43号で終刊した、別冊『日本料理の四季』の後を継ぐ形でスタートした新シリーズ。
日本料理の四季では月刊専門料理に一度掲載された日本料理記事を再録・編集していましたが、こちらは新規取材の強みを生かして、基礎に立ち帰った内容になっています。献立の各項目と基礎調味料という2本立ての構成で、第1号は「刺身」と「醤油」について取り上げます。
「刺身の章」では基礎として1種盛り、2種盛り、3種盛りの料理例と、応用として宴会用の演出や刺身替わりとして提供できる料理例を3名の料理人が披露。さらに刺身に欠かせない道具である包丁や、つまの作り方、刺身の引き方についても取り上げます。
「醤油の章」は醤油の製法や種類といった知識と、刺身に使うつけ醤油のバラエティについてなどを紹介しています。
カラーページでは大きな料理写真を数多く掲載するだけでなく、刺身やつまの作業工程や、包丁や醤油の図鑑、産地ルポルタージュなどものせ、眺めていて楽しい内容に。さらにモノクロの料理解説ページにも料理写真を配し、料理のパーツが献立のどれにあたるのか、わかりやすく丸数字で示しました。
『日本料理の四季』はある程度以上のクラスの料理人を対象としてきたが、この本はベテランから新人まで広く使える本をめざしました。そのためルビを多用し、つまの作り方のようなごく基本的な技術を取り上げる一方で、実践的な料理も多数掲載しています。
献立特集と素材特集がセットになった、いろいろな要素を詰め込んだ雑誌のようなスタイルで、シリーズで揃えるとなお便利な単行本です。
*編集部だよりは、こちら