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2013年11月27日
『フランス料理を描く フロリレージュ』
『フランス料理を描く フロリレージュ』
著者:川手寛康
発行年月:2013年11月27日
判型:B5変 頁数:208頁
月に一度、ランチ営業の終了からとディナーが始まるまでの時間で1回3品の調理と盛りつけのプロセスを追い、仕上がった料理を撮影しました。
とにかく毎日満席という超繁盛店での、非常に時間的にタイトな撮影でした。それでも撮影のために完璧に準備してくださった厨房スタッフのみなさんには感謝です。
この本の核を「盛りつけ」にしよう、と決めたのは以前に何度か料理を撮らせていただいたときの群を抜いたセンスのよさとモダンな感覚は、どのように生まれるのかを明らかにしたいと思ったからです。左右中央でもない、安定感もない、でも心に残るステキな盛りつけでした。大胆にして繊細なのです。
◎鰆のロースト パンソース
椎茸とレンコンのサラダ
肉厚で繊維が密な素晴らしく美味しい原木シイタケが
この料理の核。
サワラのロースロとサラダは、すっきりとした味わいなので、パンの白いソースとシイタケのピューレで、フランス料理らしいコクと味わいを添えました。
◎ホロホロ鳥のロースト
そのジュと内臓のソース キャベツのブレゼ
ホロホロ鳥は鳥類の中でもっとも好きな食材。
添えたソースは、キャベツをおいしく食べるために、
ホロホロ鳥のジュと内臓でつくった濃厚なペースト。
◎牛ハツのコンフィ
エシャロットのソース 骨髄のフラン
しっかりした噛み応えのある牛ハツには、
食感の異なるなめらかなモアルーのフランを合わせる。
◎仔鳩のフリットと和牛のカルパッチョのデュオ
そのコンソメスープ仕立て
使用の国産の仔鳩は、比較的繊細な味わいなので、
味に厚みをだすために霜降りの牛肉を添えて、
日本人好みのマリアージュを表現。
川手シェフ本人の盛りつけのセンスのよさはよくわかっておりましたが、どのように厨房スタッフにその盛りつけの指示を出すだろうと興味をひかれました。
「その料理のドレッサージュのルールをいくつか伝えて、あとは各人にまかせています」というシェフの言葉に驚きました。
かなりむずかしいデザインなのですから。そのルールとは一体?
その答えは……どうぞ本書を読んでみてください!
投稿者 webmaster : 2013年11月27日 09:38