの強い料理人やサービス人、ワインショップのオーナーに対談をしていただいた。
「シャンパーニュ」について対談いただいたのは、清水 将シェフ(レストラン アニス)と中村豪志さん(レストラン マノワ)。清水シェフ曰く「とくに個人経営のレストランでは、1杯目のシャンパーニュに何を出すかで、店のスタイルまで判断されるケースがある」。
大手のものだけを置く店と、小規模生産者による個性的な造り手のものだけを置く店、そしてその両方をバランスよく揃える店……たしかに店や料理のコンセプト、料理人の考え方や嗜好まで透けて見える気がするね。
テーマ2は、最近レストランでもよく見かけるようになった「日本ワイン」。ともに日本ワインを愛する川手寛康シェフ(フロリレージュ)と岩倉久恵さん(カフェ ブリュ)のお話は熱かった!
有馬邦明シェフ(パッソ・ア・パッソ)と永島 農さん(フェリチタ)による「自然派ワイン」も盛り上がったね。冒頭、2人が「『自然派ワイン』という言葉は嫌いだから使わない」って言いはじめた時はどうしようかと思ったけど(笑)。
「自然派ワイン」って明確な定義があるわけじゃないし、「自然派=安全で体にやさしい」みたいなイメージが一人歩きしているところがあるからね。
そう。2人とも、好きな生産者、好きな味のワインを揃えていったら、それがたまたま、いわゆる自然派ワインと言われるものだったんだって。
最後、「ニューワールドワイン」について対談いただいたのが、菅沼 恒シェフ(弘屋)と藤丸智史さん(WINESHOP FUJIMARU)。一般的なオールドワールドワインよりも価格が安い理由、ニューワールドが抱える課題について話してもらった。
飲食店のワインリスト作成も行なう藤丸さんによる、リスト作成のコツも是非、参考にしてください。
基礎知識やワインに合う料理紹介、サービスの現場でのエピソード集も
「料理人が知っておくべきワインの基礎知識」では、ワインの産地や品種の特徴をまとめた他、素朴な疑問を集めた「Q&A」や料理とのマリアージュの方法論などを8頁にぎゅっと詰めました。
佐藤幸二シェフ(クリスチアノ)と米沢伸介シェフ(ナジャ)による「ワインがすすむ料理10」も、メニュー作りの参考にしてほしいよね。
「“よかった!”サービスと“やってしまった!”失敗」では、サービス人とソムリエ計21人のエピソードを紹介。思わず笑ってしまうような話や、ゾッとするような失敗談も、きっと現場でサービスするうえでのヒントとなるはずです。
「『ワイン酒場』に見るワインの売り方あれこれ」では、最近外食業界を席巻しているいわゆる「ワイン酒場」10店の事例を紹介。ユニークなサービスやプレゼンテーション、驚くような価格設定やワインリストをまとめました。
外食の世界におけるワインのトレンドを知るために、是非そうした店にも足を運んでもらいたいね。
投稿者 webmaster : 2013年10月18日 16:26