都内の超人気ビストロのシェフが競演。
魅力的な魚介料理を、三者三様の視点&テクニックとともに紹介します。
ちょっと他にない個性とおいしさをもった3軒だから、料理のバリエーションは盛りだくさん。ニッポンのビストロやバルにふさわしい「おいしさの切り口」が目一杯詰まっています。
今の美食トレンド、「おいしさは王道、センスは新鮮、雰囲気は自分流リラックス」をまさに体現する3店のシェフによる共著。
クリスチアノ (東京・代々木公園)
日本人の味覚にドンピシャリ、今もっとも「食べたい&知りたい」ポルトガル料理がテーマ。
魚介と野菜の組み合わせ、魚介と肉の組み合わせ、塩漬けや発酵食品の使い方など、目からうろこの視点満載。
フジマル浅草橋店 (東京・浅草橋)
2014年4月の開店直後から人気爆発のワインショップ&ダイナー。
「ワインを飲みたい人のための魚介料理」がいろいろ。尾鷲直送の魚介と築地の素材の二本立てで展開する、「今だけの旬の味」と「店の看板料理」づくりに注目。
アタ (東京・代官山)
魚介をテーマに掲げるカジュアルフランス料理。
おいしさはフレンチの王道、ただし、既存のレストランの型にはとらわれない。
日本の素材、日本人の感性を元に、フランス魚介料理の醍醐味をダイナミックに伝える注目のネオビストロ。
本書は、各シェフの独立パートによる3部構成。
コラムと料理ページで展開します。
料理それぞれのレシピはもちろん、魚介の個性を生かす仕入れや仕込み、調理上の大事なポイント、ユニークで絶対おいしい味の組み合わせなど、どのコメントも読み逃せません。
◎料理から見える、こんな視点
・風味と新鮮さを生かす仕込みのテクニック
・熟成がもたらす旨みの生かし方
・赤ワインに合う魚料理
・産地直送のローカル魚介の魅力
・西洋の伝統の味、日本の伝統の味の生かし方
たしかに、フレンチの定番をベースにすると、展開に限界はありそう。料理の幅が狭いし、素材の種類も少ないですから。
でもここは日本。素材も、それを生かす知恵も山ほどあります。日本人は魚のおいしさを知っているし、世界にはいろいろなアプローチがある。地元では鍋にしか入れないようなローカル魚介にも、おもしろい発見があります。
肉がブームとかっていいますが、そろそろ魚介の時代。日常ユースのビストロやバルなら尚のこと、さらりと心くすぐる魚介のつまみ、がっつり舌をとらえる魚介の料理が望まれています。
魅力的1品が生まれる可能性は無限大。これから新しいおいしさがドンドン出てくる……そのことを確信させてくれる本です。