月刊専門料理で2012年に1年間にわたって連載されていた「魚介 浪速割烹」を基礎に、全面拡大して単行本化しました。
カラーページで取り上げる魚種数は雑誌掲載字の24種から44種に、1種あたりの料理写真数も2品から4品程度にと、ほぼ倍増しました。さらにレシピのみを紹介する魚種44種も加えて、計88種の魚貝類を扱っています。料理店で多く使われる高級魚だけでなく、大衆魚も視野に入れて、魚を無駄なく利用しつくす上野修三流の魚料理術を紹介します。
料理写真のある44種の魚はオコゼやヒラメのような一般的なものから、シタビラメやアカエイのような日本料理店では特殊なもの、アジやクロダイのような大衆的なものまでバラエティ豊か。
12カ月に分類され、その時季の料理を掲載していますが、タイ、ハモ、アユの3種に限っては旬の春と秋、夏と子の入った秋というふうに、2回にわたって登場します。モノクロページのみの44種は料理写真はありませんが、基本1魚種1ページで4品から5品ずつレシピを紹介しています。
巻頭には簡単な魚のおろし方と、魚を使いつくすために必要な、内臓や骨の下処理方法のプロセス写真も掲載。
料理写真のある44種は、見開きのカラー頁で料理を紹介し、続く見開きのモノクロ頁で上野修三氏によるその魚に関するエッセイと掲載した料理のレシピを掲載するというふうに、1魚種につき4ページずつの構成になっています。なおエッセイ部分に入っている魚のイラストもまた、上野修三氏の筆によるものです。
「鮮度のよい魚なら頭や骨まで無駄なく使えて、原価が抑えられるし、身とは違ったおいしさが提供できる。また大衆魚も工夫すれば、料理店で提供できる一品になる」、というのが上野氏の考え方。魚料理の幅がぐんと広がります。