プロの料理人に、家庭でも作れる料理をご紹介いただくシリーズの第4弾。
今回のテーマは牛肉です。鶏肉や豚肉にくらべて高価なイメージはありますが、スーパーや精肉店ではさまざまなタイプの牛肉が売られており、目的や好みに合わせて選択の幅が広いのが特徴です。
たとえば毎日の食卓に並ぶお惣菜やお弁当のおかずなら、こま切れ肉や切り落とし肉が便利。ちょっと贅沢な夕食にはすき焼き肉やステーキ肉を。そして、お客様のおもてなしや年末年始の集まりなどには、塊肉を使った特別な料理を。といった具合です。
本書では、それら店で売られている牛肉の形状に合わせ、和・洋・中・韓4人の料理人が、計90品の料理をご紹介しています。
スーパーで売られている牛肉のタイプ別に合わせた構成です。
「薄切り、細切れ、切り落とし」には、毎日の食事作りに役立つお惣菜的な料理を多くご紹介しています。「すき焼き用、しゃぶしゃぶ用」では薄くて大判な、その形状を生かした料理を。「焼き肉用」では、焼き肉のバリエーションの他、その肉質の特徴を生かしたユニークな料理も。
「ステーキ肉」では、既成概念にとらわれない個性的な牛ステーキや、ステーキ以外の料理もご紹介。「塊肉」では煮込みやローストビーフなど、おもてなしにも使える料理も多く、「挽き肉」にはハンバーグや焼売など、おいしく作りたい定番料理も。
その他「スジ肉、ハチノス、レバー、小腸」の料理もご紹介しています。
既刊の3冊とくらべ、プロセス写真が多くなっています。
牛丼、ハンバーグ、焼売といった定番料理も、プロセス写真で丁寧に追ってご紹介しています。中身が見えないグラタンや紙包み焼きも、途中の工程を写真で見ることができるので、
はじめての方でも安心して作ることができるでしょう。
「ポイント」はシェフたちが最もお伝えしたい作り方のコツ。肉の下処理、火の入れ方、温度など、ちょっとしたことに気をつければ料理はぐっとおいしくなる、ということがわかります。
そして、食欲を刺激する料理写真はこれまで通り。特に今回は圧倒的な迫力のある牛肉ですから、見ているだけでお腹が空いてきます。
切り方、混ぜ方、火の入れ方など、こだわるポイントは随所にあり、それがおいしい「定番」を作っていることがわかります。オリジナル料理は、料理を創造する楽しさを教えてくれます。
たとえば和食の吉岡さんが作る「つくね焼き 味噌煮込み」。イタリアンの有馬さんが作る「春巻きフリット」。中華の菰田さんが作る「牛ヒレステーキ 葱姜ソースのヒスイ仕立て」等々。既成の料理やジャンルの枠を超えたおいしい料理の数々に、シェフたちの底力を感じます。