最近は、「フランス料理が重いのはソースをたっぷりかけるから」「素材を生かすためにソースは不要」などと疎まれることも多いソースですが、ソースはフランス料理の基礎であり、重要な存在であることは変わりません。本書はこのソースに注目し、1冊にまとめました。
ソースは、ヴィネグレット(ドレッシング)やマヨネーズなどの冷製ソースから、オランデーズやブール・ブラン、ソース・ボルドレーズなどの温製ソース、ソース・アングレーズなどのデザート用ソースまで185アイテムを掲載。
また、これらソースのベースとなるフォンやジュ(だし類)も40種類取り上げました。料理が多様化する現代だからこそ押さえておきたい、ソースのすべてが詰まった1冊です。
基本的に、1ソースを1ページで紹介しています (一部1ページに2ソースの場合あり)。
主な要素は、
(1) ソース名(フランス語・日本語)
(2) ソースの特徴について
(3) 材料表
(4) 作り方
(5) 用途・保存
そしてソースの完成写真と、実際に皿に流した様子の写真を掲載しています。流すことで見えてくる濃度や色合い、質感などを参考にしていただければと思います。
また、マヨネーズやソース・オランデーズ、ソース・ボルドレーズなどの基本的なソースは、プロセス写真付きで紹介しています。
●フォンとジュ
・フォンとジュの基礎知識 ── 「フォンとは」「ジュとは」、フォンとジュを仕込む(材料について[ガラや骨、ミルポワ、その他の材料]、焼き色をつける、スュエする、デグレッセする、デグラッセする、アクを引く、煮出す、漉す、粗熱をとる、保存する)
・フォン、フュメ、ジュの紹介 (40アイテム)
●ソース
・ソースの基礎知識 ── 「ソースとは」、本書でのソースの分類について、ソースの材料について、ソースを仕立てる (煮詰める、漉す、つなぐ、焼き汁をベースにソースを仕立てる、ソースの流し方)
・ソースの紹介 (185アイテム)
また、フォンやソースの使用例として28品の料理も掲載しています。
そこで本書では、フランス料理のベーシックなソースを中心に、前菜、魚料理、肉料理、デザートと幅広い料理に応用できるもの185種類と、だし類 (フォンとジュ) 40種類をラインアップしました。とくに、今ではあまり作られないものの、料理人として知っておきたいソース・ベシャメルやソース・エスパニョルなども「クラシックなソース」として積極的に掲載しています。
若い料理人がソースを学ぶ時に、また、中堅がメニューを考えるにあたってソースのヒントがほしい時に、手にとっていただきたい1冊です。