平成25年の「和食」のユネスコ世界無形文化遺産登録を機に、和食が国内外でにわかに注目を集めています。
今までは敷居が高くて、若い年齢層にはなかなか手が届かなかった日本料理でしたが、手軽に楽しめる価格帯の店が確実に増えています。
本書では、食べて飲んで1万円でおつりがくる「お値打ちコース」を主軸に据えて人気を集めている東京都内12店の割烹料理店に取材をし、実際に提供しているコース料理(季節ちがい2コース)と、一品料理のレシピを紹介しました。
レシピだけではなく、どうしたらこの価格でこれほどコストパフォーマンスが高い料理が出せるのかを、その背景となる「店づくり」とともにわかりやすく解説しているので、これから店を出す方々にとっても参考になる一冊です。
冒頭4頁は店内写真や見るべきカット写真、店内見取り図などを入れて、「店づくり」や「仕入れ」、「原価を下げるための工夫」などを中心に解説。
続いて季節ちがいでコース料理を2コース紹介。コースのほかに一品料理を用意している店についてはこちらも収録しました。各店の献立から、食材のロスを出さない工夫や、お客さまをあきさせない工夫なども読み取れます。
そしてこれらの料理の料理解説を収録して1店で完結するスタイル。この流れで12店の店づくりと料理を掲載しました。
店づくりを解説するのに必要な店内見取り図を各店ごとに配し、店内写真とポイントカットをレイアウトしています。飲食店をきりもりするには、厨房内の作業動線と客席のサービス動線がとても重要。こうした解説も見取り図があるので理解がしやすくなります。
料理頁ではコースの流れがわかるように料理を提供順に並べています。
また各コースに合うお酒をボトルの写真つきで紹介しているところにも注目。料理解説頁には、料理名と料理を照合しやすいように料理写真を小さくのせています。
20年以上やり方を変えずに店を続けている店もあれば、開店して2年というニューフェイスもあります。また東日本大震災の直後に開店した店もあれば、途中で移転した店、支店を出した店も。
本書ではさまざまなタイプの店にご登場いただいて、開店から現在にいたるまでの道のりを取材しているので、これから店の開店や移転、改装を考えている方々のための生きた教科書となります。
また和食ブームとともに最近人気が高まっている日本酒は、春夏秋冬、季節に合う「うすにごり」や「スパークリング」「冷おろし」「しぼりたて」や、季節限定商品なども登場。各店が店の料理に合う酒を厳選しているのも見所です。
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