著者の4冊目となるインド料理本です。
イギリス系インド人を夫にもち、結婚を機に移り住んだロンドンで習得した著者のインド料理は、伝統をふまえつつも現代的。私たちの嗜好にもよく合って、毎日の食卓に自然に取り込めます。特に本書で心掛けたのは、少なめのオイルと限られたスパイスを使い、いかにおいしい料理を作るかということ。より多くの方に、インド料理を楽しんでもらいたいという著者の願いが込められています。
料理はカレーや炒め物、ケバブやサモサ、タンドリーチキンといった人気メニューから、ちょっと通向きの南インド料理まで、はじめてインド料理を作る方から、ある程度作り慣れた方まで、幅広い読者を想定した内容です。
最初に「インド料理の基礎」のページを設け、スパイスや食材の紹介、おいしいインド料理を作るためのポイントをコンパクトにまとめています。料理は「みんなが好きなインド料理」「もっと知りたい南インド料理」の2部構成。
1部では、野菜のお惣菜サブジ、カレー&ダル、タンドリーチキンやケバブなどのスナック&おかず、サラダ、ライタ&チャツネ&ピクルス、ライス&パン、デザート&ドリンクに分け、人気のある料理56品を厳選してご紹介しています。
2部では、南インドならではの野菜料理ポリヤルから、煮込み料理のアヴェヤル&カレー&クートェ、スープ、スナック&おかず、副菜のパチャディ&チャツネ、ライス&パン、デザートの計21品をご紹介しています。
オールカラーで、料理写真とレシピが近くにあり、多くの料理に丁寧なカラープロセス写真がついていますから、インド料理初挑戦の方でも安心です。レシピには、辛さを表すマークをつけ、材料表のスパイスを太字にするなど、使いやすい工夫をしています。また、レシピに添えた「おいしいメモ」には、おいしく作るためのコツ、注意点、より本格的な味を目指す方へのアドバイスなど、役立つ情報がたっぷり。初心者の方は、まずレシピ通りにお作りいただいて、少しインド料理やスパイスに慣れてきたら、「おいしいメモ」にしたがってより深い味に。そんな使い方も可能です。
また、南インド料理をまとめてご紹介しているのも本書の特徴です。日本にはまだそれほど普及しているとはいえない南インド料理ですが、やさしいスパイス使いで、日本人にもなじみやすい料理が多くあることが分かります。特にマスタードシードの香りが香ばしい野菜料理のポリヤルや、酸味がおいしいラサムスープはおすすめです。
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