最近スターバックスやらフランス人の営むパン屋さんなどで、棒つきのお菓子がちょっとだけお目見えしていたのに気づいていましたか? おっ、と目を引くスタイルです。
この本では、そのスタイルに着目した新しいお菓子を紹介します。
この本でいう‘シュセット Sucette’(正しい発音はスゥセットですが)とは、本来ペロペロキャンディのことです。フランスではいまも昔もコンフィズリー(糖菓)屋さんに行くと、あたりまえのようにいろいろな味や形のものが豊富に売られてきました。
いってみれば、子どものおやつです。
そんな棒つきスタイルをほかのお菓子にアレンジして新しい価値を加え、大人も楽しめる新しいお菓子をつくりたい。そう著者が考えてつくられたのがここに紹介するレシピです。
これらのお菓子は基本的にひと口サイズで、とてもかわいらしいのが特徴です。
ヴァレンタインやクリスマス、誕生日やパーティなどにも話題になりそうな形とデコレーションで、ちょっとマンネリ化していたお菓子屋さんの店頭に新しさ、ウキウキ感が加わります。
なぜ棒つきか。ナイフとフォークを用いることなく、しかも手を汚すこともなくもっと気軽に食べられるお菓子を提案したい。これが著者の最初の発想でした。
本来の飴は「しゃぶる」「なめる」「かじる」ですが、このスタイルをお菓子屋の4つのジャンル「パティスリー」「グラスリー(アイスクリーム)」「ショコラトリー」「コンフィズリー」に分けてご紹介しました。食感もおのずと変わってきます。
とにかく楽しいのです。ハートを鷲づかみのかわいさ。パーティにもぴったりでお菓子屋の新しい提案にもなりますし、ホテルやレストランなどのビュッフェにも最適です。
まずはこのかわいらしさをごらんください。
こういうかわいいお菓子は何が大切かというとスタイリングや撮り方です。
ユズ風味のパート・ド・フリュイ「デ・ユズ・エ・マンダリン」などは、ランダムな刺し方が決めてだったりします。
シュセット本来の飴も繊細にアレンジしていますが、真上から撮った「オレンジ風味のシュクル・ロック(金太郎飴)のシュセット」などは、日置武晴カメラマンのセンスが光ります。
そしてもちろん著者ブルーノシェフのデコレーションも独特で楽しいのです。
たとえばクマの形のマカロン「ウルサン」はピンクのマカロンにカシスのジャムとスミレ風味のガナッシュをはさみます。カシスとスミレはフランスでは相性がいいといわれる組合せですが、これがすこぶるおいしい!
とても簡単な「パンダ」でさえサクサクするガルニチュールを入れて食感のリズムをつくりました。また「デ・ユズ・エ・マンダリン」だって驚くほどいい香りです。
ぜひ、形だけではなくて、味の組合せにもご注目ください。
*編集部だよりは、こちら