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2015年07月31日
『日本料理店のお弁当』
著者:平井和光、結野安雄 (和光庵) 共著
発行年月:2015年8月1日
判型:B5 頁数:176頁
日本料理の弁当と仕出しを扱った本としては、
小社ではすでに岐阜の料亭「末木」の故松岡昌平さんの著作を上梓しています。
松岡さんは高名な茶人でもありましたから、
こちらの本で取り上げた弁当や仕出しは多分にお茶席を意識したものでした。
そこで本書のほうでは、もっと一般的な法事や宴席の仕出しや、折詰を紹介することにいたしました。
これらはご家族で召し上がることが多いので、
子供向けの例を2種類取り上げているのもそうした観点からです。
ご登場いただいた「和光菴」は、聖徳太子のお寺で知られる四天王寺に近く、
大阪一お寺の集中するエリアで仏事用の弁当を多く販売してきた実力店です。
厨房に入ると、料理人さんたち人数分のマイ包丁ケース(ちょっとテニスラケットみたいです)がロッカーの上にずらりと並び、とても一人では持ち上がらないサイズの大鍋がいくつも五徳にかけられ、煮上がった料理がガンガン回る扇風機で冷まされているという、活気ある光景が見られます。
大量調理というと工場生産のようなものと想像されるかもしれませんが、実際には多くのプロによる手作りであり、その技術は小規模な割烹ではまねできないものです。
ただ、工場で作られているのではないため、
小芋ひと切れが何gで醤油が何ccで何分加熱して…というマニュアルもありません。
仕上げは結野料理長ら熟練スタッフたちの感覚次第。
そもそも折詰であればきっちり隙間なく詰めるのが最優先事項なので、
重さよりも大きさが大事なようです。
分量をこまかく明記していない点、どうかご勘弁お願いします。
投稿者 webmaster : 2015年07月31日 12:57