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2024年05月22日
観光地経営でめざす地方創生
著者:原 忠之 著
発行年月:2024年5月17日
判型:A5 頁数:320頁
本書の著者である原忠之先生の肩書は、「セントラルフロリダ大学 ローゼン・ホスピタリティ経営学部テニュア付准教授」です。
アメリカの大学では、終身在職権が認められるテニュア付きになれるかどうかが運命の分かれ目。ちなみにメガネが丸かったり四角かったりするお騒がせ先生は、アメリカの大学教授であるとの触れ込みでぶいぶい言わせておりますが、准教授の下の職位であるアシスタント・プロフェッサー。当然一定の任期付きです。
何が言いたかったかといいますと、原先生は偉くてアメリカ在住でフロリダで実際に教鞭をとっているので、大変多忙なのです(涙)。ちょっと原稿で疑問点が生じて連絡をとろうにも、日本との時差が13時間。岸田首相が大統領府を訪問するとかで、いきなりワシントンへ呼び出されたり。おまけに書籍制作中にウクライナに2回、ホンジュラスに1回出張されておりました。なんでまた危険な国ばかりに…。質問の返信が遅いと思ったら「今キーウで、これからポーランドへ移動します」というメールが来たのにはたまげました。
作業中に日本で直接お会いできたのは、最初の打合せと装丁周りの確認の一度きり。それでもメールとZOOMでなんとかなるのだから、技術の進歩はたいしたものです。コロナ禍で世界の国境は一瞬隔てられたかのように見えましたが、今やウクライナでもホンジュラスでも行き来は可能であり、海外は身近な存在となりました。
最近の日本では、かたや宿泊税を人頭税呼ばわりするかと思えば、かたや円安で激増したインバウンド客から税を徴収するぞと息巻く首長をお見受けします。いったいぜんたい東京オリンピックの「おもてなし」てえのは何だったのでしょう。アメリカやフランスなどの観光大国から見れば、日本の観光産業はまだよちよち歩きレベル。海外からお客を迎えるということは、たとえ地方の一市町村であろうとも、世界中が商圏でありライバルです。東京一極集中だのと嘆く前に、広い視座に立ち、世界を相手に観光で地域を盛り上げようという気概のある人たちの手元に本書が届くのを願っています。
投稿者 webmaster : 2024年05月22日 14:30