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2017年01月19日
『肉の火入れ』
著者:川手寛康 著
発行年月:2017年1月24日
判型:B5変 頁数:204頁
なぜこんなに肉がおいしくなるのだろう?
シェフの頭の中にある火入れセンサーの仕様書をつくりたくて、この本を企画しました。
分銅を使ったり、シェフには試行錯誤を重ねていただきましたが、感覚を言葉で表現することの難しさを痛感しました!
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火入れは経験。確かにそのとおり。店ごとにオーブンも違えば、提供スタイルも違うし、仕入れる肉だって違う。
しかし肉に火を通すと、こんな変化が少しずつ起きて、このように変わっていく、ということを知っておくのは、必ずプラスになるはず。というか、知っておかなければならないことですね。
撮影では、まずベストな状態に火を入れた肉をすぐに切り分けて試食をします。あふれる肉汁、とろけるようなサシ、しっとりとした柔らかさと歯切れのよい食感…。ほんの少し塩をふっていただきます。
(まさに、よだれをたらして待つ犬の心境です…)
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限られた時間の撮影だったので、盛りつけした料理の撮影を済ませてから、撮影機材を片づけて、引き上げる最後の最後にその料理の試食をしました。
最初に試食した肉と、最後に試食した肉の状態には大きな変化がありました。
これは極端な一例ですが、この撮影をとおして、ベストなタイミングで料理を提供するには、「何℃で何分加熱すると、そのあと余熱がどれくらい入る」といった、的確な先読み力が必要で、これが火入れの鍵を握っていることがよくわかりました。
せっかく美味しく火を入れた肉ですから、お店のオペレーションにドンピシャで合うような先読み力をしっかりと身につけたいものですね。
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投稿者 webmaster : 2017年01月19日 14:36