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2015年09月18日
『板前割烹の先付と酒肴』
著者:門脇俊哉、山内英仁、橋本 亨、山本晴彦 共著
発行年月:2015年9月18日
判型:B5 頁数:208頁
近頃の板前割烹って、なんだか融通が利かなくて窮屈ですよねえ。
カウンターでも二人以上からで要予約。
下手をすれば席に座る時間まで店側が指定。
酒豪だろうが下戸だろうが、コース料理の内容はお決まりで1種類のみ。
皿が空になってずいぶん経とうが、まだ食べている途中だろうがお構いなしに、
厨房のペースで料理が出てくる…。
大きな料亭ならいざ知らず、今まさにカウンターの向こうで料理を料理人さんが作っているのにもかかわらずですよ?
器の上げ下げをするのが楽だから、店作りの初期投資がかからないから、雇うスタッフの数をぎりぎりに絞りたいから、という自分勝手な理由だけで板前割烹のスタイルを選んだのかしら、といぶかりたくなるようなお店が少なくないです。
板前割烹の醍醐味は、作り手と食べ手の距離が近くて、両者のキャッチボールでその日の食事というイベントが作られていくことにあるのになんてもったいない。
小さなライブハウスでのジャズ演奏みたいもんですよねえ。
そうした臨機応変、融通無碍な料理を作るには、アイディアの引き出しをたくさん持っていて、自由に発想できなければなりません。
お客さまが求めるものをその場で汲み取って、アレンジする力量が必要です。
そんな応用力を得たいという料理人さんたちに向けて、この本は編まれました。
ですから必要最小限の割合はあっても、分量はのせておりません。
その場で仕立てるのに、いちいち計るわけないしね。
アドリブの利いた料理の数々を作ってくださった4人の著者の方々は言うまでもありませんが、その出来立て感をレンズを通して捉えてくださったカメラマンの海老原さん、生き生きとして見やすいレイアウトにまとめ上げてくださった岡本デザイン室の岡本さんと島田さん、見事に紙の上に表現してくださった文化カラー印刷の皆さんに感謝です。
そしてこの本を手にとってくださった料理人さんたちにも。
本に刺激されて新しい料理が生まれる、そんな化学反応がおこればうれしいです。
投稿者 webmaster : 09:43
2015年09月03日
Bakery book [ベーカリーブック]vol.9
『Bakery book [ベーカリーブック]vol.9』
柴田書店MOOK
発行年月:2015年9月3日
判型:A4変 頁数:200頁
ベーカリーブックもついに9号を迎えました。
ありがとうございます。
今号のテーマは3つ。
巻頭企画「地の麦でパンをつくる」
特集の「自分を成長(アップデート)させる方法」
技術企画「現代の冷凍を解く」
です。
「地の麦でパンをつくる」では山形の南部小麦、鳥取・大山小麦プロジェクト、三重県の小麦栽培とベーカリー、福岡・糸島ではJA発信のパン用小麦栽培について取材しました。
地域ごとに事情も手法も異なりますが、パン用の小麦栽培をこれから拡大していこうとする機運が高まっていることは、どの地域でも感じられました。
写真は山形・庄内のイタリア料理店「アル・ケッチャーノ」の奥田政行さんがはじめたベーカリー取材の様子。
ベーカリー「地ぱんgood(じぱんぐ)」のために地の小麦を探し、天童市の佐藤さんが自家用に栽培していた南部小麦にたどりついたそうです。
イタリアンシェフの奥田さんもベーカリーで生地を丸めたり、カレーパンを揚げたり。
東北が誇るスターシェフだけに、お店にいる時はお客さまから話しかけられることも多く、「レストランとちがってベーカリーでは気軽に声をかけてもらえてうれしい」とおっしゃって、ベーカリーの魅力にめざめたようです。
どの仕事においても、あるいは生活においても、自分を「アップデート」することは重要です。
特集「自分を成長(アップデート)させる方法」は、それぞれのステップにあるベーカリーが将来のためにどのような勉強や投資をしているのか、これまでの軌跡とともに紹介する企画です。
看板商品のレシピも同時に公開しています。
特集のしめくくりには、京都・黄檗の大繁盛ベーカリー「たま木亭」の移転アップデートを取材しました。
手狭だった旧店舗の厨房では一昨年の夏、熱中症でスタッフさんがぞくぞくと倒れ、玉木さんは拡張移転を決意。
新しい厨房は広く、空調設備も充実し、労働環境が大きく改善されました。
売り場も格調高くグレードアップ。さらなる成長が楽しみです。
「現代の冷凍を解く」
冷凍を駆使した製パン法は、大手ベーカリーのものと考えられてきましたが、リテイルにも無縁の話ではありません。少量多品種が求められている現状や、労務時間の短縮問題などを考えると、冷凍法を採用することにもメリットがあります。それでも品質が劣るのでは? と思われていましたが、現代の技術革新によって、冷凍障がいを克服するための資材も開発されてきました。
リテイルベーカリーで避けられていた「冷凍」によるパンづくりに、今回真っ向から挑むのが「ブラフベーカリー」栄徳剛さんと「ブーランジェリー セイジアサクラ」朝倉誠二さん。編集部とともに冷凍法のための資材を知ろうと、メーカー取材を敢行。途中、化学式なども飛びかうなど真剣度150%の取材でした。誌面では冷凍において各資材がはたす役割と注意点などを紹介します。
また、2人のシェフはそれぞれ2品ずつ、冷凍法を用いたパンのレシピを公開。
リテイルベーカリーで冷凍法を取り入れる際の参考になること間違いなしです。
投稿者 webmaster : 17:57
2015年09月01日
『ソース・たれ・ドレッシング・合わせ調味料』
柴田書店 編
発行年月:2015年8月31日
判型:B5 頁数:224頁
できるだけ簡単で、多くの方にお役立ていただける
“使える”ソースを数多くご紹介する、というのが本書のコンセプトです。
シェフたちにもそのようにお願いし、
たくさんのソースを作っていただきました。
料理も分かりやすいシンプルなものを中心にご紹介しています。
しかし簡単、シンプルとはいってもそこはプロ。
おもしろいオリジナルソースや使い方も、たくさん集まりました。
パラパラとページをめくっているだけでも、
新しい料理のヒントが見つかるかもしれません。
ソースの撮影は、料理と比べて簡単と思われるかもしれませんが、
これが意外と神経を使います。
1枚の写真で色や粘度、透明感などをできるだけ正確にお伝えするために、
液面に当たる光の量を微妙に調整しながら、1つ1つ丁寧に撮影してもらいました。
投稿者 webmaster : 16:37