「プロのためのわかりやすい中国料理」(1998年刊行)が、新版として生まれ変わりました。
本書の特徴は、中国料理の代表的な調理法を解説し、広東料理のほか、四川、上海などの地方料理を散りばめているところ。調理法、レシピを中心にした技術書ではありますが、食材、調味料などの知識を得るための参考書、食文化を学ぶための概論など、様々な観点からも中国料理が学べるようになっています。
今回新たに、それぞれの料理の特徴、料理名の由来などの解説を加筆し、また食材の解説その他にも部分的な訂正を加えたことにより、より詳細に、かつ現状に即した内容となりました。中国料理を基礎から学びたい方、極めたい方必携の書です。
構成は旧版そのままです。まず最初に料理写真、および食材、切り方、むき花の作り方などの写真を掲載したカラー頁。続いて中国料理の概要、地方料理の特徴、調理器具、食材解説をまとめた基礎知識の頁。そして、料理の種類別に詳しい解説と、それぞれの料理のレシピをまとめた頁と続きます。レシピは料理名、解説と材料、作り方、プロセス写真を罫線で区切った使いやすい作りです。
食材について調べたい、中国料理全体について知識を得たい、そして料理の仕上がり、作り方を知りたい、作りたいと、目的に応じて必要な頁をお使いください。
新版になり大きく変わったのは、ハードカバーからソフトカバーになったこと。
頁数は同じですが、表紙が柔らかくなったことで、より手に取りやすく、使いやすくなりました。また、表紙カバーのデザインも、白をベースにした明るいものになりましたので、旧版とは印象がずいぶん違います。
たとえば「乾貝菊花鶏」の解説。「中国料理では、花の名前を形容した料理名が少なくない。例えば、菊花は材料に細かく切り目を入れたもの。桂花はキンモクセイのことで、その黄色の花から主に卵を使った料理を指す。芙蓉は白色を意味し、卵白を用いた料理を形容する」、といった具合です。料理がより身近に感じられるのではないでしょうか。
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