ホームベーカリーの愛用者が急増しています。
「材料をセットしておけば、翌朝焼きたてが食べられる」という手軽さはもちろん、機器の改良が進んで全粒粉や天然酵母を使ったパンも作れるようになり、「安全な材料を使いたい」「オリジナルのパンを焼きたい」という手作り派に高く支持されています。
一方、「ブランジュリ タケウチ」は大阪で驚異的な人気を誇るパン屋さん。オーナーシェフの竹内久典さんはオリジナリティあふれるパン作りで知られています。その竹内シェフがホームベーカリーに興味を抱き、でき上がったのがこの本。
ホームベーカリーで焼くパン20種類と、それらのパンで作るサンドイッチなどのパンメニュー25種類を掲載しました。
お店のバイトスタッフがホームベーカリーでパンを焼いていると聞き、食パンのレシピと材料を渡して焼いてもらった──これが、竹内シェフがホームベーカリーに興味を持ったきっかけです。想像以上の出来に驚き、一気に興味を持った竹内シェフ。試作を重ねる中で機器の傾向を把握すると、お店で使っている国産小麦でも、バターたっぷりのブリオッシュでもきれいに焼けることが判明。「配合さえホームベーカリー用に調整すれば、お店に近い味も再現できる」と確信したそうです。
本書では、そうしてイチから作ったレシピを一挙公開。レシピ通りに材料を計量してセットするだけで、ちょっと驚くレベルのパンが家でも食べられます。
シンプルな「ハードトースト」や「白ごまと全粒粉のパン」から、タケウチ名物の「3種レーズン」、デザートにもなる「ブリオッシュ」から「ショコラ・バナーヌ」までバラエティ豊かなパンが20種類。
ほかにサンドイッチやクロックムッシュ、フルーツを使ったトーストなどのパンメニューも25品収録しました。
「ブランジュリ タケウチ」に行ったことがある人なら、パンだけでなくお店の内装やパンを並べるトレイやカゴのセンスのよさをご存じでしょう。
本書でも、スタイリングは竹内シェフみずから手がけました。
また、本の前半の「ホームベーカリーでパンを焼く」は大阪・旭区にある注目の家具店「TRUCK(トラック)」で撮影。テーブルや食器、クロスは「TRUCK」の黄瀬さん、唐津さんご夫妻愛用の品をお借りし、本のコンセプトでもある「おうちで朝、焼きたてのパンを食べる」という雰囲気が出るように心がけました。
でも本書のパンは、ミキシング(練り)から焼成まですべてホームベーカリーまかせ。一番シンプルな「食パンコース」だけを使います。というのも、竹内シェフが考えるホームベーカリーの魅力は「材料の計量さえすれば、あとは焼き上がるのを待つだけ」。
その長所はそのままに、とびきりおいしいレシピを……と「ホームベーカリーの特性を踏まえた、プロならではの絶妙な配合」を考案してくれました。難しい作業は一切ありません。
レシピの中にはちょっと中途半端な分量もありますが、それはちゃんと理由あってのもの。まずはその通りに一度作ってみてください。竹内シェフと同じパンを家でも焼くことができます。
なお、本書のレシピでは「ブランジュリ タケウチ」と同様に国産の粉を使用しています。素材に気を遣う人にもおすすめです。
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