料理に添えられるつけ合わせは、ソースに劣らず重要な存在です。
つけ合わせの役割は、メインの料理のおいしさを引き立てること。盛りつけたときの美しさやインパクト、そして食べ合わせの妙(香り、食感、味の変化)により、主役の魅力を引き出します。しかし、ついワンパターンになりがちなのも確か。じゃがいも、にんじん、ほうれん草など、いつも同じ野菜を、同じ組み合わせで添えてしまうことも多いのではないでしょうか。
本書では、サラダやオードヴルのレシピ集でもおなじみの音羽シェフが、身近な素材を使い、自由な発想で作り出した、簡単かつ個性的なつけ合わせを多数ご紹介しています。つけ合わせに悩んだら、ぜひ頁をめくってほしい1冊です。
「素材別つけ合わせ」では、身近な素材を使ったつけ合わせを、素材ごとにご紹介しています。じゃがいも、玉ねぎ、いんげん、トマト、きのこなどおなじみのつけ合わせ野菜から、大根、かぶ、ごぼう、れんこん、うど、たけのこといった和野菜、そしてパン、米、パスタなど野菜以外の素材もあり、料理に合わせて幅広くお使いいただけます。
「便利なつけ合わせ」では、マッシュ・ピューレ、野菜グラタン、つけ合わせにもなるソース、野菜のテリーヌなど、バリエーションが楽しめるつけ合わせを、タイプ別にご紹介しています。
また、最後の「盛りつけレッスン」では、つけ合わせを使った盛りつけのポイントを、分かりやすく解説しています。
基本的にはつけ合わせの写真とレシピを同頁に掲載する、淡々としたレイアウトですが、ところどころにそのつけ合わせを使った盛りつけ例の写真があり、イメージがつかみやすくなっています。
たとえば、キューブ状にした「大根のブイヨン煮」。これだけ見ると、ただの白い四角の集合ですが、盛りつけ例では、春菊マヨネーズをかけた鶏もも肉に添えられて、実に個性的で魅力的な一皿になっています。あるいは「うどのフレッシュスライス レフォールソース」。これだけ見ると、こちらはただの白いリボンですが、盛りつけ例ではこれが帆立貝のポワレに添えられ、とてもモダンな料理に仕上がっています。つけ合わせ、そして盛りつけの重要性が、とてもよく分かります。
盛りつけといっても、高度なテクニックや経験が必要な難しい盛りつけは、この本には登場しません。誰でも真似できる、簡単な盛りつけです。にもかかわらず、料理が実にいきいきとおいしそうな顔になっているのは、さすがプロの仕事です。つけ合わせの配置や、色や大きさのバランス、組み合わせ方、そんなちょっとしたコツを見つけてください。
*編集部だよりは、こちら