2015年05月26日
『イタリア料理の基本講座』
『イタリア料理の基本講座』
著者:落合 務
発行年月:2015年5月27日
判型:B5変 頁数:224頁
本書は過去に弊社より発行した
単行本『イタリア料理のおいしい約束』と
ムック『料理百科』の1年間の連載をとりまとめて再編集しました。
開店当時の「ラ・ベットラ」は予約を受付けなかったので、
店の前には昼夜とも毎日長蛇の列ができていました
(さすがに現在は予約を受けるようになりましたが)。
この行列が名物でした。
あれから15年以上たった今も、相変わらず店内は大賑わい。
連日満席が続いています。
ここまでお客さまを惹きつける「ラ・ベットラ」の魅力は、
一体どこからくるのでしょう?
「気取らないけど、いつ行ってもすごくおいしい料理を
お値打ちの価格で食べさせてくれる」
当たり前といえば、当たり前のことですが、
これがベットラのロングセラーの理由ではないでしょうか。
さて表紙は、
ペンネアラビアータのソースです。
アラビアータは、某イタリアンレストランチェーンのメニューにも載っているほどポピュラーなパスタとして広く知られていますね。
裏表紙の完成したアラビアータの写真を見てください。
ソースが充分凝縮されていてほどよくペンネにからんでいます。
味もとても濃い!
これほどまでにシンプルなメニューがこんなにおいしいなんて。
このおいしさの裏側には、いくつかのプロのテクニックが潜んでいます。
本書を読んでこのテクニックをぜひみなさんも身につけてください。
落合務シェフ。
店の前の公園で。
超多忙な毎日をお過ごしです。
撮影日、シェフは風のようにやってきて、風のように次の仕事に向かっていきました。
この写真には映っていませんが、真っ赤な腕時計がお似合いでした。
投稿者 webmaster : 09:55
2013年08月29日
『アロマフレスカのイタリア料理』
『アロマフレスカのイタリア料理』
著者:原田慎次
発行年月:2013年8月30日
判型:B5変 頁数:168頁
旬の食材を追いかけながら、撮影・取材をさせていただくこと約2年間。
いつも感心させられたのは、原田シェフの、食材に対するあくなき探究心です。
食べ歩きの数も半端ではありません。
「これは〇〇という鮨店のご主人から教わったやり方ですが…」
「この素材は〇〇という日本料理店で出されているものが一番おいしいと思うのですが…」
「このスパイスはたまたま東南アジアのお土産にもらって気に入ったもので…」
「これは中国料理の方々がよく使われていて、その技法からヒントを得たものですが…」
と、次から次へと、食材にまつわる国境なき話題が飛び出します。
企画段階で、どういう料理を掲載しましょうか、
というご相談をしていた時から、登場する魚介の種類の多さにはびっくりでした。
「ここはお鮨屋さん?」と思うほどの、扱う魚種の多さと下処理の丁寧さ。
アユは今でこそ、レストランでも珍しくない存在になりましたが、
シャコ、トリガイ、ノドグロ、アマダイ、クエ、アイナメ、メヌケ、タチウオ、
キンキ、白子などなど、普通のイタリア料理店ではまずお目にかかることのないものたちです。
◎きんきの海藻ココット蒸し
キンキを1尾丸ごと5種類の海藻で包み、
潮の香豊かに蒸し焼きにした一品。
◎空豆のスフレ風オムレツ
ソラ豆と卵の生地を型詰めし、
スフレ風にふっくらと焼き上げたオムレツ。
パリパリに揚げたソラ豆のシートを添えて風味を高める。
◎仔うさぎの香草ロースト、狩猟風内臓ソース
野鳥のローストに使われる内臓ソース
「サルサ・ギョッタ」を淡白な仔ウサギ肉にからめて
コクをつけたロースト料理。
もちろん、アロマフレスカのスペシャリテには肉料理もたくさんあり、
その素材選びにも、シェフは並々ならぬこだわりを持っておられますが、
季節感を重視していくと、最終的に魚料理の数が圧倒的多くなりました。
ある程度決まった魚種しか使わず、しかも同じような調理法が多い、
一般的なイタリア料理店の魚料理と比べると、その差は歴然。
お客にとっても、とくに魚好きの日本人にとっては、
大きな楽しみにつながるものでしょう。
バラエティ豊かな魚介料理は、
“アロマフレスカのオリジナリティ”を象徴するものの一つであることは
間違いないと思います。
もしかしたら、高級鮨店のおまかせ鮨を食べるような心づもりで、
アロマフレスカのコース料理を味わってみるのも、
おもしろいかもしれませんね(あくまで個人的な意見ですが…)。
投稿者 webmaster : 10:04
2012年04月13日
『スペシャル アンティパスト』
『スペシャル アンティパスト』
著者:原田慎次、堀江純一郎、斎藤智史
発行年月:2012年4月14日
判型:B5変 頁数:260頁
1年近くに渡って撮影でおじゃました3店。
