食とフードビジネスの未来を創る[フード・ラボ] by 柴田書店



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ベッカライ・ビオブロートのパン

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オーガニック&全粒粉100%のパン作り
発行年月
2014年9月1日
判型
四六変
頁数
288頁
著者
松崎 太 著
定価
2,200円(税込) 在庫あり
ISBN
978-4-388-06194-5


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毎日パンを作る、ということ。
ひとつのことを深く追求する、そんな生き方をしたかった。

「ベッカライ・ビオブロート」は、兵庫・芦屋の住宅地にある小さなパン屋さん。ドイツで修業を積み、国家資格である製パンマイスター資格を取得した松崎太さんが2004年3月に開いたお店です。店に並ぶパンは全部で18種類ほど、食パンを除いてすべて全粒粉100%のパンで、その粉は毎日、翌日仕込むぶんだけ石臼で挽いている──そんな独自の店を営む著者が、どのようにしてパンの道に入り、ドイツでマイスターとなり、自分の店を開いたのか__。

本書は、「自分の目の届く範囲でパンを作りたい」と、開業以来、一人ですべてのパンを作ることにこだわり、材料や製法はもちろん、労働環境や時間にも目を向けて追求する著者が、「自分の経験が役立つなら、パン職人やパン作りについての考え方を、若い人たちにも伝えたい」と書き下ろした一冊です。
パンの世界に入るまでの葛藤やドイツでの修業時代の話、全粒粉パンにたどりついた背景や、材料や製法などに関する試行錯誤、仕事への向き合い方などがじっくり綴られています。

第1章は「修業時代」。
パン職人を志し、1997年にドイツに渡ってからの出来事が書かれています。松崎さんがドイツへ渡ったのは、パン職人の最高権威である「製パンマイスター」の資格を取得するため。それを目指すことが、パン作りの基礎を学び、技術を習得することにつながると考えたのです。
しかし、ドイツで研鑽を積むなかで、その考えに変化が表れます。自分が作りたいパンとは何なのか、それを追求していくためには、マイスター資格よりも、さらに大切なものがあるのではないか、と。
臨場感あふれる文章から、一人のあるパン職人としての在り方、ベッカライ・ビオブロートというパン屋が生まれた背景が読み取れます。

ベッカライ・ビオブロートのパン(見本)

ベッカライ・ビオブロートのパン(見本)

第2章は「ベッカライ・ビオブロートのパン」。
松崎さんのパン作りに対する考え方やパンの製法そのものが、じっくり解説されています。
松崎さんが目指すのは、毎日の食卓でも親しまれるような「小麦の風味が香る、洗練された味わいのフォルコンブロート(全粒粉100%のパン)」を作ること。その原点となっているのが、ひと昔前のドイツ──1900年から1950年代に行われていたであろう、伝統的な製法でした。突き詰めれば現代に通じることでも、古い文献を読み込み、学校や修業先での経験と重ねながら「品質の高いパン」を追求してきたことが、現在のビオブロートのパンにつながっています。
ビオブロートのパンを食べれば、「硬い」「酸っぱい」といった、全粒粉のパンやドイツパンのイメージが払拭されるはず。そして、この味がどのようにして生まれるのか知りたくなるパンの作り手にとっても、満足のできる内容が詰まっています。

なお、文中には「Memo」という形で、製パンの専門用語やドイツでのエピソードなどを盛り込んでいます。本文をより理解しやすく、楽しめるように添えてもらいました。

ベッカライ・ビオブロートのパン(見本)

ベッカライ・ビオブロートのパン(見本)

[担当編集者より]
著者の松崎太さんは1972年生まれ。大学卒業後にいったん一般企業に就職しますが、「ひとつを深く掘り下げる仕事がしたい」とパン職人への転向を決意し、その道を究める手段としてドイツに渡ります。なにごとも突き詰めないと気が済まない松崎さん。ドイツで全粒粉のパンにたどりつき、また、「パン職人=長時間労働」ではない働き方を探る中で「アーベントタイク」という手法に出会います。そして帰国後、自分の店を開き、独自のパンをさらに追求していく……その具体的な試行錯誤を、著者自身がストレートに綴ったのが本書です。

執筆をお願いしてから、日課である読書の時間(松崎さんはかなりの読書家です)を原稿書きにあて、iPadにコツコツと書き溜めてもらいました。当初の予定よりずっと分量が増え、288ページのボリュームになりました。実際には倍くらいの原稿を書いたのではないでしょうか。「まるで私小説のようだ」とは、本書のデザインをお願いした寄藤文平さんの弁。パンの本ではありますが、仕事や生き方の本としても読んでもらえる、そんな一冊に仕上がりました。

職業選択に関わる葛藤から、ドイツ修業時代の苦労話、品質の高い(おいしい)パン作りを追求し続ける真摯なパン職人のモノローグは、パンの世界に関わる人はもちろん、誰もが楽しめる1冊になっています。

◎松崎 太(まつざき・ふとし)
1972年佐賀県生まれ。
1996年よりパン職人になることを目指し、修業を始める。1997年にドイツへ渡り、2000年パン職人(ゲゼレ)資格、2001年ヴァインハイム国立製パン学校卒業と同時に製パンマイスター資格を取得。2004年9月帰国、翌年3月に「ベッカライ・ビオブロート」を開業。

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