トーキョーバル――現代的に、日本的にアップデートされたバル・バール文化を本書ではそう呼びます。
いまバル・バールは、料理のジャンルが広がり、本場志向、アイデア料理、魚介料理専門などスタイルも多様化しています。トレンドの移り変わりが激しい東京、独特の食文化を有する京都や大阪を中心に、街のニーズに応えつつオンリーワンの店づくりを志向する流れが生じているのです。
スペインバルブームに続くニッポンのバル・バールの第二章、「トーキョーバル」の幕開けを象徴する百花繚乱な200品と個性あふれる20店の店づくりを紹介します。
◎「トーキョーバル ヒットメニュー200」
本書の主軸となるメニュー企画。「一口前菜、小皿料理」「野菜のつまみ」「パンのつまみ」「肉のつまみ」「肉、魚のメインディッシュ」「締めの米料理とパスタ」など、9章立てで計200品を収録したメニュー集です。
スペイン、イタリア、フランスなどさまざまなジャンルの人気店に、酒飲みにぴったりの逸品を紹介していただきました。ぱぱっとつくれるスピードメニューや、煮込みなどのつくりおきができる料理も満載です。
本書のもうひとつの見どころが、繁盛店の店づくりにフォーカスしたこの企画。わずか4坪のスタンディングオンリーの店、2フロアで50坪の一軒家、住宅地で地域密着をめざす個人店、都心の一等地で強烈な存在感を放つ外食企業の新機軸など、あらゆるタイプの店を取材。
空間デザインはもちろん、フードとワインの品揃えや価格設定、サービススタイルなど各店のコンセプトを解説。人気の秘訣を浮き彫りにします。
料理写真は、皿や器はもちろん、背景に見えるテーブルやクロス、演出に用いたシルバーやグラスもすべて取材店のものを使用しました。
バル・バールのスタイルが多様化しているいま、料理のアイデアはもちろん、そんなディテールにも各店のこだわりがあるからです。また、「トーキョーバル スタイル20選」では、空間をイメージしやすいように店内やインテリアの写真と平面図を併載。そんな店舗紹介企画をメニュー企画のところどころに挟み込み、“料理×空間”で生まれる賑やかで楽しいバル・バールの空気感を表現しました。
*編集部だよりは、こちら