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ドイツ菓子大全
定価 5,170円(税込) 在庫あり

発行年月 2012年9月1日
判型 B5
頁数 272頁
著者 柴田書店 編、安藤 明 技術監修
ISBN 978-4-388-06149-5
レシピの難易度 ★★★

ドイツ菓子の決定版となる製菓技術教本。基礎的な生地マッセとタイク、クレメを掲載。レシピは多彩な生地を味わうクーヘン9品、伝統のドイツ風トルテ27品、個性的な生地の菓子とシュトレン22品、菓子の王様バウムクーヘン10品、テーゲベック19品まで徹底解説。現地人気コンディトライ(菓子店)取材も併録しています。
ドイツ菓子はヨーロッパ古典菓子の流れを色濃く残す一方で、ショートケーキやチーズケーキなど日本の定番菓子の原点でもあります。日本人に親しみやすい、懐かしくも新しい魅力に迫ります。

ドイツ菓子はウイーン菓子やフランス菓子と同じルーツを持っています。ドイツはヨーロッパの歴史の中心地でさまざまな国が群雄割拠していた時代が長く、さまざまな菓子が残されています。フランス、スイス、オーストリア、オランダ、デンマークは隣国であり、イギリスとスペインは同じルーツをもつため、菓子も相互に強く影響しあってきました。

本書では「ドイツ菓子とは何か?」をひとつの基本テーマに展開。1冊を通して読むことで、ドイツ菓子、ヨーロッパ菓子というものの複雑な歴史に思いをはせることができます。

実はドイツ菓子は多彩な生地を味わえるお菓子です。プレーンな生地からナッツなどを用いるものまで種類が多く、トルテ(生ケーキ)の種類だけ生地もあるといわれるほど。生地が主役の半生菓子も種類がたくさんあります。
また「すごく甘い」というイメージがあるドイツ菓子ですが、意外にも本来は甘さは控えめで軽い味わいが特徴です。ドイツの生クリームは脂肪分が低いため口当たりが軽いうえに、泡立てる際には少量の砂糖を加えるか、まったく加えないこともあります。生地にシロップを打つこと(フランス菓子のアンビバージュ)はほとんどしません。
生地のうまみと軽いクリーム、果実の酸味やチョコレートの苦みなどの調和を楽しむのが、ドイツ菓子なのです。

ドイツのトルテは大きく、直径28センチ、30センチということもしばしば。しかし、全体に味が軽いため、その一切れでも意外にもぺろりと食べきれてしまいます。食べやすく、素材のよさを前面に出す味は日本人好みにも通じるものがあります。

ドイツ菓子大全(見本)

ドイツ菓子大全(見本)

ドイツ菓子の基本を踏まえたうえで、現代の日本人の厳しい味覚に合うおいしいレシピにまとめ、豊富な手順写真とともに解説しています。それぞれの菓子の特徴や歴史的エピソードも紹介。
また、バウムクーヘンの章は詳しく解説。ドイツではマイスター(親方)資格制度があり、製菓技術や衛生管理、経営学などを身につけてマイスター資格を取得しないと菓子店の親方になることが許されませんが、その最終試験はバウムクーヘンを焼く技術。監修者の安藤明マイスターはドイツの菓子職人からも世界随一のバウムクーヘン職人として尊敬される人であり、本書はすべてのドイツ菓子を志す方、バウムクーヘンを愛する方に贈る待望の1冊です。

ドイツ菓子大全(見本)

ドイツ菓子大全(見本)

ドイツ菓子大全(見本)

ドイツ菓子大全(見本)

◆担当編集者より
ドイツ菓子と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
重厚?質実剛健?甘ったるい?いえいえ、じつは、軽くて食べやすく、素材の味を楽しめる菓子、それがドイツ菓子なのです。チョコレートたっぷりのトルテにしても、重すぎるということはありません。生クリームもふわっとして軽やかです。
意表をつく組合せや彩りの派手さはありませんが、左右対称の均整のとれた飾りは美しく、安定した上質感があります。ドイツ菓子の技術書をつくるにあたり、写真やデザインは男性的な、端整な美学を表現することを心掛けました。
日本ではフランス菓子が広まっているだけに、ドイツ菓子の特徴を対比して捉えられると思いますが、遠く我が国で考える以上にヨーロッパ菓子の歴史は複雑で、昔もいまも、さまざまに影響しあっています。
本書はドイツ菓子教本ではありますが、どうか国境をあまり意識せず、ヨーロッパ菓子の源流のひとつとして、楽しく思いを馳せていただければ幸いです。

*編集部だよりは、こちら
著者紹介

◎安藤 明(あんどう・あきら)技術監修
1978年、ドイツ・ヴォルフェンヴュッテルにて製菓マイスター試験に合格。ドイツ他ヨーロッパ各地で修業し、日本では数々の商品開発に携わる。1991年にはフランスで開催される世界の菓子コンクール「第2回クープ・デュ・モンド」で日本チームメンバーとして優勝。兵庫県より「ひょうごの匠」、兵庫県技能顕功賞他多数受賞。厚生労働省「現代の名工(卓越した技能者)」。

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