料理だけでなく、多岐に渡るシェフのお話は
実に興味深いものでした。
料理については本書をじっくり読み込んでいただくとして、
ここでは私の個人的な感想などを書くことにします。
シェフの人となりやお店の様子などを
少しでも垣間見ていただければと思います。
●原田シェフ (アロマフレスカ) ====================
取材途中、「それって何ですか?」「どういう形状のものですか?」と、勉強不足ゆえの愚問を繰り返す私たちに対して、原田シェフは何度でも厨房に走り、必ずその現物を持ってきて見せてくださいます。味見させてくださいます。そんなサービス精神溢れるシェフの姿勢が、レストランのサービスにも表われているのでしょう。
レストランでは、テーブル上に名前を書き入れた「Welcome」カードが綺麗にセットされており、会計の際の伝票にも必ず手書きで「いつもありがとうございます」のひと言が添えられています。ちょっとしたことなのですが、そういうところまでもてなしの心が行き渡っているのは、とても気持ちのいいものです。そして、食後についつい話し込んでいると、次々と違う種類のプチフールが運ばれてきます。「ストップ」と言うまで延々に続くわんこそば方式、というのはウソですが、とりどりのプチフールは特に女性にとっては嬉しいもの。フロア中央に飾られた大きな生花が、銀座のど真ん中にいながらにして季節を感じさせてくれ、毎回楽しみにしていました。
●堀江シェフ (イ・ルンガ) =======================
イタリアを、なかでもピエモンテをこよなく愛する堀江シェフ。基準になっているのは「イタリア人が食べた時においしいと思ってもらえるか」だとうかがったことがあります。9年間を過ごし、現地でシェフとして一ツ星を獲得した経験を持つだけに、イタリアに対して本当に真摯に向き合っておられるなといつも感じます。その根っこの部分は崩さずに守りつつ、奈良の地にあって、ランチは開店以来毎日満席という繁盛ぶりを続けておられるのは立派です。
観光スポットは周囲に数えきれないほどありますが、休みの日は食材探しなどに駆け回り、ろくに奈良を観ていないとのこと。イタリアに対してと同様に、料理に対しても食材に対しても、真面目さは変わりません。
奈良木綿のどっしりとした暖簾をくぐり、格子戸を開けて一歩足を踏み入れると、そこには別世界が広がります。昼は四季折々の木々が自然な姿を見せる庭の風景を楽しみながら、夜は行灯の灯りに誘われて玄関へと向かうアプローチ。道路の喧騒からは想像できない静かな空間です。クリスマスシーズンにうかがった折には、大きな大きなもみの木が鎮座ましましていました。
●斎藤シェフ (プリズマ) =======================
斉藤シェフの、食材へのこだわり、いいものを見極める目(食材に限らず)は怖いくらいです。業者の方には、ダメなものはダメとはっきりと伝え、徹底的に品質を追求し(「喧嘩する」by斎藤シェフ)、お互いに緊張感を持ち続けることで、常に最高のものを入手できるというのがシェフのポリシー。人にも厳しいけれど、何より自分に厳しく、料理には本当に手がかかっていて、仕込みの仕事量は半端ではありません。
それでも、毎朝市場へ足を運び、営業後はピッカピカに厨房(&店舗)を磨かれています。「そんなことは当たり前」と涼しい(?)顔をされながら……。
ある日ディナーにうかがうと、大きなガラス窓が全面開け放たれていて、何とも心地よい空間が広がっていました。その日は小ぶりの雨だったのですが、かすかな雨音やら、濡れた植物の香りやら、蝋燭の炎のゆらめきやらがアンニュイな雰囲気を醸し出して…。そんなオープンエアになる季節もおすすめです。
投稿者 webmaster : 09:44
2011年07月26日
『イタリア料理 トラットリーアの定番料理』 編集担当者より♪
『イタリア料理 トラットリーアの定番料理』
著者:小林幸司
発行年月:2011年7月27日
判型:AB 頁数:184頁
延べ2年近くに及ぶ撮影・取材は、本当に楽しく、勉強になるものでした。
厨房でのシェフの一挙手一投足に、いちいち質問を投げかける編集者に、
小林シェフはイヤな顔一つせず、質問のさらに上をいくような細かさで、
納得の回答をしてくださいます。
「そんなことまでイチイチ聞くな」
「そのへんは適当に判断せよ」
「いつもそうしているから」といった言葉は、
シェフの口から一度も発せられませんでした。
作業や動きの一つ一つ、タイミングの一つ一つに、すべてきちんとした理由があり、
その積み重ねがあってこそこれだけのおいしさが生まれるのだということが、
シェフを見ているとよくわかります。
その結果生まれたのが本書です。
そして、撮影・取材前後のお楽しみは(時には真っ最中にも?)
