温泉地として有名な湯河原に、平日でも連日行列ができる大繁盛ベーカリーがあります。
それが「ブレッド&サーカス」。1996年に喫茶店として開業。自家製のパンが評判を呼び、2年後にはベーカリーに転業。以来、全国からおいしいパンを求めて多くのお客さんが集います。
人気の秘密は、粉からおこした自家製天然酵母を使ってつくる生地の味わい深さ。この店でしか買えない唯一無二の味わいは、一度食べたら忘れられないおいしさです。
本書では、店に並ぶほとんどのパンに使っている自家製天然酵母のおこしかた、管理のしかたを詳細に公開。店頭で人気のパン41品、焼き菓子9品の計50レシピを収録しました。
また、それぞれの商品が生まれたいきさつ、発想の原点、どのようにしてレシピをブラッシュアップしていったか、おいしい食べ方など、人気店の味づくりを、レシピの奥に隠されたストーリーごとお伝えします。
※本書は『cafe-sweets(カフェ-スイーツ)』73号から84号の連載「ブレッド&サーカスの大きな天然酵母パン」の一部を加筆修正の上、再収録し、大幅に新規取材・撮影を加えたものです。
レシピの難易度:★★★
味づくりの要である自家製天然酵母。
おこし方、管理のポイントを10ページかけてじっくりとお伝えします。
パンのおいしさがぐっとせまってくる迫力ある写真を大きく使っています。また、店主、寺本ご夫妻がそれぞれのパンに抱いている思い、味わいの組み立て方、ブラッシュアップの歴史、思い出などをたっぷりとお読みいただける構成としました。
レシピは工程表にして簡潔にまとめ、各工程の作業のポイントや生地の状態の目安などを補足で入れています。
また、プロセス写真はあえて大きさを統一せず、必要に応じて大小取り混ぜて配置しています。
たとえば、ミキシング後や発酵後などの写真は状態がしっかりと見えるように大きく使い、一方、成形などの手順を細かく知りたい部分は、カット数を多くし、横一列に並べています。
◆BREAD&CIRCUS ブレッド&サーカス
1996年に手づくりパンとコーヒーを出す喫茶店としてオープン。パンのおいしさが評判を呼び、テイクアウトするお客が増えたため、98年ベーカリーに転業。
アメリカ、ドイツ、ウクライナ、ユダヤ、北欧など、さまざまな国にルーツを持つパンや、独自の発想で生み出されたパンが、常時40―50種類ほど並ぶ。
国内外の専門書や雑誌を読み、研究を重ねることで築き上げられたその製パンスタイルは独特。
この店でしか出会えない大きくて味わい深いパンは全国に数多くのファンを持ち、平日でも常に行列がたえない。
- [担当編集者より]
- 店主の寺本五郎さん、康子さんは洋書を含むさまざまな文献を読みときながら、独学でパンづくりを学ばれました。
本書では、そうしてひとつひとつ試行錯誤しながら積み上げてきたパンづくりのノウハウを惜しみなく公開してくださっています。序文には康子さんのこんな言葉があります。
「ブレッド&サーカスをはじめた頃は、師がいないがために、わからないことや迷うことを自分で解決するしかありませんでした。(中略)師がいてくれたら、あるいは教則本があってくれたら、どんなによいだろうと何度も思いました。」
そんな思いでつくられた本です。20年にわたる貴重な試行錯誤の結果が詰まっています。自店のパンをよりおいしく味わい深いものにするためのヒントがここにあります。
*編集部だよりは、こちら
◎寺本五郎(てらもと・ごろう)
1938年大分県生まれ。建築家として活躍していた60歳のときに体調を崩し、湯河原の隣町、真鶴にて転地療養。体調が落ち着いてからはリハビリを兼ねてパンをつくりはじめる。やがて、妻・康子さんが開業したブレッド&サーカスのパンづくりを手伝うようになり、天然酵母のパンづくりにのめり込む。
◎寺本康子(てらもと・やすこ)
1958年、外来の文化息づく横浜に生まれ、横浜で育つ。夫・五郎さんの病気を機に、真鶴へ転居。96年に喫茶店「ブレッド&サーカス」を湯河原で開業。店で焼くパンが評判となり、98年に改装し、ベーカリーに転業。以来、五郎さんとともにおいしいパンづくりを追求し続けている。
[目次PDFを見る]
関連商品
定価2,420円(税込) |
定価1,760円(税込) |
定価2,200円(税込) |
定価1,980円(税込) |
定価5,060円(税込) |
定価3,740円(税込) |
定価4,400円(税込) |
定価2,640円(税込) |