アミューズや先付は、もともと料理の前に提供される食前酒の軽いつまみでした。突き出しやお通しなどと呼ばれることも。
最近では最初に口にするアミューズにインパクトを与えるために器づかいや提供法に工夫を凝らし、その店ならではの個性ある品々が用意されます。食欲を増進させ、食前酒がすすむように、酸味や苦味、塩味をきかせたり、のどごしのよいジュレ状のものや温かいスープなどが登場することもあります。
本書で紹介されるアミューズと先付は、フィンガーフードのような食べやすいものから、盛りつけをかえれば前菜に応用できる料理性の高いものまで多彩な品揃え。和洋中人気の79店が店で提供しているアミューズと先付201品を収録し、そのアイデアを紹介します。
※本書は『月刊専門料理』2010年から2013年に掲載した料理をもとに追加取材をしてまとめたものです。
第1章が洋のアミューズ、第2章が和・中のアミューズで展開されています。
洋のアミューズにはフランス料理、イタリア料理、スペイン料理のアミューズが登場。各章とも使いやすいように料理の形態や使用する素材によって分類しました。冷たい品、温かい品の使い分けもしやすくなっています。
最近では、毎日アミューズを数品用意し、1皿に盛り合わせたり、1品ずつ時間をかけて数品出すという提供スタイルも出てきました。どんな品々を毎日用意したら喜ばれるか、どのように盛り合わせるのか、その組み合わせの妙も求められています。和洋中とも、こうした要望に応じて複数の盛り合わせも紹介しています。
本書では和洋中の人気店が工夫を凝らしたアミューズと先付201品が、コンパクトにぎっしりと彩り豊かに詰まっています。
アミューズと先付は毎日の営業に欠かせないものだが、通り一遍の品ではもう満足してもらえません。器づかいや提供法も必見です。
最初の1品だけに、色使いや形状、味や食感、素材などにも驚きや感動が求められるようになってきました。頁を繰るたびに、新しいかたちで表現された新しい味が登場します。
加えて掲載した201品には、料理長のアイデアがぎっしり詰まっているところも見所のひとつ。その店ならではの工夫が盛り込まれています。また、洋のアミューズの最後にまとめた「プレゼンテーションと器のアイデア」「野菜に見立てるアミューズ12ヵ月」など、見逃せない品々が登場します。
*編集部だよりは、こちら