下手なお笑い芸人よりもずっとずっとおもしろいシェフのトークでした。
撮影で食べさせていただいたお料理は、
もちろん、すべからくおいしいものだったのですが、
その中には「さすが小林シェフ!」とうなるほど、
思わず涙するほどおいしい絶品もいくつかありました。
以下、編集者の独断と偏見でいくつかご紹介しましょう。
◎カポナータ
そんじょそこらのカポナータと一番違うのは、圧倒的な味の凝縮感です。本書で紹介したのは、ナスやズッキーネ、ピーマンなどの野菜をオーブンで焼いて余分な水分を飛ばし、別に煮つめて用意したトマトソースと層にして重ね、蓋をしてオーブンで煮込む方法です。最後に蓋をはずして蒸し焼きにすることも大事なポイントで、残った水分が飛んで力強い味に仕上がるのと同時に、表面の一部がカラメル化することで甘みが増します。野菜の下処理は揚げたり炒めたりする方法もあり、そちらのほうが一般的ですが、ここではローストにしていますので、濃厚ながら、さっぱりした仕上がりになっています。少々時間はかかりますが、ほどよく冷やせば、夏の最高の前菜です。
◎スパゲッティ・カルボナーラ
牛乳や生クリームを使わず、卵だけで作る本来のカルボナーラです。とろっとした透明感のある卵のソースが、ねっとりと麺にまとわりついたおいしさは何とも言えません。火が入りすぎず、けっして生でもない、卵への最適な火入れが欠かせません。大切なのは素材の温度管理で、卵はもちろんのこと、卵と合わせるチーズ(パルミジャーノ、ペコリーノ)も、冷蔵庫から出したら必ず室温にもどしてから使います。そして卵液を合わせたボウルのほうに、炒めたグワンチャーレ(またはパンチェッタ)を加え混ぜ、さらにゆでたスパゲッティを加えて、手早く混ぜ合わせます。卵液を火にかけたり、火にかけたフライパンに(火は消していても)卵液を加えるのはNG。そうして盛りつけた後に、黒コショウを挽いて出来上がりです。「カルボナーラって卵のおいしさを味わう料理だったんだ」と改めて実感する一品です。
その他、ジェノヴァ・ペーストのリングイーネやブカティーニのアマトリチャーナ、
リボッリータ、イワシのベッカフィーク、ジャガイモのコントルノなどなど……、
挙げていくとキリがなさそうなので、あとは本書をじっくりご覧ください。
投稿者 webmaster : 11:43
2011年05月06日
これがまさに、決定書! 『新版 イタリア料理教本』 編集担当者より♪
『新版 イタリア料理教本』
著者:吉川敏明
発行年月:2011年5月11日
判型:B5 頁数:576頁
「イタリア料理教本」上下巻(上巻1999年初版刊行。下巻2000年初版刊行)を
上下巻合わせて1冊にまとめた本書。
最初は上下巻それぞれを、新版として出版するつもりでした。
ところが 2冊まとめては? という意見が多く、こういう形になりました。
すでにある2冊を合わせて1冊にするのですから、
すぐにできるのでは?
