巷にあふれる簡単・カジュアル指向のパスタ本とは一線を画した、本格的な生パスタ上級書。
0.1mmの厚みの差が微妙に食感に影響するラヴィオリ、成型時のちょっとした工夫が食感やソースとのからみを大きく変える蝶型パスタ、ソースに合わせてそのつど生地の配合を変えるスパゲッティ等々--パスタをこよなく愛し、おいしさを日々追求する著者が、そのテクニックとアイデアを余すところなく披露。
生地作りから成型、仕上げまで、50品の生パスタをプロセス写真入りで詳しく解説します。料理はシンプルな定番メニューからあっと驚くような遊び心あふれる一品、さらにはパスタだけのコース料理(四季20品)まで。
生パスタの基本技術と高度な応用テクニックが1冊に網羅されています。
見開き2ページで1品のパスタ料理を解説。基本的にパスタの成型とパスタのできあがり写真を左頁に、そしてそのパスタを料理に仕上げる工程と料理のできあがり写真を右頁に配していますので、見やすく、わかりやすい構成となっています。
さらに、本書を参考にパスタだけを作って別の料理に仕上げたり、逆に別のパスタを本書で紹介した料理に仕上げたりと、自分なりに応用する際にも使いやすい構成です。
また、左頁に並ぶ50種の生パスタのアップ写真からは、それぞれの質感までもが生き生きと伝わってきて、生地作りや成型のポイントも一目瞭然。その表情を見ているだけでも楽しく、創作意欲が大いに刺激されること間違いなしです。
大きく3つの章立てで構成。
[1] 生地作り/本書で紹介した生パスタの生地をA・B・C・Dの4つのグループに分け、それぞれの特徴と作り方、応用事例などをわかりやすく解説。生地ののばし方やパスタの保存方法も。
[2] パスタ料理のスペシャリテ/ロングパスタ15品、ショートパスタ11品、詰めものパスタ16品に、定番ソースを使った事例8例を加え、計50品のパスタ料理を紹介。
[3] パスタだけのコース料理/アンティパスト、プリモ・ピアット2品、セコンド・ピアット、デザートの5品のコースをすべてパスタ料理で構成。春夏秋冬、計20品のパスタ料理を紹介。巻末には本書で紹介したパスタがひと目でわかるイラスト入りのプロフィール表。締めくくりは著者自身が語る「パスタ考」。
生パスタに一から取り組んでみたい、もっと生パスタを極めたい、これまでのパスタ本では飽き足りない、そんな思いを持った読者諸氏には特におすすめです。最初から最後まで貫かれているのは、本当においしい生パスタを作るには何が大切かということ。
基本技術はもとより、たとえば生地にもっと弾力を持たせるにはどうしたらいいのか、弾力の強いパスタにはどういうソースを合わせればいいのかといった、パスタ料理を作る上での応用力を身につけることができる点が本書の大きな特長。
目からウロコのコツや、思いもよらない斬新な発想も満載。類書のない生パスタ専門書です。