日本料理で欠かせない大切なだしと調味料。
本書では、このだしと調味料を使ってつくる、各種だしや味つけの要となる調味だし、焼だれ、煮汁、合せ酢、和え衣、ソースやあんなどを合計386種類紹介します。昔から受け継がれてきた定番の味と、そこから進化した「分とく山」ならではの新しい味が登場します。
本書の特徴は1ページに1から2種類のたれで構成し、必要な内容を分かりやすくコンパクトにまとめているところです。
まず、イメージしやすいように、だしやたれの写真を載せました。すぐとなりに材料と分量、つくり方、用途・適した材料を解説しています。また、これを使ってつくった料理つきのページも100以上あります。
つい忘れがちなだしと調味料の配合が手軽に引ける、ハンディサイズの味つけ事典の決定版です。
大きく7章に分けています。
第1章は基本調味料について。
塩、醤油、砂糖、酒・味醂、酢といった主要調味料について、日本料理における味つけ以外のはたらきや特徴を、料理人という視点から実用的に解説してくれます。
第2章はだし。
基本の一番だしや二番だしをはじめ、魚介や肉でとるだしやスープなど、料理のベースとなるだしを紹介します。またこれらを使ってつくる八方だしに代表される調味だし、炊き込みご飯の炊き地、麺つゆ、鍋だしなどを収録しました。
第3章は合せ調味料。
合せ酢や合せ味噌、つけ醤油やつけ塩など、核となる調味料に、さまざまな材料を加えてつくりました。
第4章は和え衣。
定番の白和え衣や胡麻和え衣のほかに、木の芽や菊花など季節の素材を使った和え衣を紹介。たかが和え物と思うなかれ、目からウロコの新しい味にも出会えます。
第5章はあん・ソース。
あんといえば、銀あんやべっこうあんといったところが定番でしが、最近素材を生かすという観点から、和えるのではなく料理にかけて供するあんやソースはとても便利に使われるようになりました。冷たいあんと温かいあんのほか、焼物にのせるあん、デザート用の甘いソースも収録しました。ピリ辛調味料をつかったり、チーズを使ったり、はたまたゼリー状に固めたり・・・。使い方次第で料理の幅がぐっと広がります。
第6章はたれ・漬地・煮汁。
焼物用のたれや、生魚を漬け込むのに用いる地、鯖の味噌煮などの代表的な魚介類や野菜などの煮汁の配合などが網羅されています。
第7章は揚げ衣・その他。
だしやたれではないけれど、知っておきたい配合、あると便利なパーツの割合などが一目でわかります。
実際の色と質感を再現した写真がすべてついています。不思議なもので、文章で理解するだけでなく、目で見て状態を確認すると、つくる料理がイメージしやすくなり、応用する料理の幅がぐっと広がるのです。
また、該当するだしやたれの調理工程別にアイコンを添えました。加熱なしに混ぜ合わせてつくるものには、すり鉢ですり混ぜるものには、火にかける、あるいは加熱してつくるものには、フードプロセッサーにかけてつくるものにはをつけました。
必要な情報だけを、できるだけ使いやすくまとめてみました。
種類が多いということもウリです。たとえば同じ食材や料理でも、上からかけるあんやソースを変えるだけで、まったく趣の違う料理に生まれ変わります。ですから種類が多いということは、それだけアレンジの幅も広がるということです。またたとえば“和え衣”の項で紹介したものをあんに使うことだってできます。
みなさんに末永く便利に愛用していただけるように、頑丈なビニール表紙にしました。開きやすいだけでなく、水濡れにも強く、耐久性も高いのが特徴です。お手元に1冊置いて、自分のレシピを書き込むなどして活用ください。
*編集部だよりは、こちら