とまわりも担当者も思っていたのですが、甘かった。。。
用語の統一、発音の表記の統一、引用頁の修正、索引作り等。
作業量は思った以上に多く、しかも校正となるとこの頁数ですから、
なかなか読み終わるものではありません。
著者にももちろん通して読んでいただき、訂正を加えていただきました。
特にイタリア語の発音表記はもう一度すべて見直し、
より近いものに改めています。
投稿者 webmaster : 09:49
2011年04月19日
20州の地方料理を背景とともに通観できる! 『イタリアの地方料理』 編集担当者より♪
『イタリアの地方料理』
柴田書店編
発行年月:2011年4月5日
判型:B5変 頁数:432頁
今年はイタリア統一150周年の記念すべき年です。
え? そんなに短いわけないでしょ、と思われる方も多いかと思いますが、イタリア半島ではいくつもの都市国家が分裂している時代が長く続いていて、いわゆるイタリアという統一国家は存在しなかったのです。それが、サヴォイア家が統治するサルデーニャ王国を中心に統一され、イタリア王国が誕生したのが1861年3月17日(現在のイタリア共和国が誕生したのは1946年)。
今からわずか150年前のことなんですね。
イタリア本国では150周年を祝して、いろいろな祝賀行事、記念行事などが計画されているようです。
また日本でも、NHKのBSハイビジョンでは年始早々、イタリア関連番組が100本以上集中放送されました。今年は何といっても「イタリア!」なのです。
というわけで、本題へ。
本書は、2005年に刊行したムック版「イタリア地方料理の探究」に、大幅に追加撮影・取材をし、加筆して再構成したものです。単行本にするにあたっては、【料理篇】担当として新しいシェフにも加わっていただき、料理も一から見直しました。
「この州で代表的な伝統料理というとどんなものがありますか?」
「この地で修業時代にどんな料理を出されていましたか?」
「現地で印象に残った料理は?」そういうやりとりから始まって、
「それは別の州でも登場していますね」
「プリモ・ピアットに特徴のある州ですからプリモをもっと多くしましょうか」
「よりはずせないのはどちらの料理でしょう」などなど無理なご相談を重ね、シェフの方々のご協力のおかげで、20州を代表する料理を計280品ほどに絞り込むことができました。
絞り込むと、と言葉で言うのは簡単ですが、これは実に大変な作業でした。
あれも載せたい、これも捨てがたいと、候補に挙がった料理は倍近くあったと思います。
2州、3州で重なっている料理もあり(それはそうでしょう)、似通っている料理となれば数知れず(ごもっとも)、いまや全国的につくられている料理もある(イタリアだって変わっているんです)。この料理をこの州に入れる、そうなると素材が重ならないようにこっちの州にはこの料理を入れて、そうすると調理法が重なってしまうからこちらの州の料理をこれに変えて……と。限られた紙幅で、各州の特徴がより明確に伝わるように、なおかつできるだけバラエティに富んだ料理を紹介しようと思うと、それはもう、複雑きわまりないパズリング状態です。
そして選びに選んだつもりでも、いざ並べてみると、あれも足りない、これも抜けてる、こちらのほうがよかったのでは……とキリがありません。でもそんなことは端からわかっていたことです。イタリアの地方料理を280品やそこらで説明できるわけがありませんから。さらにあるシェフのお言葉を借りれば、「イタリアの地方料理を20州で区切ること自体、とても乱暴なことだと思いますよ」。確かに。本書では便宜上、現在のイタリアの行政区分である20州に分けていますが、州境に万里の長城のような壁が築かれているわけでもなく、線が引いてあるわけでもありません。たとえ州は違っても、お隣りどうし、同じようなものを食べているはずです。
そんな言い訳をしながらの編集作業。【知識篇】では、さらなる苦闘が私たちを待ち受けていました。432頁という頁数からして覚悟はしていたのですが、思った以上に時間がかかってしまったのは言うまでもありません。そして長い長い道のりを経てようやく責了し、すべて手を放したまさにその日、東日本大震災がありました。
いろいろな意味で忘れられない本になりました。
ちなみに、カバーは、版画家として世界的に知られる長谷川潔氏の初期の作品で、世界遺産にも登録されているアッシジのサンタ・キヤラ古寺(サンタ・キアーラ聖堂とも)を描いたもの。
そしてカバーをはずすとまったく違ったテイストの本になり、本棚に立てた時、机の上に無造作に置いた時、むしろイタリアっぽい感じがするかもしれません(というか、ちょっとそれを狙いました!)。いずれにしても、ペラペラとめくりながら、メモ書きなど加えながら、ご自身のノートとして使い込んでほしい本です。
投稿者 webmaster : 10:52
2010年12月17日
登場する野菜は190種以上!!
「野菜のチカラ」編集担当者より♪
『イタリア料理 野菜のチカラ』
柴田書店編
発行年月:2010年12月16日
判型:B5変 頁数:232頁
料理の話に入る前に、まずは野菜の話。
それがいつもの取材の流れ。
「○△さんの畑で今朝採ってきたんだよ」
「スタッフの親父さんが裏山で採って送ってくれた」と、
どのシェフも野菜について語り出したら止まりません。
突然、送られてきたばかりの野菜を手にとり、
土をぱっぱと払い落として口に運び、
「んー うまいね」と感慨にひたるシェフも。
野菜をおいしい料理に変えるには、野菜に対する愛情、
そして産地や生産者への感謝を忘れない姿勢が何より重要である、
そう教えてくれた気がします。
本書は、そんな野菜に“ハマる”きっかけになること受け合いです。
野菜料理はブームで終わりません!!
