ミザンプラス(mis en place)とは、物事をしかるべき状態にスタンバイしておく、ということ。料理においては「素材の下処理」を指します。
フランス料理というグローバルな料理体系においては、下処理といえども決まったメソッドがあります。たとえば「エシャロットのシズレ」は、切り方の手順も切り終えたときのサイズも決まっているし、「鶏のフィスレ(糸で縛る)」にも決まった方法があります。それぞれを正しく身につけることで、料理の精度と効率が高まるのです。また、どの国に行こうと、どの店に行こうと、自信をもって仕事をすることができます。
本書は、料理人が「常識」として身につけておくべき素材の下処理技術の教科書。フランス料理のキッチンでもっともよく使われている野菜、魚、肉素材を広くとりあげ、おいしさを生み出すために必要な「判断」と「扱い方」を、ていねいに解説します。
解説は素材ごとに。
5つのカテゴリー(野菜、魚介、肉、フォン、道具の使い方)から。
◆ “大きめ写真&たっぷりイラスト” で、ディテールまでわかりやすく
初歩的な作業解説だからこそ、写真とイラストをふんだんに使用。
写真では見えにくいディテールは、イラストでポイントを強調。「ポトフ用キャベツの葉がばらけないための糸の縛り方」「ブーケ・ガルニの縛り方」等々、なかなか目にすることのできないハウツーもきっちりとイラスト図解しています。
◆世界共通のフランス料理の「常識」を身につける
マニュアルとして大切なのは、この業界における「ことば」と「作業」を正しく結びつけること。
この1冊があれば、「玉ねぎのアッシェと玉ねぎのシズレはどう違う?」「さいの目にコンカッセと、コンカッセ・ド・トマトは別のもの?」・・・アイマイになりがちな知識や方法論もすっきり解決。
◆日本の包丁技術のメリットや、レストラン事情も加味
著者は、フランスのグランメゾン育ちの現役トップシェフ。
フランス事情に通じているのはもちろん、日本語は堪能で、日本の素材や現場事情にもくわしい。
日本のレストランで行なわれている作業のメリットを取り入れつつ、また、現代の日本のレストランの規模やメニュー内容も考慮した効率的作業を紹介しています。