※2024年9月に価格改定を行いました
盛り付けというものは、最終的には、人それぞれが持ち合わせる感性や創意工夫によってなされるものですが、日本の食文化の中で長きに渡って培われた食事形式や様式をなおざりにしてはいけません。まずは盛り付けの基礎である形や型、姿をマスターすることが大切です。
本書はそのために必要な器の知識と様々な料理の盛り付け方を解説したもの。カラー写真をふんだんに使い、初心者にもわかりやすく構成しています。
著者は、テレビなどでもお馴染みの辻調理師専門学校の畑耕一郎先生です。端整に、そしておいしそうに見える料理とそうでない料理とでは、どこがどのように違うのか。本書をご覧いただけば、それがおわかりいただけることと思います。
器の説明、そして盛り付け方の解説に写真は重要な役割を果たします。
本書でも写真を効果的に使い、できるだけわかりやすいよう心がけました。焼き物や漆器は産地や手法別に。様々な種類の箸やかいしきも、すべて写真を添えて紹介しています。
また、文章だけではイメージしづらい盛り付けの手順も、プロセス写真があることで、盛り付ける位置、向き、高さなど、細かな部分が一目で確認できます。
表紙カバーは白地に文字を配したシンプルなデザイン。「器」の文字の下に敷いた黒丸と、「盛」の文字の下に敷いた朱色の四角が折敷を思わせます。
「器の基礎知識」では、焼き物、漆器を産地や手法、形態別に写真を添えてご紹介。その他木工芸、竹工芸、ガラス器、金属工芸、かいしき、箸などもすべて写真つきで紹介しています。
「盛り付けの基礎知識」では、七つの基本の盛り方をはじめ、余白の取り方、直線と曲線、取りやすく食べやすい盛り付け、数、温度と器、彩りなど盛り付けに必要な知識の解説に続き、実際の盛り付け方を、プロセス写真を添えて丁寧に説明しています。
「月別の料理を盛り付ける」では、1月から12月までの月ごとのしつらえをご紹介。季節感ある料理と器使いが参考になるでしょう。
本書に登場する料理は、すべてレシピ付きです。つまり器と盛り付けの本であると同時に、日本料理の料理書でもあるわけです。季節ごとの単品料理はもちろん、正月や端午の節句の会席など、行事に合わせたコース料理は、おもてなしの際にもお役立ていただけるでしょう。