野菜のポテンシャルをぐっと引き出した料理の数々に、
野菜料理のさらなる可能性を感じていただけるはずです。
投稿者 webmaster : 09:44
2010年07月12日
"ひとつとして同じ表情のピッツァはない" 担当編集者より♪
『ピッツァ』
柴田書店編
発行年月:2010年7月17日
判型:B5 頁数:92頁
ピッツァって“(テンションが)上がる”メニューですよね。
一人でもくもくと口に運ぶ絵は浮かびにくいですし、
ましてやピッツァを片手に深刻な話をするお客も想像しにくい。
シズル感たっぷり、ボリューム満点の一枚がどんとサーブされれば、
顔はほころび、「おぉ」っと声があがるはず。
楽しく賑やかな食のシーンを演出する力が、
ピッツァにはあるように思えてなりません。
「ひとつとして同じ表情のピッツァはない」、
それがピッツァの魅力のひとつだと思います。
『ピッツァ プロが教えるテクニック』では、
人気店のマルゲリータ11品をずらっと紹介していますが、
同じようなトッピング内容でも、仕上がりの違いは一目瞭然。
つくり手のポリシーがそれぞれ固有の姿を生むのです。
もっと掘り下げれば、同一店の同一メニューであっても、
コルニチョーネ(縁)の膨らみ方、焦げ目の付き方、トッピングの配置など、
一枚一枚の表情は微妙に違います。
「サーブされたピッツァとの出会いは、まさに一期一会」、
そんな感慨に浸るのはピッツァ中毒の私だけかもしれませんが……。
もうひとつ、極端に言えば「なんでもあり」と表現できるほど
メニュー設計の自由度が高いのもピッツァの魅力。
本書に収録したユニークな一品をいくつか紹介しましょう。
◎ 『さんまのピッツァマリナーラ』
秋の定番和食を彷彿とさせる、
さんまのマリネ、大根おろし、
すだちの組合せ。
◎ 『ネロビアンコ』
いか墨を用いた一品。
真っ黒なビジュアルと、
いか墨とにんにくの力強い香りで
インパクト大。
◎ 『いちごのデザートピッツァ』
ヨーグルトとはちみつをベースに、
いちごをたっぷりとトッピングした一枚。
奇をてらったメニューのように思うかもしれませんが、これが本当に「あり」なんです。
ピッツァのルーツはイタリアといわれています。
しかし、日本で活躍するピッツァイオーロ(職人)の熱い想いや創意工夫により、
日本のピッツァ文化はいま独自の成長を遂げつつあると感じています。
投稿者 webmaster : 18:24
2010年03月11日
イタリア料理の野菜づかい丸わかり!!
担当編集者より♪
『野菜のイタリア料理』
別冊専門料理
発行年月:2010年3月23日
判型:A4変 頁数:206頁
イタリアにはチコリ系統の野菜がたくさんあるってご存知ですか?
チコリとは似ても似つかぬ形があったり、
生で食べるもの、加熱して食べるものといろいろなのですが、
どれにも共通するのが「かすかな苦み」と「シャキッとした歯切れのよさ」。
きっとこれ、イタリア人の好きな味と食感なのでしょうね。
◎アンディーヴ
いわゆるベルギーチコリ。
サラダやグリル、
グラタンなどに使われる。
◎エンダイヴ
チコリア・リッチャ
(ちぢれチコリ)の名もある
サラダ菜。
◎スカローラ
葉はエンダイヴより幅広く、
ゆるりとちぢれている。
シャキシャキとした歯ごたえ。
◎カタローニャ
イタリア全土にあるが、
タイプはいろいろ。
◎プンタレッラ
カタローニャの1種。
若い花茎(とう)を
生で食べるタイプ。
日本では、
イタリアからの輸入もののほか、
宮城県産なども流通している。
ミラノとプーリアのトラットリーア取材では、
そうした“現地風味”を感じつつ、
家庭風シンプル料理のあまりの美味にノックアウトされました。
調理はびっくりするほど単純なのに、
野菜の味がイキイキしていて深いんです。
一見クタクタにゆでただけ、のようで、それだけではない。
油の使い方や火力やゆで加減に絶対にこうあらねば、
という「核」があるようです。
野菜料理と言ってもけっして軽くなく、
しっかりと食べ応えがあるというのも印象的でした。
このルポルタージュを本書の巻頭に掲載しています。
投稿者 webmaster : 13:41